3「キャベツ」の育て方・栽培方法(アブラナ科)

秋まき春どりの富士早生「キャベツ」

キャベツは一年中スーパーに並んでいる野菜ですが、家庭菜園でつくるのにも栽培時期・収穫時期は年間を通して複数回あります。キャベツは品種や産地、栽培方法によっても春夏秋冬栽培できる野菜です。今回栽培したキャベツは「秋まき春どり富士早生キャベツ」と「四季まきキャベツ」という品種です。両者は名前と品種は違いますが、種のまきどきと収穫期はほぼ似通っており、同じように栽培しても問題ないと考えられます。「秋まき春どり富士早生キャベツ」はまきどきと収穫期は温暖地なら2月中旬~3月中旬まきなら6月収穫、7月下旬~8月上旬まきなら11月~12月上旬収穫、9月末~10月下旬まきなら5月収穫となっています。寒地・寒冷地なら3~6月まきで7月~10月収穫、団地では2月中旬~3月中旬まきで6月収穫、7月下旬~8月下旬まきで11月~2月収穫、9月末~11月初旬まきで4月~5月収穫となっています。一方、「四季まきキャベツ」は温暖地では2月中旬~3月下旬で6月収穫、7月で10月下旬~11月収穫、10月中旬で6月収穫となっています。どちらの品種も年間を通じて3回の栽培期間があります。

キャベツの種袋①

キャベツの種袋①

キャベツの種袋②

キャベツの種袋②

10月の種まき‐真夏の種まきは困難

「秋まき春どりキャベツ」の種まき①(10月)

「秋まき春どりキャベツ」の種まき②(10月)

「秋まき春どりキャベツ」の種まき②(10月)

秋まき春どり品種のキャベツでは秋に種をまいて、翌年の春に収穫する事ができます。種袋には10月に種まきして翌年5月に収穫とありますので、気象庁の区分では3月~5月が春ですから確かに春の収穫といって良いでしょう。10月に種をまくというのは非常に理にかなっていて、「ふじやま」さんのこれまでの菜園経験からも確かに10月から種まきして栽培するのは成功しやすいと思います。その理由は何といっても虫食いの被害に会いにくい上に涼しくて苗を育てやすいからです。「ふじやま」さんは以前は10月~12月の秋から冬が来る前に収穫しようと栽培を試みたのですが、これまで何度も失敗しています。失敗の原因は何といっても虫食いの被害と真夏の苗作りの難しさです。キャベツは総じてある程度の耐寒性はあるので冬が来る前にある程度成長させておけば、秋だけでなく冬にも収穫できる可能性はあります。温暖地では7月中旬~8月中旬に種まきして10月下旬~12月上旬までの収穫期となっていますが、暖地ならば7月下旬~8月下旬に種まきして10月下旬から翌年2月までの収穫期となっています。「ふじやま」さんの菜園は温暖地に地域にあたりますが、近年の暖冬の影響とキャベツの耐寒性を考慮に入れれば、当菜園でも冬の2月までも収穫できる可能性は十分あると思います。それはそれでよいのですが、実際秋から冬にかけて収穫しようと思えば、秋になる前の真夏の猛暑の時点から種まき、そして苗作りをしなければなりません。これまでに真夏に種まきから苗作りをした事がありますが、本当に難しいです。そもそも7月、8月の真夏の気温は日中35℃に及ぶ事もあり、連日続く事も珍しくありません。しかも何日も全く雨が降らない事もあるので、そもそも畑や菜園に直接種まきする「直播き」はほぼ無理です。更には真夏は害虫が最も活動する季節で、直播きで種をまいたり苗を植えようものならあっという間に虫に食われて葉がなくなってしまいます。直播きが全くできないわけではありませんが、真夏の強烈な日差しを避ける遮光シートや虫食い被害を防ぐ不織布や風除けなどの保護は欠かせず、また強烈な日差しと高温で枯れてしまうのを防ぐためにもこまめな水やりが必要です。日中に畑又は菜園に頻繁に訪れて管理できるのなら別ですが、そうでなければ真夏の直播きはまず不可能です。そうした理由から「ふじやま」さんはこれまでセルトレイや育苗ポットなどを使用して苗作りをしてきましたが、なかなか良い苗ができずに植え付けるのに十分な数を確保できない事も多々ありました。そこで真夏の種まきではなく9月に入ってから種をまいたりしたのですが、さすがに9月から種をまくのでは秋には収穫できません。キャベツが結球もせずに大きくなる前に冬が訪れて中途半端な成長具合のまま成長が止まってしまうという結末でした。冬の間は生育適温は確保できませんからそれ以降は成長が見込めず収穫もできなくなります。冬の間成長が一時停止するだけで低温の被害もなければ、うまくいけば冬が過ぎれば春に再び成長が始まって収穫できる場合もあります。「ふじやま」さんの場合もそうしたケースが何度が続いたために、いっその事最初から秋まきの春どりの品種を栽培するに至ったわけです。

秋まき直播きで生育順調

10月初旬にまいたキャベツの種は11月下旬にもなると立派な苗に成長しました。種をまいて発芽したばかりの幼苗は高さわずか数センチでいかにも弱弱しかったのですが、2カ月近くも経つと高さも10㎝以上、葉は立派な大きさのものが数枚ある苗に成長しています。苗がこれだけの大きさにまで成長すればこれから訪れる厳しい冬の寒さを乗り越えられるはずで、逆にいえば少なくとも本格的な冬が訪れる前にある程度成長させておかないと冬の低温で苗がやられてしまう可能性があります。

キャベツの生育状況①(11月27日)

キャベツの生育状況①(11月27日)

キャベツの生育状況②(11月27日)

キャベツの生育状況②(11月27日)

冬の生育状況

秋にまいた種は順調に生育し、年を越して冬の寒さにも耐えて春の収穫を待っています。2月下旬時点での生育状況は葉は既に結球していて玉の直径は約10㎝程度です。10㎝ではまだ収穫できる大きさではありませんが、春になって再び成長し始めれば収穫可能になるでしょう。株ごとに成長の差はあり、外葉が霜焼けしたり虫食いの被害がありますが、総じて生育は順調といえます。

秋まき春どりキャベツの生育状況①(2月25日)

秋まき春どりキャベツの生育状況①(2月25日)

秋まき春どりキャベツの生育状況②(2月25日)

秋まき春どりキャベツの生育状況②(2月25日)

春の収穫前の生育状況

長かった冬がようやく終わり、昨年の秋からの長い栽培期間も終わりに近づいてきました。半年近くの栽培期間を経て、キャベツは形を整え、後は今しばらくの成長を待って収穫を迎えるだけです。種袋の裏面の説明によれば収穫期は4月下旬から5月となっているので、収穫には少し早いのですが、既に結球してそれなりの大きさのものもあります。菜園には20株近くは栽培しているので、収穫期が来ても一度には収穫できないし食べられません。多少玉が小さくても早めに少しずつ収穫し始めれば、収穫期と消費時期をずらす事ができます。3月下旬ではまだ早いかもしれませんが、これから5月の収穫期に向けて少しずつ収穫していく予定です。

春の収穫前のキャベツ①(3月19日)

春の収穫前のキャベツ①(3月19日)

春の収穫前のキャベツ②(3月24日)

春の収穫前のキャベツ②(3月24日)

待望の春の収穫

昨年の10月に種をまいてから翌年の5月まで半年にも及ぶ栽培期間を経て待望の収穫です。実際は3月下旬から4月にかけて玉は小さいながらも少しずつ収穫してきましたが、十分な大きさになるのは収穫期の5月でした。春の気温の上昇と共に徐々に生育が進み、5月に入ると収穫に相応しいサイズのキャベツが続々と登場してきました。多少の霜腐れや虫食いはありましたが、気温が低くて虫がつかない秋冬に栽培するのはキャベツの栽培に適していると思いました。早速1個収穫しましたが、形は綺麗で虫食いもなく大きさも十分な立派なキャベツが獲れて満足しています。

収穫直前のキャベツ(5月10日)

収穫直前のキャベツ(5月10日)

収穫後のキャベツ(5月10日)

収穫後のキャベツ(5月10日)

収穫適期を過ぎたキャベツ

キャベツは5月の収穫期を過ぎ始めると気温の上昇と虫食いの被害でもはや収穫ができない状態になってきました。今年は5月でも日中の気温が29℃とか30℃などもは真夏のような天候になる事があり、6月にもなるとキャベツの玉が高温で傷んで茶色く変色してしまいました。気温の上昇とともに害虫が発生してキャベツの葉を散々食い散らかして、葉は穴だらけになり、周りの外葉は筋だけになってしまいました。これ以上の栽培は無理ですし、収穫せずに菜園に未収穫のまま置いておくことは不可能です。「秋まき春どりキャベツ」の栽培はこれで終了です。

収穫適期を過ぎたキャベツ(5月28日)

収穫適期を過ぎたキャベツ(5月28日)

収穫適期を過ぎたキャベツ(6月9日)

収穫適期を過ぎたキャベツ(6月9日)

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