「にんじん」の栽培方法 (セリ科) 第1回

基本情報

分類:セリ科ニンジン属 / 原産地:アフガニスタン / 学名:Daucus carota / 英名:carrot / 主産地:北海道、千葉、徳島など / 品種:五寸、向陽、金時、リコピン、金美、熊本長など / 最適ph:5.5~6.5 / 発芽適温:15~25℃ / 生育適温:18~21℃ / 種まき時期:(春)3~4月、(夏)7~8月 / 収穫時期:(春)6~7月、(夏)11~12月

栽培のポイント

移植はできないので直播きする / 種は光を好むので薄く土を覆う / 発芽するまではこまめに水遣りして乾燥させない / 苗が小さいうちは草取りを頻繁に行う

由来・歴史

アフガニスタン原産の「にんじん(人参)」は中国を経て日本へ伝来した東洋種とヨーロッパを経て渡来した西洋種があります。東洋種は根が長い人参で日本に16世紀に最初に伝わりましたが、江戸時代後期には長さ15~20㎝ほどの西洋種が伝わりました。現在では短くて育てやすい「三寸」、「五寸」といった西洋種が主流となっています。

にんじんの「種まき」

dscf0022「にんじん」の種まきは結構難しいです。種の発芽率は約70%と他の野菜に比べて低く、水遣りを怠れば全く芽が出ないことすらあります。私は2度も3度も芽が出てこない失敗をして、ようやくまともに芽が出るようになりました。はじめは酷いもので、撒いた種が全く芽が出てこなくて、1週間後に又種を買ってきて撒きなおした記憶があります。その原因をよくよく調べてみると、どうやら「土のかけ過ぎ」と「不十分な水遣り」のようです。にんじんの種は「好光性」で太陽の光があたる位の覆土で十分との事です。また、種は「乾燥厳禁」で常に湿っているような状態でなければならないようです。ですから種まきは土の表面に種を撒くようなつもりで、パラパラと土をまぶす位が丁度良いみたいです。又、種まき後は濡れた新聞紙や寒冷紗をかぶせておくと乾燥防止に役立ちます。

にんじんの「発芽」 (撮影日:05/06)

dscf00451_thumb一畝に2列撒きしたにんじんの種ですが、1週間もすると発芽し始めました。今回の種まきは上手くいった様で、きれいに揃って発芽しています。発芽してしまえばとりあえずは安心ですが、後は間引きや追肥作業があります。特に間引きは大切で、込み合った苗が競合しないですくすく育つようにしなければなりません。昨年秋に栽培した時も苦労したのですが、なかなか間引きがうまくできませんでした。せっかくの苗を抜くのを躊躇してしまい、却って小さいにんじんになってしまいました。今年は昨年の失敗を活かして、大胆かつ適確に間引きをしたいと思っています。

にんじんと雑草 (撮影日:05/09)

dscf0049_thumb発芽した苗も揃い始めてだいぶ込み合ってきたので、そろそろ間引きをしなければなりません。とはいってもご覧の通り、雑草が生い茂っています。雑草をそのままにしておくと、まだ小さい苗が負けてしまい生育不良になるので、まずは雑草を取り除かなければなりません。間引きはその後ですね。しかし、本当に雑草だらけです。

生育順調なにんじん (撮影日:05/27)

前回の撮影から約3週間が経過。雑草に負けそうな位に貧弱だったにんじんが、畝全体に密集してたくましく育ってきました。あれから雑草の除去、いわゆる草むしりを欠かさず続けたお陰で、こんなにも葉っぱが成長して密集してきました。十分に育ってきて嬉しい限りですが、このままではにんじんが大きくなりません。密集したにんじんに適度なスペースを確保して成長を促す「間引き」をしなければなりません。この間引きはにんじんの成長にあわせて適宜行わなければならず、最終的には株間が10cm位になるのが理想的です。間引きしたにんじんは一般的なにんじんのイメージには程遠いものですが、にんじんはセリ科なので葉っぱも香りが良くて美味しいです。炒めたり、スープにしたりと十分料理に役立ちます。
dscf00231_thumb dscf00222_thumb dscf0082_thumb

梅雨の雨で成長促進 (撮影日:06/16)

dscf00392_thumb「ふじやま」さんの故郷の富士山麓でもいよいよ梅雨に入り、雨が頻繁に降るようになりました。先月にはまだ貧弱だった苗ですが、葉も生い茂り旺盛な成長ぶりです。ここまで成長すれば雑草負けする心配はありませんが、引き続き間引きはしなければなりません。葉が生い茂り生育良好ですが、にんじんは主に根を食べるのですから肝心の根が肥大しなければなりません。あまり株が密集していると1株1株が小さくなってしまいますから間引きは欠かせません。又、この時期には追肥も必要で化成肥料を適量まく必要があります。それでも、あとはほぼ放置しておけば収穫できます。

にんじんの収穫開始 (撮影日:07/11)

5月初旬に種まきした「春まきにんじん」ですが、2ヶ月後ようやく収穫期を迎えました。それまでに間引きで小さいながらも何度もとっているので、厳密には初収穫ではありませんが、一般的なサイズのにんじんの収穫という意味では初収穫です。1畝に数え切れないほどの株が成長していますので、少なくとも100本以上収穫できるはずです。そんなにたくさん1度には食べきれないので、多少小さくても早めに収穫する事にしました。順次収穫して日々の料理に使おうと思っています。スーパーで売っているような大きくて太い立派なにんじんとまではいきませんが、別に販売するわけでもないので、小さくても十分です。
dscf00281_thumb ni0061_thumb

「間引き」は大胆に (07/20)

次々と収穫しているにんじんですが、やはり継続的な「間引き」の必要性を感じます。発芽当初から「間引き」はもちろんしてきましたが、収穫期が近づくにつれ、だいぶ手を抜いてしまいました。栽培の本などによれば最終的な株間は15cmほどとのことですが、実際は10cmや7cmの場合もあり、かなり密植しています。

「生育適温」に注意

「間引き」も兼ねて収穫していますが、7月も終わりに近づくにつれ、気温上昇でにんじんの「生育適温」を越えてきました。野菜栽培ではそれぞれの野菜が成長する「生育適温」が大変重要ですが、にんじんの一般的な「生育適温」は18~20℃ほどです。夏本番も近い7月下旬では25~30℃を超える暑い日が続いているので、完全に「生育適温」を越えています。日々収穫していても、成長がすでに止まってしまっているのか、それほど大きなにんじんはとれません。にんじんは「春まき」、「夏まき」と季節や気温に合わせて成長させるのが本当に大事だなと痛感しました。

失敗例①:時期外れの未熟なにんじん (撮影日:4月8日)

dscf0022「ふじやま」さんの家庭菜園で収穫した「にんじん」です。スーパーで売られている立派なサイズのにんじんには程遠く、わずか5~10cm程度の大きさです。本当ならもっと大きいはずですが、これもやはり種まきの時期が遅かったせいですね。3ヶ月あれば十分収穫できると思い、10月にまいたのですが、12月近くなるともう霜が降りてしまい、野菜の成長が見込めなくなってしまいました。今考えるともっと早く種まきするなり、寒冷紗をするなり方法があったのですが、全く初心者の私はそのまま育て続けました。間引きのタイミングや間隔も良くわからず、何だか中途半端なにんじんになってしまいました。それでもにんじんはにんじんです。いくら小さくても味は変わりませんし、葉っぱ付きのにんじんなんて贅沢です。サイズが小さいので収穫量は少なかったですが、炒め物や煮物にしたりして美味しかったです。

失敗例②:猛暑の日照りで苗が全滅 (8月31日)

今年は7月中旬に梅雨明けしましたので、7月下旬になり早速にんじんの種まきをしてみましたが、完全に失敗してしまいました。8月下旬には苗が一本も残っていない状態です。梅雨明け前の雨が良く降る時期が種まきには適しているとの事でしたが、種が発芽したにも関わらず、その後の連日の猛暑で苗が皆枯れてしまいました。1週間も雨が降らない事もしばしばで、連日30℃から35℃の猛暑が続き、畑が完全に干上がっています。土がカラカラ、サラサラの状態で全然水分を含んでいないため、発芽しても苗が生長しないのも無理はありません。にんじんは特に乾燥に弱いので、この日照り続きの猛暑ではにんじんの栽培は難しそうです。8月末の時点では他の野菜の種まきや植え付けも今はしていません。種まきや苗の植え付けをしてもこの連日の猛暑ではダメになってしまう確率が高いからです。それでも大根の種まきを少しして、「ブロッコリー」や「白菜」の種をポット播きして苗を育て始めています。9月に入り、もう少し気温が下がってきたら、本格的に種まきや植え付けをしたいと思っています。

 

>> 「にんじん」の栽培方法 第2回


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA