摘心・摘葉について

「摘心」の定義

「摘心」とは別名「ピンチ」、「摘芯」とも呼ばれ、野菜、草花、果樹など植物の茎の先端にある芽、「頂芽(ちょうが)」を摘み取る事です。「摘心」で芯を止める事により頂芽より先は成長しなくなりますが、その代わりに茎の側面にある芽、「側芽(そくが)」の成長が促進されます。植物は元来上へ上へ、先へ先へと伸びる事に栄養分を優先的に使う「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質があるので、側芽(わき芽)の成長は後回しになります。しかし、頂芽が摘心されるとこれまで優先的に配分されていた栄養分は側芽に振り分けられるようになり、側芽(わき芽)の成長が促進されるようになります。

「摘心」の効果

「摘心」は茎の先端の芽を摘み取る事で成長が止まりますが、側芽(わき芽)の成長が促進される事で花や実がたくさんできるようになり、収穫量の増加が期待できます。植物全体に供給される栄養分には限りがありますが、植物は大きくなろうとして必死に茎の先端に栄養分の大半を配分します。しかし、摘心する事でその栄養分は他に配分される様になり、側芽(わき芽)の成長とひいては花や実を増やし、実の品質向上や肥大化にもつながります。

「摘心」が必要な野菜

「摘心」は必要不可欠というわけではありませんが、品質向上や収量増加を目的にするなら「摘心」をした方が良い野菜があります。スイカ、トマト、インゲン、キュウリ、枝豆などです。

スイカは本葉が5~6枚になったら親づるの先端をハサミで切り取ります。親づるを摘心する事で側芽(わき芽)となる子づるが伸びてきて、それぞれの子づるにスイカの玉ができるというわけです。

トマトの場合は主茎を一定の高さまで伸ばしたら摘心するのですが、一定の高さとは支柱の高さとか雨よけの屋根の高さまでというところでしょうか。トマトの主茎はスペースさえあればいくらでも伸びるのですが、支柱や屋根がある以上はそれ以上の高さになってしまうと管理ができなくなってしまいます。原産地の中南米では複数年に渡って地這いで何メートルも成長するそうですが、日本では気候条件は異なるし家庭菜園ではそれほど長く栽培する事はありません。一般的な家庭菜園ではある程度の高さで主茎を摘芯する事で成長を止め、その成長に向けられていた栄養分を着果したトマトの実に配分する事で品質の向上をはかる事ができます。

インゲンの場合はつるあり種の場合、親づるが支柱やネットの一番上まで達したら摘心します。摘心する事で子づるの成長が促進され、収量も増加します。

枝豆は本葉が5~6枚になってきたら摘芯する事で側枝の成長が促され、側枝にも花がついて実がつくようになって収穫量が増えます。また、摘心する事で株の高さが抑制されて倒伏の危険性を減らします。

「摘葉」の定義

「摘葉」とは野菜、草花、果樹など植物の葉を摘み取る事で、通風、採光、病害防止などの目的で行われます。植物は葉が込み合ってくると密集して風通しが悪くなり、病気発生の原因になります。密集し過ぎた葉を摘み取る事で風通しを良くすれば病気にもなりにくくなります。また、密集して重なり合っていた葉を摘み取れば残した葉に日光が当たりやすくなります。そして、古くなった葉や病気にかかった葉は早めに除去する事で病気の発生又は拡大を防ぐ事ができます。

「摘葉」しなければならない野菜の一つが「きゅうり」です。「きゅうり」は生育旺盛で蔓と葉がどんどん伸びていきますが、あっという間に葉が込み合ってきます。きゅうりはうどんこ病やべと病など病気が発生しやすいですが、その原因に葉の密集による風通しの悪化や採光不足があります。そこで密集した葉を古いものや状態の悪いものから適宜摘み取っていく事で病害発生の予防になります。また、実際に病害が発生して葉が侵食されてもその部分を切り取る事で感染や拡大を防ぐ事につながります。


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