「さといも(里芋)」の育て方・栽培方法(サトイモ科)

基本情報

分類:サトイモ科サトイモ属 / 学名:Colocasia esculenta (L.) Schott / 英名:Taro / 品種:石川早生、土垂(どだれ)、セレベス芋、えび芋、八頭(ヤツガシラ)、たけのこ芋他/ 主産地:千葉、埼玉、新潟他 / 種芋の植付け時期: 3月下旬~6月上旬/ 収穫:8月~1月(品種により異なる) / 発芽適温:15~30℃ / 生育適温:25~30℃

栽培のポイント

連作を嫌うので3~4年は間隔を空ける / 種芋はふっくらとした大きいものを使う / 種芋は深さ5㎝程度と浅めに植える / 温暖湿潤を好むので寒さと乾燥に注意する / 夏場の乾燥期には水遣りが必要 / 乾燥防止にマルチや敷き藁を活用しても良い / 植付け後は定期的に土寄せする / 葉が黄色くなり萎れて来たら収穫可能

由来・歴史

東南アジア地方原産のサトイモは現地ではタロ(Taro)として古くから栽培されてきました。日本には稲作が始まる前の縄文時代後期に伝来したとされ、以来日本では芋といえばサトイモ(里芋)を指して来ました。明治期に入ってじゃがいもやさつまいもが伝わるまでは、日本では芋は里芋の事だったのです。現在でも日本各地で栽培されていますが、畑で栽培するだけでなく水田で栽培される品種もあります。自然薯が山野で自生するヤマノイモであるのに対して、サトイモは里で栽培されるのでサトイモと呼ばれる様になりました。石川早生といった品種の主流派は親芋から子芋、子芋から孫芋、孫芋から曾孫芋と増え続けるので子孫繁栄の象徴ともいわれています。

「ほったらかし」里芋 (撮影日:06/08)

img_0147 「ふじやま」さんの家庭菜園では里芋がほったらかしに生育しています。昨年はたくさん里芋を作ったのですが、あまりに作り過ぎてしまい食べ切れませんでした。冬を越し、春目前まで収穫して食べていましたが、さすがに春になると芽が出てきたので放置してきた次第です。里芋は本当は連作は良くないそうですが、植え替えする様な時間も場所もなくそのまま今年も栽培することにしました。写真は比較的綺麗に並んでいますが、他の場所では取り残した里芋が畑のあちこちから芽を出しています。本当は手間暇かけて丁寧に並べて植えつけたいところですが、家庭菜園ならではの自由から放任です。里芋は植えつけてしまえばほとんど手がかからない「野菜の優等生」です(参照:手間のかからない野菜)。

「冬の保存食」としての里芋

里芋は土に埋めておけば、冬の間でも保存がききます。収穫期を過ぎると葉茎が枯れてしまい、芋だけが土中に残りますが、土の中にそのままにしておけば、かなりの期間貯蔵できます。温暖な場所ならそのままでも保存できますが、冬の霜にあたると傷んでしまうので、上に土をかぶせてやれば保温ができて保存できます。実際、「ふじやま」さんも昨年秋から収穫し始めて、冬の間も何度も収穫し続けましたが、痛みもなく普通に食べる事ができました。里芋は煮物料理の代表格でいくらあっても困りませんし、保存場所も要らないので、ぜひたくさん作っておきたい野菜です。
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ほぼ全滅状態の里芋

 ほったらかし状態でも育っていた里芋ですが、今年は猛暑以上の酷暑でほぼ全滅してしまいました。菜園の一番端で目も手も届かない状態で養生しなかったので、芋が乾燥してしまいダメになってしまいました。もともと昨年の収穫を忘れた芋から発芽、成長していたので、特に植え付けに手をかけたわけではありません。本来なら土寄せを十分に行い、肥料や水遣りを適切に行っていれば収穫できたはずですが、なんとも情けない限りです。今年の夏は35℃近くの酷暑日が1週間も10日も続く日があり、雨が1滴も降らない時期がありました。同時期に栽培した「なす」「きゅうり」「ピーマン」などにはホースで水遣りもしましたが、里芋は全く放任していました。いくら里芋が手がかからないといっても、これではダメになっても当然です。

来年の作付け用に種芋を貯蔵

里芋は全部食べないで少しでも残して貯蔵しておけば、来年の種芋として使う事ができます。収穫し忘れた里芋は翌年の春にまた芽が出る事もありますが、ほとんどが冬の寒さで傷んでしまいます。種芋として使用する場合は適切な方法で貯蔵しなければなりません。貯蔵法の一つとしては土の深い所に親芋小芋丸ごと逆さまにして埋めておく事です。そして土の表面にはビニールシート等をかぶせて雨がしみ込まないようにしておきます。深い所といっても少なくとも30cm以上は掘らなければなりません。あまり浅いと寒さでダメになってしまうからです。又、親芋小芋がくっついた丸ごと1株の状態で貯蔵すれば切断面もなく、切り口から傷む事もなくなります。そして、できれば1箇所だけでなく、保険で2箇所位に分散して貯蔵しておけばどちらかがダメになっても大丈夫です。

里芋の育て方・栽培方法 第2回

種芋を土中から掘り起こす (04/21)

昨年土中深くに埋めてあった里芋の種芋を今日掘り起こしました。20個ほどしかありませんでしたが、保存状態も良く既に芽が出ているものが多かったです。シートカバーなどは特にせず、そのまま土中に埋めてありましたが、芋は傷んではいなかったです。一般的にはこの種芋を数日天日で干すと芽が出やすくなるそうですが、掘り起こすのが遅かったせいか、もう芽が十分に出ていましたので、そのまま植え付けする事にしました。
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種芋は高額商品

 今年は昨年から貯蔵していた種芋を使用する事ができたので購入する必要はありませんでしたが、ホームセンター等で種芋の値段をみてあまりの高さに驚きました。写真のような一般的な土垂の品種でも500gで600円ほどもします。500gといえば5~6個程度しかありませんから、普通の家庭菜園でも1畝も作付けできません。百円ショップで種を購入している「ふじやま」さんにとっては、信じられないほどの投資です。今まで里芋を作った事もなく、自家貯蔵の種芋もない方にとっては初期投資だと思えば良いのですが、もし毎年買うとなると里芋などとても作れません。「じゃがいも」の種芋は1kg、せいぜい300円程度ですからえらい違いです。「ふじやま」さんも里芋の種芋がこれほど高価なものだとは思いもよらず、自家貯蔵していた無料の種芋につくづく感謝しました。「じゃがいも」はウィルス病等の心配から自家貯蔵の種芋は良くないとの事ですが、里芋の場合は問題ないとの事です。里芋に関しては種芋をできるだけ貯蔵して来期の作付けに臨みたいものです。

里芋の種芋の植え付け (04/21)

img_0149 里芋の種芋の植え付けは浅めの深さ、約10cm程度で十分です。里芋は芽が出てから何回も土寄せする事で芋を保護するので、はじめの植え付け時にはそれほど深く植えつける必要はありません。4月に植えつけても収穫は10月位になり、栽培に半年もかかる長期栽培の野菜なのです。乾燥に弱いので夏の日照りが続く時期は水遣りする事も必要になるでしょう。逆に梅雨の時期の6月には里芋にとっては最適の環境になります。相当な数を貯蔵していたと思った種芋ですが、実際に植え付けてみると2畝しか植え付けできませんでした。

2年前の種芋はほぼ全滅 (04/26)

img_0154わずか2畝しか植え付けできなかったので、2年前に埋めて忘れていた種芋を掘り起こしてみましたが、ほぼ全滅状態でした。当たり前の事ですが、2年も土に埋めておけば雨にさらされて芋が腐ってしまい、皮しか残っておらず原型をとどめていませんでした。深さ50cm位の穴に埋めたのですが、それでも芋は芽を出そうとしたみたいで、棒状の芋が数十本見つかりました。埋めた当時は親芋小芋がくっついた丸ごと1株をいくつも埋めたのですが、そこから地表に芽を出そうと棒状に芋が成長したようです。種芋が足りないのでできればこの棒状の芋を使えればと思っていますが、望みは薄そうです。しかし、一応何事も試してみなければわかりませんから、採取した芋を干しておく事にしました。数日干してみて乾くと芽が出やすくなるとの事ですが、それから多少でも芽が出る気配があれば植え付けてみようと思います。

芽が出始めた種芋 (05/09)

 里芋の種芋の芽がようやく出始めました。植え付けから2週間余り経ちますが、少しずつ芽を出し始めています。種芋を畑からかき集めてやっと2畝作る事ができましたが、できればもっと栽培したいと思っています。今回植えつけした区画は以前からアブラナ科の「大根」やナス科の「じゃがいも」などを主に栽培していました。あまり同じ科の野菜を栽培し続けると「連作障害」がおきるので、今年は思い切って里芋を栽培する事にしました。すぐ隣ではまだ「じゃがいも」を栽培していますが、収穫を終えたら畑に点在している種芋を植え付ける予定です。
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生育順調の「さといも」 (07/08)

img_0453 種芋の植え付けから2ヶ月以上が経ちましたが、葉も茎も大きくなり順調に生育しています。「さといも」は種芋を植え付けさえしてしまえば後はほぼ放任状態で良いので、本当に手間の掛からない野菜です。成長するに従い、追肥と土寄せは必要ですが、他は乾燥にさえ気をつければ無事に秋の収穫を迎える事ができます。尚、植え付け初期に種芋が足りなくて棒状の芋を少し植え付けたのですが、やはり成長が芳しくなく他のしっかりとした種芋を植え替えました。当初は種芋が不足していたのですが、5月に入ると畑のあちこちで芋の芽が出てきて、それらの芋を掘り起こして植え付けました。足りないと思っていた種芋ですが、未収穫の芋がまた芽を出してきてどこにあるかわかったわけです。

「追肥」と「土寄せ」(08/02)

 「さといも」が順調に生育していますが、本日「追肥」と「土寄せ」を行いました。「追肥」は元肥の肥料切れを補うものですが、「土寄せ」は成長した子芋が地表に露出しないようにするために行います。子芋が地表に出てしまうと、陽射しを浴びて青くなり、乾燥してダメになってしまいます。植え付けた種芋が親芋になり、周りに小芋がどんどんできるので「土寄せ」は欠かせません。「さといも」は高温多湿を好みますので、夏の高温は良いのですが雨が降らないと注意が必要です。あまりにも日照りが続くようなら水遣りをしなければなりません。この時期に茎葉が順調に生い茂っていても「土寄せ」を怠れば、昨年の様に全滅してしまう恐れがあります。
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収穫まであと1カ月か(9月6日)

追肥と土寄せも終わり、後はいよいよ収穫を待つのみとなりました。里芋の茎と葉はだいぶ大きくなり、丈夫に育っているので、土中の芋の生育も順調ではないでしょうか。

里芋初収穫(10月12日)

10月に入ってようやく里芋の初収穫となりました。まだ茎葉は枯れていないので成長の余地はあるのですが、家庭菜園では一度に収穫しても食べきれないので、収穫の時期をずらして少しずつ収穫するようにしています。まずは初物として掘り出してみましたが、色艶も良くまずまずの大きさだと思います。まずは食べる分だけ収穫しておけば、なくなったらまたすぐに菜園に行って掘り出せばいいのです。仮になくなるまで1週間だとすれば、その1週間の間は菜園にある里芋はまだ成長できます。そうして成長させておいてまた収穫すれば少しでも大きい里芋が食べられるといわけです。

里芋の育て方・栽培方法 第3回

元肥を施して栽培(6月7日)

今回も毎度のごとく里芋の種芋を植え付けましたが、今回はこれまでとは異なりしっかりと元肥を施しました。これまで里芋はほったらかしでも大丈夫な野菜との認識で大して世話もせず、元肥も施していませんでした。もちろんそれでも育つことは育つのですが、やはり収穫量は物足りないものがあります。これまで何度も元肥なしで収穫してきましたが、どうしても芋の数も大きさも不十分という感じがします。そこで今回は「じゃがいも」と同じ様な方法で溝を掘って種芋の間に元肥をまく事にしました。元肥は堆肥と化成肥料を組み合わせたもので、種芋の間に手で1~2握りほどまいていきます。その後溝を埋めて成長を見守ります。

肥料効果で生育旺盛(10月2日)

元肥を与えてその後追肥と土寄せを複数回経て、里芋は10月に入って立派に生育しています。植付け時期の4~5月から既に5~6カ月経とうとしていますが、里芋は十分な日光、水分と栄養分を得てこれまでにない成長ぶりを見せています。まだ里芋の茎葉は緑色で生育中ですからまだ成長の余地はありますが、試し掘りで収穫をしてみても良いと思います。

 

収穫適期の目安

里芋の収穫時期は10~11月ですが、株の状態を見て判断する事もできます。その判断の仕方は「じゃがいも」の場合と同様で、株が枯れてしまえば収穫の適期という事です。それはすなわち里芋の茎葉が枯れてしまえばもうこれ以上土の中にあっても成長しないからです。里芋の芋は地上部の葉が光合成してこそ肥大するので茎葉が枯れてしまえば、成長は止まります。これは追加で肥料を与えても同じ事で、枯れてしまえばそこで生育終了です。

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