「さつまいも」の栽培方法 (ヒルガオ科) 第1回

基本情報

原産地:中南米 / 分類:ヒルガオ科サツマイモ属 / 学名: Ipomoea batatas / 英名:sweet potato / 和名:薩摩芋、甘藷 / 品種:紅東、金時、黄金千貫、安納芋、紅はるか、紫芋など / 主産地:鹿児島、茨城、千葉 / 発芽適温:20~30℃ / 生育適温:25~30℃ / 苗の植え付け時期:4~5月 / 収穫時期:8~11月 / 適正土壌ph:5.5~6.0 / 連作障害出にくい

栽培のポイント

肥料が多いと蔓ボケしやすいので肥料は入れないか少なめに / 乾燥した水はけの良い土を好むので高畝にする / 地温確保、雑草防止、不定根防止の為に黒マルチを使うと良い / 定期的に蔓返しして養分の分散を防ぐ / 霜が降りると腐ってしまうのでその前には収穫する

由来・歴史

中南米原産の「さつまいも」は紀元前1千年頃には栽培されていましたが、コロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパへ持ち帰った15世紀を契機に世界に広がりました。ヨーロッパからアジア、アフリカへと伝来しましたが、17世紀に中国から日本へと伝来しました。伝来当初は琉球(沖縄)から種子島、そして薩摩藩へと栽培が広がりました。当時は江戸幕府8代将軍吉宗の時代で、1732年には享保の大飢饉が起こり、各地で食糧難に陥りました。そんな中で中国(唐)から伝来した「唐芋」の「さつまいも」が注目され、救荒作物として栽培が奨励されました。痩せた荒れ地でも育つ「さつまいも」は瞬く間に全国に広まり、薩摩藩から伝わった芋として「薩摩芋」、中国名の「甘藷(かんしょ)」、「唐芋(からいも)」と呼ばれる様になりました。現在では鹿児島、宮崎、熊本など九州地方の他、茨城、徳島、千葉など全国各地で生産されています。

手間いらずの簡単野菜

img_059711さつまいもは栄養豊富で美味しいにも関わらず、簡単手間いらずな野菜です。荒地でも育ち、同じ土地で何度も栽培できることから、昔から飢えをしのぐための作物として重宝されてきました。野菜栽培は害虫、病気、連作障害、肥料、水遣り、雑草など注意が必要ですが、さつまいもに関してはほとんどその心配はいりません。いったん苗を植えてしまえば、あとはほぼほったらかしで大丈夫なのです。苗は丈夫で根付いてしまえば、あとはどんどんつるが伸びていきます。さつまいもは土が肥えていると逆に良く育たない位で、たいして手入れのされていない土でも十分育つのです。ですから、狭い畑の場合はともかく、ある程度の広さがある畑ならばさつまいも栽培専用の区画を割り当てても良いと思います。さつまいもは連作障害がなく、同じ場所で何年も栽培することができるので、苗の植え付け時期がきたらその時だけ一仕事すればあとは待っていれば収穫できるわけです。もちろん、つるの成長し過ぎを抑える「つる上げ」はしなければなりませんが、あとは手間いらずのかんたん野菜なのです。

さつまいもの「切り苗」(撮影日:05/16)

dscf0001去年と同じく今年もヤフオクでさつまいもの「切り苗」を手に入れました。さつまいもは種やポット苗から育てるのではなくて、つるを切った「切り苗」から育てます。さつきやツツジの様に挿し木にして育てるのと似ています。「切り苗」は種苗専門店とかでは売っているのかもしれませんが、ホームセンター等では私は見た事がありません。ポット苗で販売しているのは見た事がありますが、かなり高いです。1鉢250円位します。「ポット苗」の場合はたぶん地に植えて成長したら切ってつるを切り苗にして植えれば良いのだと思いますが、本やテレビを見る限りでは切り苗を購入して植える事しか紹介していません。正直、良くわからないので、今年もヤフオクで千葉県から切り苗を取り寄せました。定番の品種の「ベニアズマ」を100本です。さつまいもといえば「ベニアズマ」といわれるほどの代表的品種です。甘みが強く、ホクホクしていて育てやすく、煮ても焼いても揚げても美味しい万能品種です。

切り苗の植え付け(撮影日:05/17)

yasai5ヤフオクで購入したベニアズマの切り苗を早速植えつけました。去年は50本でしたが、今年は100本も購入したので、植え付け場所を確保するのが大変でした。50本は昨年栽培した場所に植えつけ、あと50本は離れた3箇所に植えつけました。さつまいもは連作障害もなく、植え付け場所もそれほど気する必要はないのですが、日当たりや水はけが良い場所が望ましいので、場所の確保に苦労しました。それでも無事100本の植え付けに成功。10月には収穫できると思いますが、今年はたくさん植えたので楽しみです。

シャキっと根付いた切り苗 (撮影日:05/27)

dscf0036切り苗の植え付けから10日が経ち、苗がしっかりと根付いてきました。植え付けから2,3日は乾いてヒョロヒョロしていましたが、それから雨が続いたせいですぐにシャキっとしてきました。10日も経った今では苗は完全に根付いています。さつまいもは丈夫なので、はじめの植え付けだけ気をつけていれば、あとは特に水遣りをする必要はありません。こうしてしっかりと根付いた以上、あとは収穫までほとんど手間はいりません。本当にありがたい野菜です。

 

生育旺盛なさつまいものつる (撮影日:10/13)

img_05926月上旬に植えつけたさつまいもの苗ですが、10月にもなると辺り一面がつるだらけになって、順調に育っている事が窺えます。但し、さつまいもは根のいもの部分を食べる根菜ですから、あまりつるばかり伸びる「つるぼけ」になると、肝心のいもが小さくなってしまいます。ですから、つるが生い茂ってきたら、つるを裏返しにして成長を抑制させると良いでしょう。それでも、仮にその裏返しを行わなくても、ほぼほったらかしでも立派に成長するのがさつまいもです。

 

収穫したてのさつまいもを「焼き芋」で食べる(撮影日:10/13)

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 植え付けから約4ヶ月。待ちにまった収穫の時期がやって来ました。先月から土をほじったりして、成長の具合をみていましたが、そろそろ良いだろうという事で試し掘りをしました。つるをかきわけて大きい芋を6本ほど掘りました。いやぁ~、大きくて美味しそうですね。さつまいもといったらやっぱり「焼き芋」ですよ。人生初のさつまいも収穫ですから、記念に焼き芋にしてみました。わざわざアルミホイルを買ってきて、枯れ木を集めてきてじっくり焼く事約1時間。できました!ほくほくの焼き芋が!食べてみると本当にウマイ!!自宅の畑で収穫して、すぐさま焼き芋で食べるなんて本当に贅沢です。まだまだ未収穫の芋がありますから、これからさつまいもがいっぱい食べられますね。

 

手間要らずでも「つる上げ」は必須

 今年の収穫を終え、昨年と併せて2年さつまいもを栽培してきましたが、今回は「つる上げ」の必要性を痛感しました。苗を100本も植えつけたので、栽培区画が4箇所になり管理がおろそかになっていました。さつまいもがいくら手間がかからないといっても、やはり最低限必要な手間はかけなければなりません。100本の苗を植えたにも関らず、全体の収量は昨年の50本の苗の時よりさほど増えていませんでした。原因は明らかに「つる上げ」をしなかった事です。さつまいもの芋の部分は根っこに当たり、その根を食べる根菜なので、葉と茎ばかりが成長する「つるぼけ」になると芋が肥大しません。地上の葉と茎の部分は旺盛な生命力で四方にどんどん伸びていき、茎についた根が土の養分を吸ってまた伸びていきます。葉と茎を野放しにしておくと葉と茎ばかりに養分が吸収され、肝心の芋の部分である根が育ちません。4箇所の内2箇所は「つる上げ」をせず完全に放っておいたので、「つるぼけ」がひどくてほとんど芋が収穫できませんでした。他の2箇所は一応「つる上げ」をしていたのでそれなりの収穫がありました。

>> 「さつまいも」栽培 第2回


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