「プリンスメロン」の育て方・栽培方法(ウリ科)

基本情報

原産地:アフリカ・インド / 分類:ウリ科キュウリ属 / 学名: Cucumis melo L. / 英名:Oriental melon, Western melon / 和名: / 主産地:熊本県、山形県、福井県など / 発芽適温:28~30℃ / 生育適温:20~30℃ / 種まきの時期:3月下旬~4月中旬 / 苗の植え付け時期:5月上旬~6月上旬 / 収穫時期:6月下旬~8月上旬 / 適正土壌ph: 6.0~6.5 / 連作障害出やすい

栽培のポイント

連作障害があるので3年は間隔をあける / 水はけの良く有機質が豊富な土で作る / 窒素肥料の施し過ぎでつるボケに注意 / 親づる、子づる、孫づるの摘芯が必要 / 受粉後40~45日が収穫の目安 / ヘタが剥がれたら収穫適期

プリンスメロンの苗を購入(4月21日)

「ふじやま」さんの家庭菜園は始めてから何年も経ちますが、プリンスメロンを栽培するのは今回が初めてです。メロンというといかにも高級品で栽培は難しいというイメージがありましたので、これまで家庭菜園で作るなどとは思いもよりませんでした。今回も例年通りスイカを作ろうかなと思ってホームセンターへ行くと、スイカの苗の隣にごく普通にメロンの苗が売られていました。

販売されていたプリンスメロンの苗は接木苗なので連作障害の心配もなく、病害虫にも抵抗性があります。スイカやメロンはウリ科に属するので苗の下部分の台木は通常、障害や病気に強い品種の同じウリ科の植物又は野菜が使用されています。残念ながら家庭菜園用に販売されている苗では詳しく品種名は紹介されていません。

しかしながら、ポット苗に差し込まれている商品の説明書には『接木苗 プリンスメロン、収穫時期 植え付けから約3カ月、特徴 果実は平均500g~600gで甘味が強く、芳香があります。味に当たり外れがないのも特徴です。 お手入れ方法 日光を好みます。水はけのよい場所。表土が乾いたら水を与えます。栽培のポイント マルチを敷く時にホットキャップの周りに化成肥料、鶏糞等を軽く撒いておくと良いです。水やりは根が落ち着くまでは表土は乾いてからですが、高温乾燥を好むので多湿にならないよう管理します。 ※接木苗なので、台木から出てきた脇芽はは早めに摘み取って下さい。』と記載されています。

良い苗の選び方

プリンスメロンに限らず野菜づくりの一歩は苗選びから既に始まっています。良い苗を選ぶ事はその後の植え付けから収穫までに影響を及ぼし、良い苗が良い実を作る事につながります。ですから苗を購入する段階で十分に吟味する事が大切で、良い苗を判別できる目利きが重要になります。良い苗の条件は、

  • 病虫害や連作障害に抵抗性がある接木苗
  • 節間が短く太い

植え付け前の畑の準備

プリンスメロンの苗を植え付ける前には事前の土づくりが重要です。まず大事なのは十分な栽培スペースの確保です。その重要性は後述していますが、最初に苗の数に応じた十分な栽培スペースを確保しておかないと後々後悔する事になります。畝幅や株間はマニュアルにより違いはありますが、地這い栽培の場合は畝幅は60~100㎝、株間は100㎝以上が必要です。更に、これだけの畝幅と株間に加えて畝の両脇の畝間にツルが伸びるスペースが必要です。畝の両端から少なくともそれぞれ2mほどあれば十分栽培できると思われますが、可能であればもう少しスペースを確保したいところです。スペースを確保したら次は栽培区画を耕して石灰や有機質をたっぷり含んだ肥料を施します。土壌の適性phは6.0~6.5ですので酸度計などを使用して調整した後に、堆肥や配合肥料をまきます。肥料を区画前面にばらまく全面施肥の方法で、しっかりと耕して土に馴染ませます。ここまで済めば後は畝を作るのですが、場合によっては苗1つずつの鞍付き畝にする事もあります。鞍付きではない細長い畝を作る場合には水はけが良くなる様に高さがあるなだらかな畝を作り、地温確保と泥除けの為にマルチングをします。マルチングは透明ですと雑草が伸びてきますから黒色がお勧めですが、マルチ以外では藁が手に入れば申し分ありません。畝の部分だけ黒マルチで周囲の区画に藁を敷いても良いですし、畝の部分だけ藁を敷くという場合もあります。

プリンスメロンの苗の植え付け(4月22日)

植え付け前の土づくりの準備ができたら、いよいよ苗の植え付けです。畝の中央部分に十分な株間を取って植え付け穴を開けます。この時マルチの畝の植え付け範囲に苗を仮置きして見て苗が全てうまい具合に植え付けられるか確認しておきます。穴を開けてしまってからだと1株だけ株間が狭かったりそもそも長さが足りなかったりと困ったことになります。全ての株が均等の株間になる様に事前に確認しておきましょう。植え付け穴を開けたら苗を植え付ける前に穴にたっぷりと水を入れます。その後苗を浅く植え付けて定着させます。

子づる、孫づるの摘芯を怠る(6月10日)

プリンスメロンは実を確実につける為には摘芯が重要です。今回「ふじやま」さんは親づるは摘芯しましたが、子づると孫づるを摘芯しなかったので手が付けられなくなってしまいました。プリンスメロンをつくるのが初めての「ふじやま」さんは親づるの摘芯はしたものの、その後暫く放置していた為にどれが子づるや孫づるかわからない位に繁茂してしまいました。

プリンスメロンの親づるの摘芯(5月13日)

本来であれば親づるは本葉6枚ほどで摘芯し、子づるを4本伸ばし、子づるは本葉20~25枚ほどで摘芯し、孫づるを伸ばして着果させて、子づる1本につき実を3個ほどにします。マニュアル通りであればこのように親づる、子づる、孫づると適宜伸ばしていくのですが、時期が遅れてしまうとつるの判別が難しくなります。かぼちゃやスイカは作った事がありますのでその経験から推測して甘く見ていたのですが、プリンスメロンは摘芯をしないとこれほど繁茂するとは思いませんでした。4月下旬に苗の植え付けをして、5月中旬に親づるの摘芯をした頃までは順調でしたが、6月に入って子づるが伸びてきた頃には時すでに遅しといったところでしょうか。どれが親づる、子づる、孫づるなのか全くわかりませんし、足の踏み入れる隙間もありません。

プリンスメロンの摘芯失敗①(6月10日)

プリンスメロンの摘芯失敗②(6月10日)

スイカの場合は毎回親づるは摘芯しますが、子づるや孫づるは摘芯せずに放置していますが、これほど繁茂しないし十分な収穫を得ています。スイカとメロンは隣同士で双方とも5株ずつ栽培していますが、その違いは一目瞭然です。プリンスメロンも同じウリ科なのでスイカと同様に考えていましたが、摘芯をしないとこれほどツルが伸びるとは思いませんでした。

さて、これほど繁茂してしまうと最早打つ手がないというか、どうしたら良いのかわからないのが現実です。足の踏み場もないのでツルを傷つけてしまうし、どれが子づるか孫づるかもわからないので誤って切ってしまう可能性もあります。踏みつけたり誤切断してしまえばかえって収穫に悪影響を与えてしまう事になります。という事で結論としては放置するしかありません。マニュアル的には摘芯は不可欠ですが、だからといって全く収穫できないわけではありません。今回が初めての栽培という事もあるのでここは大らかな気持ちで見守りたいと思います。

スイカの生育状態①(6月10日)

スイカの生育状態①(6月10日)

なぜ摘芯が必要なのか

そもそもプリンスメロンの栽培でなぜ摘芯が必要なのでしょうか。別に摘芯しなくても育つ事はできるし、全く収穫できないというわけではありません。プリンスメロンで摘芯が必要な最大の理由は親づるには雌花がつきにくいという点です。実ができるには当然雄花と雌花が必要ですが、いずれの花が少なくても収穫量は減少してしまいます。親づるは全く雌花が咲かないわけではありませんが、子づるや孫づると比べると極端に少なくなります。

人工授粉せずに自然受粉したプリンスメロン

プリンスメロンの苗は成長するにつれて当然ながら雄花と雌花が咲きます。この雄花の花粉と雌花が受粉して雌花の付け根の実が大きくなるわけです。受粉するには当然雄花のおしべの柱頭の花粉と雌花のめしべがくっつく必要があるのですが、大抵の場合はミツバチが自然に受粉してくれます。しかしながら、都市部で近くにミツバチがいなかったり、防虫ネットをしたりしてミツバチが入れない場合は、人の手で人工授粉をする必要があります。

プリンスメロンのうどんこ病(6月10日)

今回初めて栽培したプリンスメロンでも早速ですがうどんこ病が発生してしまいました。うどんこ病はウリ科の野菜に良く発生する病気ですが、隣の区画で栽培しているかぼちゃにも発生しています。しかし、うどんこ病は異なる種類の野菜には伝染せず、かぼちゃのうどんこ病がプリンスメロンのうどんこ病の原因ではないので、これはプリンスメロン特有のうどんこ病になります。

薬剤散布せずに手作業で葉を除去する(6月10日)

うどんこ病が発生したら一番効果的なのは薬剤散布なのでしょうが、そこは家庭菜園のこだわりで使用しない事にしています。とはいえ薬剤といっても適量を正しい用法で使用すれば問題はないはずですが、そこは最後の砦です。今回は薬剤は使用せずにとにかくうどんこ病に侵された葉を手で千切って除去する事にしました。

うどんこ病の葉を千切るのは良いのですが、問題はその葉の処理です。うどんこ病は風に吹かれても伝染しますので菜園内に残しておくとうつってしまう事もあります。処分する際には菜園区画外に持ち出して行います。

千切ったうどんこ病の葉(6月10日)

ツルが自然に取れたプリンスメロンの収穫(6月26日)

今年初めて栽培を始めたプリンスメロンですが、思いのほか早く収穫の日が訪れました。一般的な収穫の目安は開花後40~45日ですが、収穫適期になると甘い香りがしてヘタと実の間にひび割れが生じてツルが取れやすくなるかもしくは取れてしまいます。実際「ふじやま」さんの栽培していたプリンスメロンはヘタからツルが外れて取れていました。ツルが取れてしまった以上これ以上置いていても仕方ないので、すぐさま2個ほど収穫しました。自分では収穫はまだ先だと思っていましたので、これほど早く収穫するとは思いませんでした。収穫の時期としては開花後40~45日という事で、適期とするならばこの2個の実は5月中旬には開花していた事になります。株を植え付けたのが4月下旬で親づるの摘芯をしたのが5月中旬でしたので、株の根元の実ならば5月中旬に開花していたとしてもおかしくありません。実際実のヘタの付近からはそれほどではありませんが、メロンの香りがしてきます。

つるが取れたプリンスメロン①(6月26日)

つるが取れたプリンスメロン②(6月26日)

さて、収穫したのは良いのですが、実際に食べるのは数日置いてからの予定です。スイカやかぼちゃと同じく中身は切ってみなければわかりませんし、数日常温で置いておけば追熟が見込めます。ここでは常温で保管がポイントで、冷蔵庫に入れるのは食べる直前にした方が良いです。

ツルが枯れ始めたプリンスメロン(6月28日)

6月も終わりに近づきプリンスメロンの実を収穫し始めた一方で、ツルが枯れ始めてきました。ツルがあまりにも密集して地表も見えませんでしたが、ようやく見えてきました。畝には収穫間近とみられるプリンスメロンが幾つも並んでおり、ヘタが取れる様になれば収穫の時期が到来した事になります。果たしてそれまで葉やツルが無事でいて実の生育を助けてくれるかはわかりません。

初めてのプリンスメロン栽培で実食(6月28日)

収穫から2日ほど常温保存し、冷蔵庫で3時間ほど冷やしたプリンスメロンを実食しました。少し小ぶりですが半分に切ってみるとまぎれもなくメロンで、初めて作ったメロンに感動しました。実際に食べてみると果肉は柔らかく甘味は十分で一般に販売されているメロンと遜色ない味でした。メロンといえば高級品のイメージで家庭菜園で作れるとは思っていませんでしたので、今回こうして家庭で作ったものが気軽に食べられるのは嬉しい限りです。

ヘタが取れる玉を次々と収穫(7月4日)

ツルと葉は枯れ始めて地表が見えてきた一方で、プリンスメロンの玉は収穫適期を迎えて次々と収穫を進めています。玉は黄色く変色し、ほのかなメロンの香りが漂い、ヘタの部分からツルが自然に外れるかもしくは触るだけで取れてしまいます。ツルが取れてしまえば熟している証ですし、これ以上成長しませんから、菜園に置いておく理由はなく収穫必須となります。

収穫適期のプリンスメロン(7月4日)

収穫適期を迎えたプリンスメロンを収穫すると6玉になりました。大きさはバラバラですが、総じてツルが簡単に取れて玉は黄色く変色しています。一度に6玉も取れると食べるのに大変ですが、とりあえず常温保存して食べる直前に冷蔵庫で冷やすつもりです。


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