基本情報
分類:アブラナ科ダイコン属 / 原産地:地中海沿岸、中央アジア / 学名:Raphanus sativus var. longipinnatus / 英名:Japanese Radish, Daikon / 品種:青首大根、白首大根(練馬、三浦、大蔵)、聖護院大根、桜島大根、守口大根など / 適正土壌ph:5.5~6.5 / 発芽適温:15~30℃ / 生育適温:17~20℃ / 種まき時期:(春まき)3~5月、(秋まき) 8月下旬~9月中旬 / 収穫時期:(春まき)5~7月、(秋まき)10~2月
栽培のポイント
- 移植不可なので直播きする
- 根が深く伸びるので深く耕しておく
由来・歴史
地中海沿岸・中央アジア原産の大根は紀元前2千年頃の古代エジプトでの栽培記録があり、中国でも紀元前500年頃には栽培されていました。日本へは弥生時代には中国、朝鮮半島経由で伝来し、江戸時代には現在でも名が残っている三浦、練馬辺りでも栽培が盛んでした。欧米では大根といえば二十日大根(ラディッシュ)の小ぶりなものを指しますが、様々な品種改良と栽培の歴史を重ねてきた日本では現在では青首大根が主流ですが、他にも白首大根、桜島大根、守口大根、聖護院大根、紅大根、辛味大根など多種多様な大根が栽培されています。
だいこんの栽培事例①
大根の芽が出始めた様子(撮影日:04/08)
「春大根」の種を撒いて、1週間ほど経ってようやく芽が出て来ました。大根は去年の秋にさんざん作ったので、結構要領はわかっていますが、やはり芽が出ると嬉しいものです。他の野菜の種と比べても発芽率が高く(85~90%位)、比較的育てやすいものです。発芽率が高いので、種も無駄なく1粒1粒間隔を空けて撒きましたが、見事に皆発芽して嬉しい限りです。
生育順調な春大根(撮影日:05/06)
種まきから約1ヶ月。4月は天候不順が続き、日照不足が心配でしたが、さすが発芽率の高い大根です。生育も順調で、ご覧の通り葉も大きくなって来ました。発芽率の高さを見越して、種を間隔を空けて撒いてあるので、間引きもすることなく、生育をそのまま見守っています。春大根は初めて作るのでわかりませんが、このまま順調に育てば、多分来月末位には収穫できそうです。
収穫間近の春大根 (撮影日:05/22)
種まきから約2ヶ月。だいぶ成長してきました。20本以上ありますが、一番大きいものは太さが6cm位あります。さすがに春なので気温が高く、大根の成長も早いです。春大根は成長が早いので特に追肥は必要ないみたいです。まだ小さめですが、この分だと来月にはまるまる太った大根が収穫できそうです。
春大根の収穫 (撮影日:05/22)
春大根を初収穫しました。ちょっと小ぶりですが、数が多いので時期をずらして収穫しないと食べきれません。収穫適期は来月ですが、試し掘りも兼ねて早めの収穫です。スーパーで買えば一本100円はしますし、家庭菜園ならほとんどタダの様なものです。大根はおろしても煮ても良いし、葉っぱも炒めたり味噌汁に入れたりと無駄なく使えます。本当に重宝な野菜ですね。
薹(とう)が立った大根 (05/26)
春大根が順調に育っていたのですが、一部の大根に残念ながら「とうがたって」しまいました。春大根の品種の特性上、ある程度は気温の上昇に強いはずなのですが、もう5月下旬で暖かくなってきたからでしょうか。もっと早く、3月位に種まきすれば良かったのかもしれません。「とうがたって」しまうと栄養分がそちらに流れてしまい、味が落ちてしまうので、すぐに収穫しなければなりません。まだ生育途中の大根で小ぶりですが、今日4本収穫しました。最近急に暖かくなってきて、5月なのに7月又は8月の陽気の日があります。そうした急激な気温の上昇が野菜の生育にも影響を与えて、結果として大根にとうがたってしまったのだと思います。やっぱり野菜の栽培は難しいですね。
年中問わず大根栽培
大根はほぼ一年中育てることができる野菜です。大根といえば普通は秋、冬に収穫するイメージが強いですが、「ふじやま」さんが今回栽培した「春大根」もあるし、夏に収穫できる「夏大根」もあるみたいです。家庭菜園初心者の私がそんな事も知らないで恥ずかしい限りですが、先日落花生の種を買いに行った際に「夏祭」という夏大根の種を見つけました。大根などの野菜は暑過ぎると「とうが立つ」といって、葉っぱから蕾や花が咲いて味が落ちてしまいます。ところがこの夏大根の種は耐暑性が強く、こうした「とうだち」が少ない品種らしいです。私も夏に大根が作れるとは思っていなかったので、これはぜひ作ってみたいと思いました。当日は種を買いませんでしたが、他の野菜栽培が落ち着いたら種を撒いてみようと思っています。
失敗その1:「大根」なのに「葉大根」
去年散々作った大根ですが、それはそれは立派な「葉大根」でした。私は去年種を撒くのが遅かったので、十分育つ前に冬になってしまい、葉大根の様な大根になってしまったのです。家庭菜園初心者の私は種を撒く時期を逃してしまい、たしか10月頃に撒いた記憶があります。大根が育つには3ヶ月位はかかるのに、10月に撒けば11月にはもう寒くなるので、ぜんぜん育ちません。去年はかなり寒かったので、11月には大根の成長が止まってしまいました。結局、それらの葉大根は放置して、最後は引き抜いて処分してしまいました。
関連記事:「ふじやま」さんの家庭菜園日記「大根」 種まき / 間引き / 初収穫 / 収穫最盛期 / 収穫終了間近
だいこんの栽培事例②
「大蔵大根」の種まき (08/24)
今年も秋冬の収穫に向けて、大根の種まきを行いました。昨年は青首大根、大蔵大根や聖護院大根と合計で100本ほど作りましたが、今年は尻太の「大蔵大根」を中心に作る事にしました。「大蔵大根」は尻詰まり型の煮物用の秋冬だいこんの代表格で、太くて大きいボリュームたっぷりの大根です。大根といえば「青首大根」が代表的ですが、昨年は小ぶりで収量が少なかったので今年は「大蔵大根」を手始めに栽培することにしました。夏まで「じゃがいも」をつくった区画を収穫後、「だいこん」を栽培する区画に割り当てました。この区画ではここ数年、アブラナ科の作物は育てていないので連作障害の心配はありません。土も「じゃがいも」栽培のため深く耕してあるので、地中深く育つ「だいこん」には打ってつけです。早めに種まきすれば冬に入るまでに収穫できるので、急いで畝立てをして種まきをしました。
台風で畝が平地に様変わり (09/08)
8月下旬に種まきをした「大蔵大根」ですが、一応芽は出たものの、畝がほとんどなくなってしまいました。8月末から9月初めにかけて日本列島を襲った台風12号は富士山麓地方にも何百ミリもの降雨をもたらし、畑の土の形を変えてしまうほどでした。種まきした当初はちゃんとした畝が立っていましたが、度重なる降雨で畝の土が畝間に押し流され、畑がほぼ平らになってしまいました。豪雨に打ち付けられた畑の土は固くなり、大根の種が果たして無事に発芽、成長するか甚だ不安です。せっかく芽が出ているので再び耕すわけにもいかず、芽が出ない箇所は追い撒きして成長を見守っている次第です。
「大蔵大根」の発芽 (09/13)
台風通過後に畝立て、種まきした「大蔵大根」が無事に発芽しています。初めに種まきした台風前の区画は打ちつけられた風雨で土が固くなってしまいましたが、この区画は土も柔らかくて種が発芽しやすくなっているようです。大根は地中数十センチまで伸びますから土の柔らかさはとても重要です。既に発芽成長している最初の区画はもう掘り起こすわけにいきませんので、そのまま成長を見守るほかありません。1週間にも及ぶ豪雨をもたらした台風と同じ規模のものがまた来るとは思いませんが、これから作付けするには気をつけなければなりません。
また、9月上旬の今頃まではビニールマルチは必要ないと思いますが、これからの種まきは保温の為、ビニールマルチが必要です(関連記事:マルチングの効果)。11月を過ぎると段々寒さが厳しくなって来るので、大根の生育に少なくとも2ヶ月は必要と考えれば、成長末期の地温低下を避けるためにもマルチが役立ちます。既に50本以上の作付けをしていますが、大根は冬も保存がきくのであと50本は栽培したいと思っています。
「聖護院大根」の種まき (09/18)
「大蔵大根」に引き続いて、「聖護院大根」の種まきをしました。「聖護院大根」は丸大根ともいわれる京都特産の大根です。肉質が緻密で煮崩れしにいので、ふろふき大根などに使われます。柔らかくて味が染み込み易いため、煮物全般に向いています。「青首大根」など一般的な細長い大根に比べると、種まき時期は遅く、温暖地なら9月に入ってからでも大丈夫です。昨年は30個ほど作りましたが、冬の貴重な野菜として大変重宝しました。冬の時期でも畑に置いておけるので、日々の食卓に少しずつ食べることができます。今日はとりあえず1畝、26穴に種まきしました。大根は総じて80%以上と発芽率が高いので、節約のため1穴に2粒だけ種まきしました。種はダイソーで購入した2袋105円のもので昨年の残りですが、わざわざ新たに買う必要もないのでこれで十分です。
「聖護院大根」は生育順調 (10/06)
9月中旬に種まきした「聖護院大根」は芽も出て順調に生育しています。昨年購入した種ですのでまだ十分発芽します。ほぼ全ての穴で発芽しており、満足の行く成長ぶりです。9月半ばを過ぎてからは気温も下がり始め、虫の被害も少なくなってきました。白菜は一向に成長しないのに、大根は虫食いもなく成長しています。昨年も同じでしたが、やはり大根の方が虫に食われにくいようです。
「大蔵大根」の生育状況①(10/25)
種まきから2カ月が経過し、初期の発芽状況からは想像できないほど「大蔵大根」が順調に成長しました。夏の暑さから解放され、10月下旬の涼しい気候は大根の生育には最適な環境となっています。
「大蔵大根」の生育状況②(11/3・4)
「大蔵大根」の生育状況③(12月22日)
12月下旬になり寒さが厳しくなり、大根の成長はほとんど見られなくなりました。早朝は寒さで地上に出ている大根の葉は凍って萎れていますが、日中に気温が上昇すると元通りになります。大根の一般的な生育適温は17~20℃ですので、12月下旬の気温では生育は難しいといえます。大根はそれでも寒さには強いので「ふじやま」さんの菜園がある温暖地ではそのままでも十分に越冬できます。すでにほぼすべての大根が収穫サイズに達していますので、後は消費できる分だけ順番に収穫していくだけになります。
未収穫の大根が種を作る(5/25)
昨年夏から栽培を始めた大根は冬から春を迎え、既に9カ月が経過しました。冬から収穫を始めてもはやほとんど収穫し尽くしましたが、少しだけ残った大根が地上部の葉茎から種を作っています。普通に大根を栽培して収穫していればこのような種ができる様子を見る事はないのですが、未収穫のまま放置していたおかげで大根の栽培過程の最後まで確認する事ができました。このまま放置し続ければ葉茎が枯れて種がこぼれだし、地上に残った種がやがて発芽するというものです。これが元々の大根の子孫を残す一連の過程というわけです。自家栽培ではこうしてできた種を採取して次回の栽培に使用するのでしょうが、普通の家庭菜園では栽培の度に種を購入して種まきしますからここまでする必要はありません。
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