基本情報
分類:シソ科シソ属 / 学名:Perilla frutescens / 別名:大葉(青じそ) / 種まき時期:4月~5月 / 発芽適温:22℃ / 苗の植え付け時期:5月~7月 / 収穫時期:6月~11月
栽培のポイント
半日陰の場所で育てると柔らかい葉になる / 下の大きい葉から順次収穫する
歴史・由来
紫蘇(しそ)はヒマラヤ、ミャンマー、中国南部から日本へ伝来した植物です。
しそ(紫蘇)には中国の三国時代の名医華佗が使用した逸話が伝わっています。
昔、旅をしていた名医華佗は蟹を大量に食べ続けていた少年を見かけました。
華佗はしその葉を束ねたものを渡して去ったのですが、その後少年は蟹の食べ過ぎで食中毒にかかり、肌は紫色に変色して瀕死の状態になりました。
そこでしその葉を煎じて飲ませた所、少年は蘇った事から紫の蘇る葉という意味で「紫蘇」と名付けられる様になったと伝えられています。
日本では縄文時代の遺跡から紫蘇の実が出土していますが、栽培が始まったのは平安時代からだといわれています。
当時の医学書「本草和名」には薬や漬物として利用されていたとの記述があり、古来より食用のみならず浴用利用されていました。
「赤じそ」と「青じそ」
「紫蘇(しそ)」は「赤じそ」と「青じそ」がありますが、それぞれ用途が違います。
「赤じそ」は梅干の色づけやシソジュースなどに使用します。
一方、「青じそ」は主に薬味や香味として使われます。
刺身や寿司に添えたり、餃子や天ぷらの具に使用したりして、風味を加えます。
それ自体は料理になりませんが、畑の隅にでも栽培しておけば薬味や香味として大変重宝する野菜です。
ちなみに「大葉」とは「青じそ」の葉の事で、シソの実と区別する為の呼び名です。
「自生」し続ける「しそ」
「ふじやま」さんの菜園では「赤じそ」、「青じそ」共に自生しています。
数年前から本格的に始めた野菜作りですが、今年は「しそ」は全く種まきしていません。
「しそ」は比較的栽培が容易で、放任でもある程度育ち、少しでも未収穫のまま残しておけば種を周囲に落として増えて行きます。
家庭ではそれほど使い切れないので、あまってしまった分は翌年又芽を出してくれるわけです。
畑ではこれを何年も繰り返し、その畑の土や風土に合った種が残って生きます。
シソの最適な栽培場所は?
勝手に自生してくれるわけですから何も手を加える必要はありませんが、なるべくなら畑の隅で他の野菜の栽培の邪魔にならない様にしておく事が必要です。
種はあちこちに飛ぶので畑のど真ん中でも生えてしまう事がありますが、せっかく自生しても畑を耕したり他の野菜を収穫したりするときに取り除かざるを得なくなります。
畑の隅や果樹の下など一年中空いているスペースを利用すると手間がかかりません。
手間がかからない野菜栽培
何世代、何年にも渡って自生し続ける「しそ」は野菜を栽培するというより、山菜を取ってくるようなものです。
家庭で使うので、多少形が悪くても小さくても問題ありません。
勝手に育って好きな時に収穫する。これほど理想的な野菜はありません。
畑の隅にでも植えておけば、あとは野放しでも勝手に育って収穫できます。
少しでもスペースがあれば、しそを植えておけば日々の食卓が豊かになる事は間違いありません。
「しそジュース」の作り方
「しそ」が自生もしくは栽培しているなら、ぜひ試してみたいのが「しそジュース」です。
綺麗な紫蘇の色、香り、酸味が夏の暑さには堪らないのが特徴です。夏の暑い時期になれば「しそ」が沢山葉をつけており活用しない手はありません。
「しそジュース」の作り方は非常に簡単です。
まずは、菜園にある「しそ」を収穫します。
いろんな作り方があって「赤しそ」だけでなく「青しそ」を使う事もありますが、一般的には「赤しそ」を使用します。
「しそ」の葉を収穫
「しそジュース」を作るにはまずは「しそ」の葉を収穫しなければなりません。
「しそ」の葉は1枚1枚手でちぎって収穫しても良いのですが、結構な量が必要なので軍手などをして根元から茎を掴んで滑らすようにして上方の先まで一気に獲れば時間短縮になります。
「ふじやま」さんも最初は1枚1枚丁寧に綺麗な葉を選んで取っていたのですが、さすがに時間がかかり過ぎるのでまとめて収穫する方法に変えました。継続的に収穫したいので全てのしそを取ってしまうのではなく、ある程度は残して種ができるようにしておく必要があります。
株ごと引き抜いても構いませんが、茎は使わないしどちらにしてもある程度は残しておきましょう。
どの位の葉が必要なのかは作る量にもよるのですが、一般的には2リットル当たり約400~500gです。
初めは収穫していてもどの位の分量か見当がつかないので、秤で正確に分量を確認しておきましょう。
尚、一気に根元から引き抜いて収穫する場合は選別がしづらいですが、収穫後に傷んでいるものや極端に変色しているものは取り除いて、なるべく良質の葉を使用しましょう。
「しそ」の葉を煮る
「赤しそ」の葉を収穫したら次は綺麗に水洗いしましょう。
土、種、雑草など異物を取り除きながら綺麗に洗い流します。
もう十分だという所まで洗ったら、ザルやボウルなどに移して水気を切ります。
ここで十分水気を切らないと分量が違ってきますので、しっかりと水切りしましょう。
そしてあらかじめ鍋に入れておいた水が沸騰してきたら、「しそ」の葉を入れていきます。
嵩があるので一気に入らない場合もあるので、様子を見ながら次々と入れていきます。
そうして分量分の「しそ」の葉を入れたら、掻き混ぜたりして煮詰めます。
分量は2リットルの水で「しそ」の葉が約400~500gですが、たくさんあればもちろん多めに入れても構いません。
逆に少ないと味が薄くなってしまいますから、できるだけ多めに入れたいものです。
火力については沸騰しさえすれば中火でも強火も構いませんが、あまり強すぎると吹き零れてしまうので気をつけましょう。
時間は10分程度煮れば大丈夫ですが、人によって調理法が違って3分や5分で良いという方もいます。
時間についてはどれが良いかは一概に言えないので、色々試してみて自分に合った調理法を選びましょう。
葉を煮詰めて十分エキスが出たなら、菜箸等で葉を取り出します。
取り出した葉は料理に使えない事もないですが、「しそジュース」には必要ないので処分してしまいます。
しそのエキスが染み出た水が「シソジュース」になるのですが、中にはまだ細かい葉や茎などの異物が残っています。
茶漉しや布巾などを使って別の鍋や容器に移し替えて異物を取り除きましょう。
砂糖とクエン酸を加えて完成
異物を取り除いて綺麗になった液体はもう「しそジュース」といっても良い位ですが、これではまだ何も甘味がありません。
砂糖を加えて甘味をつけましょう。一般的には2リットルの水に対して1kgの砂糖といわれますが、それでは甘すぎるという方はもちろん減らしても構いません。
好みに応じて500gでも構わないと思います。
もちろん、砂糖は全く要らないという方は入れなくても構いませんが、それでは味気ないかもしれないので蜂蜜を入れる方もいます。好みに応じて決めましょう。
さて、「しそジュース」を作る上で鍵になるのがクエン酸です。
クエン酸は濃赤色の「シソジュース」を透き通った綺麗な赤色に変え、酸味を加えて美味しくします。
火を止めて砂糖を加えて十分溶かしてから、クエン酸を適量加えます。
このクエン酸は「しそジュース」には欠かせない材料ですが、ない場合はレモンでも代用できます。
レモンにもクエン酸が含まれているので、レモンを搾って果汁を加えれば同様の作用が働きます。
クエン酸は薬局等で販売しており、包装やラベルにも「しそジュース」の作り方が掲載されている場合が多いです。
一般的にはあまり使用する機会も少なく、どこにあるかわからなければ、迷わず店員に聞けば教えてくれるはずです。
分量は2リットルの水で約25gのはずですが、商品によって異なる場合があるので確認しましょう。
「しそジュース」の完成
砂糖とクエン酸を加えたらいよいよ「しそジュース」の完成です。
もちろん鍋のままでは保存できないので、しばらく置いて冷ましてから漏斗などを使ってペットボトルなどの容器に移し替えましょう。
容器に移し替えて冷蔵庫に入れておけば保存できます。
飲み方はカルピスと同じ要領で、水で薄めて氷を入れて飲むと美味しいです。
そのまま飲めない事もないのですが、かなり濃いので2~3倍程度に薄めて飲むのがオススメです。
もちろん好みに応じて濃さは調節して下さい。
綺麗な赤色、香り、酸味がサッパリしていて非常に美味しい「しそジュース」の出来上がりです。
コメント