有機質肥料の種類と特徴‐油粕、堆肥、鶏糞、牛糞、石灰など

有機質肥料の種類

油粕・・・油菜(アブラナ)、菜の花、大豆、綿の実、胡麻、ひまわり、とうもろこしなどの種や花から油を搾り取った後のカスで、窒素、リン酸、カリを含んでいます。一般的な成分量は窒素5~7%、リン酸1~2%、カリ1~2%です。

草木灰・・・草や木を燃やした後にできる灰で、カリ、リン酸、石灰を含んでいます。成分量は原料や燃焼温度により異なりますが、概ねカリを最も多く含んでいます。一例ではカリ7~8%、リン酸3~4%、窒素0%となっていて窒素は含んでいません。カリウムは水溶性のカリウムが多いので、水に溶けやすく即効性があります。又、石灰分を多く含むので土壌のpH調整にも使用されますが、使い過ぎるとカリが過剰になったり極端にアルカリ性になるので注意が必要です。じゃがいもの栽培では種芋の切り口につけて腐敗を防止させる効果もあります。

発酵鶏糞・・・鶏の糞を発酵させた肥料。発酵鶏糞と一般的に呼ばれ、鶏糞肥料といえば既に発酵させたものがほとんどです。鶏糞を乾燥させただけのものもありますが、これは発酵鶏糞とは表示されません。一般的には乾燥鶏糞より発酵鶏糞の方が使いやすいとされますが、これは乾燥させただけの鶏糞は施肥により発酵が進んで発熱やガスが発生することで植物の根を傷めたりして生育障害につながるからです。ですから乾燥鶏糞を使う場合でも発酵を済ませた後で作付けする必要があり、その手間を考えれば発酵鶏糞の方が使いやすいというわけです。発酵鶏糞は粉末状で1袋15~20㎏ほどで販売されているものが多いですが、他にも粒状やペレット状のものがあって、こちらは値段は高めになりますが粉末と比べて飛散しないので使いやすくなっています。成分的には三要素が窒素2~5%、リン酸2~6%、カリ2~3%ほどで、カルシウム、マグネシウムなどの微量要素も豊富に含んでいます。発酵鶏糞は養鶏場の糞を原料に製造される事が多いですが、成分量は養鶏場毎に微妙に異なるのが普通です。

魚粉・・・魚を乾燥させて乾燥させた肥料。肥料としての歴史は古く、江戸時代には余った鰯を干して乾燥させて肥料として販売されていました。肥料とはいっても魚粉の用途は幅広く、現在では畜産、養鶏や魚の養殖の飼料にも使用されており、植物の肥料としては一用途に過ぎません。窒素とリン酸を含んでおり、実や果実を作る植物の肥料に向いています。成分量としては窒素7%、リン酸6%、カリ0%が一例ですが、製品により多少異なります。カリを含んでいないので草木灰、塩化カリなどと一緒に使用すると分解が早くなります。鰯の他にもマグロ、サバ、カツオなどの魚を使用して魚粉を作っています。

ぼかし肥・・・油粕、米ぬかなどの複数の有機質肥料を土、落ち葉やもみ殻などと混ぜ合わせて発酵させた肥料。土やもみがらなどで肥料分をぼかして発酵させた事からぼかし肥料と呼びます。窒素、リン酸、カリの三要素を含み、既に発酵させてあるのですぐに施肥が可能です。生成過程で生じるアミノ酸が野菜や果物の味を良くします。

堆肥・・・有機物を微生物の発酵の力によって分解した肥料。堆肥も三要素やミネラルなどの微量要素を含んでいるので広義には肥料の一種ですが、その量は比較的少なく、植物に直接栄養を補給するというよりは土壌の改良材として使われる事が多いです。堆肥を土に混ぜる事により、土壌の団粒化を促し、排水性、通気性、保水性を高めます。

 

牛糞堆肥・・・牛の糞におがくず、ワラ、ウッドチップなどを混ぜ合わせて発酵させた肥料。正式には発酵牛糞堆肥と呼び、一般的にホームセンターなどでは発酵済みのものが売られています。乾燥させただけの実発酵のものは土の中に入れると発酵が進んで熱やガスを発生して植物を傷めてしまいます。発酵牛糞堆肥と表示されていても安価で質の悪いものは未完熟、未発酵の場合もあるので注意が必要です。未発酵のものは色が黒くなかったり、フカフカでなくベトベトしていたり、悪臭が出ていたりします。成分的には製品により異なりますが、窒素、リン酸、カリが各2%程度が一般的です。肥料というよりも土壌改良材として使われる事が多いです。繊維質や微生物を大量に含んでいるので、土の団粒化を促進し、通気性、保水性、排水性を向上させ、微生物の活性化を促します。化学肥料ばかり与えていると土壌の微生物が減少し、土も固くなり、微量要素も減少するので病気も発生しやすくなるばかりか、植物も成長しづらくなります。

バーク堆肥・・・樹木の皮(バーク)に家畜の糞、米ぬかや尿素等を混ぜて発酵させた作った土壌改良材。窒素、リン酸、カリウムの三要素だけでなく、植物の生育に必要な微量要素も含んでいます。しかし、三要素を主とした肥料成分は割合的に低く、肥料というよりは土壌改良材として使用される事が多いです。土壌に混ぜると通気性、保水性、保肥性を増し、土の団粒化を促進し、土中の微生物のバランス改善をもたらしたり、連作障害の発生を抑制するなど土壌改善効果が見込めます。

米ぬか・・・玄米を精米した後に出る残りカス。窒素、リン酸、カリの三要素を含むが、特にリン酸の含有量が高い。リン酸が豊富なので花や実をつける植物に良く利用される。しかしながら、昔からぬか漬けがあるように発酵の力がとても強いので注意が必要です。米ぬかをそのまま肥料として大量に畑にまくと、土中の微生物を活性化しすぎて発熱、高温醗酵が進み過ぎて植物を傷めてしまう事もあります。少量なら問題ありませんが、大量にまく場合には気をつけなければなりません。肥料としては直接まくよりも強い発酵の力を利用してぼかし肥を作る方がオススメです。

生石灰・・・石灰石を1,000℃ほどで熱するとできる。酸化カルシウム。水分を吸収して発熱すると消石灰(水酸化カルシウム)になります。強いアルカリ性物質で土壌改良材もしくはpH調整剤としても利用されますが、そのまま土壌に入れると水分と反応して発熱して植物の根を傷めることがあるので注意が必要です。水分を吸湿する性質から肥料の用途以外には食品の乾燥剤として利用されています。乾燥剤は使用後には土壌改良剤として畑にまくことも可能ですが、皮膚に触れたり、口や目に入らない様に注意しましょう。

消石灰・・・生石灰に水を加えて反応させたもの。水酸化カルシウム。生石灰を既に反応させたものなので、土壌に入れても発熱しない為、比較的扱いやすいです。但し、肥料と同時に施すとアンモニアガスが発生して土壌の窒素分が失われてしまうので時期をずらす必要があります。一般的には植え付け2週間前に施し、肥料は1週間前に施すと良いです。強いアルカリ性の為、主に土壌のpH調整剤として利用されます。粉状のものと粒状のものが販売されていますが、粉状のものは飛散しやすいので取り扱いには注意しましょう。

有機石灰・・・カキ、ホタテ、貝などの殻を粉砕して粉末にしたもの。主成分は炭酸カルシウム。生石灰や消石灰と比べて効果は遅いですが、持続性があります。畑にまいてもすぐには効かないので生石灰や消石灰よりは早めにまく必要がありますが、効きが遅いので同時に作付けしても大丈夫です。

ようりん(溶燐)・・・リン酸と石灰を含むリン鉱石とケイ酸と苦土(マグネシウム)を含む蛇紋岩などを高温溶融、冷却破砕、混合して作られた砂状もしくは粒状の肥料。化成肥料のイメージがありますが、天然の鉱石を原料としている為、有機農産物適合肥料となっています。ようりんは水には溶けないク溶性のリン酸の為、土壌に入れてもすぐには成分が溶け出しません。ク溶性とはクエン酸2%液で溶ける成分の事です。植物の根から出る有機酸に成長に応じて徐々に溶け出すので、成分が流出せずに肥料効果が長続きする利点があります。又、石灰も含んでいるので、酸性土壌の中和、アルカリ化に役立ちますが、過剰施肥には注意が必要です。


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