キャベツの育て方・栽培方法(アブラナ科)

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キャベツ
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基本情報

原産地:地中海地方 / 分類:アブラナ科アブラナ属 / 学名:Brassica oleracea L. var. capitata / 和名:甘藍、玉菜 / 英語:cabbage / 発芽適温:15~30℃ / 生育適温:15~20℃ / 連作障害:あり、2~3年空ける / 品種:春キャベツ、夏キャベツ、冬キャベツ / 主産地:愛知県、群馬県、千葉県

栽培のポイント

  • 栽培時期に合った品種を選ぶ
  • 初心者は夏まき秋冬どりがおすすめ
  • 苗を購入して植え付ければ簡単
  • 連作はせず最低2年は間隔を空ける
  • 青虫などの害虫被害の対策が必要
  • 追肥は植付けから3週間後と6週間後の結球開始期の2回行う
  • 苗はポットに種蒔きして作ると管理し易い
  • 結球が始まるまでにできる限り外葉を大きく育てる

由来・歴史

地中海・大西洋沿岸原産のキャベツはケルト人によって栽培化されたケールが起源です。紀元前600年頃、ケール人によって結球しないキャベツであるケールがヨーロッパに伝えられましたが、当時は薬草として利用されていました。その後ケールの中でも結球する様な品種が生まれて、現在の様なキャベツとして食用に栽培される様になりました。日本では明治期になって作られ始めて、昭和期には急速に消費が拡大しました。現在では品種改良が進み、全国各地で気候に合わせて栽培されています。

キャベツの栽培事例①

苗より種を購入

 家庭菜園の定番といえば「キャベツ」ですが、苗を植えるより種まきして育てた方がお得です。確かに苗を買って来てそのまま植え付けした方が簡単ですが、コストを考えると断然種蒔きした方が安上がりです。ホームセンター等で販売している「キャベツ」の苗は一般的には60円~100円程度です。苗を植え付けて2ヶ月、3ヶ月育ててようやく収穫しても、同じ様な「キャベツ」がスーパーで150円程度で売られています。特売なら100円を切る場合もあり、何ヶ月もかけて育てたわりにコスト的には報われません。もちろん、天候不順で1個250円、300円する時もありますが、そんなに高い時は稀です。一方、種を購入して育てれば、1個当たり数円程度のコストで済みます。「ふじやま」さんの場合は、ネットで5ml入り(約700粒~1000粒)で税込180円(送料込)の種を購入したので、種1粒当たりのコストは0.2円程度です。もちろん、全ての種が発芽して大きくなるわけではありませんが、それでも10粒から1粒収穫できると仮定しても「キャベツ」1個当たりのコストは2円程度です。種まき、水遣り、間引き、植え替えなど種まきから育てるのは大変ですが、それでも手間と時間に見合うだけの見返りは期待できます。

キャベツの種袋表
キャベツの種袋表
キャベツの種袋裏
キャベツの種袋裏
キャベツの種まき
キャベツの種まき

7月下旬の種まき(07/27)

7月下旬になり、早朝から「キャベツ」、「芽キャベツ」、「ブロッコリー」の種まきをしました。「ピーマン」「トマト」など夏野菜の収穫の最中ですが、そろそろ秋冬野菜の準備をしなければなりません。昨年は8月下旬になってから種まきをしたので、秋冬の収穫には全然間に合わず、翌年春にようやく収穫する羽目になりました。あまりに種まきが遅かったので、急遽「キャベツ」の苗を10株ほど購入して植え付けました。昨年の失敗を繰り返さない様に、今年は早めに種まきしました。まずは苗専用の畝を立てて「苗床」を作り、後に植え替えをする予定です。収穫を終えた枝豆栽培の区画を耕して、幅70cm、長さ5m、高さ10cmほどの畝を立てました。畝の3分の2ほどを「キャベツ」用に確保し、20cm程度の間隔で3列を作り、種を筋蒔きしました。支柱で土の表面に跡をつけ、その上に一粒ずつ種を置く様な程度で、あとで薄く覆土しました。「とうもろこし」や「落花生」の種は2~3cmの深さにまきますが、「キャベツ」はせいぜい2~3mmの深さといった程度で「にんじん」の種まきに似ています。

キャベツの種まき①(7月27日)
キャベツの種まき①(7月27日)
キャベツの種まき②(7月27日)
キャベツの種まき②(7月27日)
キャベツの種まき③(7月27日)
キャベツの種まき③(7月27日)

「育苗箱」で種まき(07/27)

キャベツの育苗箱
キャベツの育苗箱

 畑の「苗床」とは別に、「育苗箱」にも「キャベツ」の種をまきました。「苗床」だけでも十分種をまきましたが、乾燥すると無事に発芽成長するかわかりません。発芽して苗がある程度の大きさになるまでは注意が必要で、陽射しが強いと乾燥して発芽成長できなくなります。「苗床」の場合は場所を変える事はできませんが、「育苗箱」なら日陰でも日向でも自由に置く事ができます。成長の程度や天候に応じて自由に移動できますので、管理しやすくなります。但し、「苗床」の場合もそうですが、「育苗箱」の場合は特に中に入れる土に気をつける必要があります。もちろん畑の土でも構いませんが、腐葉土や堆肥を3~4割混ぜると土がフカフカして発芽しやすくなります。土が雨や水遣りでだんだん固くなってくると発芽しづらく苗も成長しにくいからです。

「種まき用の土」でなければ生育せず(08/12)

種まき用土でキャベツの種まき
種まき用土でキャベツの種まき

「キャベツ」の種を7月下旬にまきましたが、全然育たないので再度種をまき直しました。今度は16穴のプラグトレイを買ってきて、「種まき用の土」をいれて種まきしました。7月下旬に育苗箱で種まきしましたが、こちらは発芽したものの雨が降るたびに土が固くなってしまい、結局苗が育ちませんでした。最初は箱一面に発芽して苗が育ち始めましたが、8月中旬になるとわずか数本しか残りませんでした。やはり種まきするには専用の土を使わなければダメだという事を思い知らされました。「種まき用の土」は保水性、排水性、肥料分に優れ、弱い苗でも十分に育つ柔らかさを持つ特別な土です。ホームセンターで売られている様な立派な苗になるまでは細心の注意を持って管理しなければなりません。畑の育苗床にまいた種も今ではほとんど全滅し、今また育苗箱の種も壊滅状態です。今度こそはとこのプラグトレイでの種まきが成功する事を祈るばかりです。

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難しいキャベツの苗作り(08/31)

8月中旬から種まき用の土でキャベツの種まきをしましたが、8月下旬になってもほとんどまともな苗が育っていません。発芽率の低さもさることながら、発芽しても全然育たないのです。種まき用の土ですから土には問題ないと思いますが、ここ数日は大雨や日照りが繰り返され、思うように発芽、成長しないのです。種まきして苗が育つまでは細心の注意が必要ですが、それなりの注意を払ってもなかなか良い苗はできないものです。発芽しても葉は小さく茎はヒョロヒョロで、吹けば飛んでしまいそうなひ弱な苗です。一番初めの種まきは畑の育苗床にまいたのが7月末ですが、既に1ヶ月以上が経ってもまともな苗ができず失敗続きです。畑に直播きしてもダメ、育苗箱に撒いてもダメ、プラグトレイにまいてもダメとなれば打つ手がありません。それでもヒョロヒョロながらも一応発芽していますので、なんとかわずかでも畑に植えられる苗ができればと願っています。明日から台風が近づくとの事で、トレイを玄関の軒下に避難しています。台風が過ぎ去ったら早めに畑に植え付けしようかと思っている次第です。

トレイでキャベツの種まき①
トレイでキャベツの種まき①
トレイでキャベツの苗作り①
トレイでキャベツの苗作り①
トレイでキャベツの苗作り②
トレイでキャベツの苗作り②

「キャベツ」の苗の植え付け(09/09)

種まきから1ヶ月程度でようやく育てた「キャベツ」の苗を今日畑に植え付けました。台風の影響で1週間ほど玄関先に避難していましたが、やっと畑に植える事ができました。「白菜」の苗は順調に育ちましたが、キャベツは半分以上が発芽せず、ここまで育てるのに苦労しました。発芽率が悪く成長も緩慢なので、追加で128穴のセルトレイに種まきしましたが何と1個も発芽しませんでした。なぜこれほど発芽率が悪いのか不明ですが、プラグトレイに撒いた種の幾つかが苗まで成長できたので、植え付けする事ができました。しかし、苗といってもようやく葉が4枚出てきた程度で極めて小さく、ホームセンターで販売している苗とは大きさは比べ物になりません。市販の苗を植え付けたいのは山々ですが、1本税込68円と高価です。1個100円~150円程度でスーパーで売られている「キャベツ」にも関わらず、苗を1本68円で買ったら割りに合いません。これだけ苗が小さいと冬に収穫できるか心配ですが、ビニールマルチを敷いてありますので、保温効果で年内に収穫できるかもしれません。

種から育てたキャベツの苗
種から育てたキャベツの苗
キャベツの苗の植え付け(9月9日)
キャベツの苗の植え付け(9月9日)
キャベツの苗を植え付けた畝(9月9日)
キャベツの苗を植え付けた畝(9月9日)

「キャベツ」の苗の植え付け(第2回目)(09/14)

5日前に引き続き、残りの「キャベツ」の苗を植え付けました。ホームセンター等で今の時期、「キャベツ」の苗を販売しているので、植え付け時期としては適期ですが、販売されている苗とは雲泥の大きさです。自宅で種まきから育てた苗は何度も撒きなおしてようやく育てたものですが、生育が間に合わずにいまだ小さいままです。これ以上トレイで栽培していても植え付けが遅くなるばかりですから、今回ほぼ全ての苗を植えつける事にしました。冬に収穫できるまでに生育が間に合うか甚だ疑問ですが、遅れても来春にでも収穫できれば問題ありません。まずは畑を十分に耕し、幅60cm、高さ10cmの畝を立てました。事前に苦灰石灰、鶏糞、化成肥料を撒いておきます。実はここは昨年アブラナ科の「大根」や「白菜」を栽培した区画なので、同じアブラナ科の「キャベツ」は作るべきではないのですが、他に場所がないのでこの場所にせざるを得ませんでした。本当は輪作が望ましいのですが、栽培面積が限られる家庭菜園では完全に連作を避ける事は難しいです。何も作付けせずに畑を休ませる選択も考えましたが、それでは収穫がゼロになってしまうので、例え「連作障害」が出たとしても栽培する決断をしました。幅60cmの畝に45cm間隔で1条植えにして「キャベツ」の苗を15株ほど植え付けました。あまりにも苗が貧弱なので日除け、風除け、虫予防も兼ねて肥料袋の囲いを設置しました。昨年も虫食いの被害には悩まされたので、今の内から囲いをしておけば安心です。しかし、それよりも心配なのはこんな小さな苗が無事に生育できるかどうかです。囲いをしたので安心ですが、まずは一般的に売られている程度の苗の大きさくらいまでは成長して欲しいものです。

キャベツの苗の植え付け②(9月14日)

キャベツの苗の植え付け②(9月14日)

キャベツの苗の植え付け③(9月14日)

キャベツの苗の植え付け③(9月14日)

キャベツの苗の植え付け④(9月14日)

キャベツの苗の植え付け④(9月14日)

「キャベツ」の苗を購入して植え付け(09/18)

種から育てた苗だけでは心配なので、「キャベツ」の苗を10株購入して植え付けました。自分で種まきして育ててみたものの、なかなかうまい様にはできないものです。自分で育てた苗はまだわずか数cmの大きさで、コストパフォーマンスは良くても無事に秋に収穫できるか不安です。苗が小さく成長が遅れているので、成長するまでに冬になってしまう可能性があるからです。仮に収穫できたとしても冬を越して翌年の春になってしまうようでは困るので、ホームセンターで市販の苗を購入してきたわけです。市販の苗は普通1株68円程度ですが、お得パック10連結パックで税込398円の「キャベツ」の苗があり、思わず飛びついてしまいました。10株で398円とは1株39円ですから、これはお得です。品種は「YR夏晴(なつばれ)」と呼ばれるもので、「病気に強い年内どり品種」との事です。植え付け時期は「8月中旬~」で、収穫は「定植より約2.5ヵ月後」です。9月中旬に植え付けるので、うまくいけば11月末から12月初めには収穫予定です。但し、11月、12月になると気温が低くなり、「キャベツ」の生育が止まる可能性もあるので、それまでにどれだけ成長できるかが重要です。それならばもっと早く植えつけするべきでしたが、なかなか計画通りには行かないのが個人の家庭菜園です。

キャベツの苗‐YR夏晴(なつばれ)10個セット

キャベツの苗‐YR夏晴(なつばれ)10個セット

キャベツの苗の植え付け①(9月18日)

キャベツの苗の植え付け①(9月18日)

キャベツの苗の植え付け②(9月18日)

キャベツの苗の植え付け②(9月18日)

キャベツの栽培事例②

冬のキャベツ
冬のキャベツ

「不織布」で虫除け(9/18)

 生来の貧乏性というべきでしょうか、「不織布」で虫除けを試みてみました。「不織布」は繊維を織らずに組み合せたシートで、本来は種まきなどで乾燥防止の為に畝にかぶせたりするものです。シートには耐久性もないので周囲を覆って「虫除け」に活用できるわけではありません。それでも「防虫シート」は持ち合わせていないし、100円ショップで購入した「不織布」があったので試しにキャベツの苗を囲ってみました。見た目は立派な「虫除け」ができましたが、やはり耐久性がありません。初めの頃は虫除けの用を足していましたが、数週間もすると破れてしまい使い物にならなくなってしまいました。

「寒冷紗」で日除け

寒冷紗でキャベツの日除け
寒冷紗でキャベツの日除け

秋冬に収穫するキャベツは夏に種まきもしくは苗を育てますから暑さ対策は必要です。最近の気候変動により、真夏の暑さは生育初期の苗にとっては壊滅的です。真夏の日中は30℃から40℃近くにもなる事がありますが、9月になっても残暑が厳しく30℃を越える事もしばしばです。暑ければ虫も発生しやすく、前述の様に「防虫シート」も効果的ですが、暑さ対策の上では「寒冷紗」が効果的です。 「寒冷紗」は麻や綿を荒く平織りに織り込んだもので、日除け、霜よけ、乾燥防止などに利用します。日光を遮る効果があり、日除けをする事で暑くなりすぎないようにします。真夏から秋にかけて残暑が厳しい中で、発芽したばかりの種や幼い苗を強い日差しから守る事ができます。又、「寒冷紗」をかける事で土砂降りの様な強い雨に土が打たれて固くなる事を防ぐ事ができます。土が固くなると根が伸びにくくなり、成長が阻害されてしまうからです。更に、日光を限定的にでも遮る事で土が乾く事を防ぐ事ができます。そして当然の事ながら、密封されていれば防虫効果が期待できます。 このようにいい事尽くめの「寒冷紗」ですが、一つ難点があります。それは値段が高い事です。値段はピンからキリまでですが、少なくとも「不織布」の数倍はします。コストを気にしなければ大いに活用したいところですが、そうもいかないのが「ふじやま」さんの家庭菜園です。実はこれこそが「寒冷紗」を使わずに「不織布」を使用した理由です。

丸まり始めた葉(11/04)

キャベツの葉が丸まり始めてようやくキャベツの格好らしくなってきました。葉も綺麗な緑でいかにも美味しそうな感じで、これからの成長が楽しみです。しかし、苗作りに手間取ったせいか、11月初旬の時点でこの状態ではかなり成長が遅れている事は間違いありません。これからどんどん寒くなってくると、どうしても成長が緩慢になってしまいます。12月になれば最早成長は見込めませんので、それまでにどれだけキャベツらしくなるのか見守る必要があります。

無事に種より成長(12/22)

種から成長したキャベツ
種から成長したキャベツ

 種まきから始めたキャベツですが、ようやく収穫できる大きさにまで成長しました。苗作りまで紆余曲折し散々苦労しましたが、こうして収穫までこぎつけると嬉しい限りです。外葉がかなり虫食いにやられてしまいましたが、12月の冬場までくればもう心配ありません。キャベツ自体も成長して葉も固くなったので虫も食べませんし、そもそも寒さで虫を見かける事はほとんどありません。

畑が天然の冷蔵庫(12/22)

キャベツは品種にもよりますが、一般的に耐寒性が強いので畑でそのままにしておいても問題ありません。家庭菜園では消費量も少ないですから、沢山作っても一度に食べ切れません。普通は畑において置けばどんどん成長してしまい困りますが、冬場ならほとんど成長しないので放置しておいても大丈夫です。もちろん、これは「ふじやま」さん在住の冨士山麓地域での話ですから、他地域でも同じ様に当てはまるとは限りません。とはいっても、こうして食べる分だけその都度収穫すれば毎回新鮮なキャベツを手に入れる事ができます。さながら、畑が天然の冷蔵庫といったところでしょうか。

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冬でも収穫可能なキャベツ(01/06)

種から育てただけあってコストが低い所為か、今回はたくさんのキャベツを栽培する事ができました。一度には食べきれないので、数日おきに収穫しています。冬の野菜はどうしても限られてくるので、こうして冬でもキャベツが収穫できるのはありがたいものです。1月になり朝晩は氷点下にもなる厳しい寒さですが、気温が下がって凍る事があっても傷む事はありません。

冬でも収穫可能なキャベツ①
冬でも収穫可能なキャベツ①
冬でも収穫可能なキャベツ②
冬でも収穫可能なキャベツ②
冬でも収穫可能なキャベツ③
冬でも収穫可能なキャベツ③

「春キャベツ」と「冬キャベツ」

キャベツは大別して「春キャベツ」と「冬キャベツ」がありますが、冬の時期に収穫するのは寒玉系の「冬キャベツ」です。「冬キャベツ」でも品種改良されたものは早いもので秋から収穫できますが、旬の時期は寒さで甘味が増す2月頃になります。良く知られる高原キャベツなどは標高の高い高原の冷涼気候で栽培する為、夏から秋にかけてしゅうかくできる冬キャベツともいえます。「冬キャベツ」は葉が固くて玉も締まっており生食もできますが、むしろ炒め物や煮物など加熱調理に向いています。「ふじやま」さんが今回栽培したキャベツも当然「冬キャベツ」になります。
一方、「春キャベツ」は葉が柔らかくて身が締まっており、水分が多くて甘味があります。春系キャベツ、新キャベツとも呼ばれ、通常3月から7月頃まで出回ります。最近は「春キャベツ」でも品種改良が進んで寒さに強い品種もありますが、葉が柔らかいので霜腐れして傷んでしまう事が多いので、冬にはあまり出回りません。それでも食感の良さから人気が高く、サラダなどの生食や浅漬けにされる事が多いのが「春キャベツ」です。水分が多くて柔らかいので加熱調理には不向きで、加熱する場合には短時間で済ますのがコツです。

キャベツの栽培事例③

秋まき春どりの富士早生「キャベツ」

キャベツは一年中スーパーに並んでいる野菜ですが、家庭菜園でつくるのにも栽培時期・収穫時期は年間を通して複数回あります。キャベツは品種や産地、栽培方法によっても春夏秋冬栽培できる野菜です。今回栽培したキャベツは「秋まき春どり富士早生キャベツ」と「四季まきキャベツ」という品種です。両者は名前と品種は違いますが、種のまきどきと収穫期はほぼ似通っており、同じように栽培しても問題ないと考えられます。「秋まき春どり富士早生キャベツ」はまきどきと収穫期は温暖地なら2月中旬~3月中旬まきなら6月収穫、7月下旬~8月上旬まきなら11月~12月上旬収穫、9月末~10月下旬まきなら5月収穫となっています。寒地・寒冷地なら3~6月まきで7月~10月収穫、団地では2月中旬~3月中旬まきで6月収穫、7月下旬~8月下旬まきで11月~2月収穫、9月末~11月初旬まきで4月~5月収穫となっています。一方、「四季まきキャベツ」は温暖地では2月中旬~3月下旬で6月収穫、7月で10月下旬~11月収穫、10月中旬で6月収穫となっています。どちらの品種も年間を通じて3回の栽培期間があります。

キャベツの種袋①
キャベツの種袋①
キャベツの種袋②
キャベツの種袋②

10月の種まき‐真夏の種まきは困難

「秋まき春どりキャベツ」の種まき①(10月2日)
「秋まき春どりキャベツ」の種まき①(10月2日)
「秋まき春どりキャベツ」の種まき②(10月)
「秋まき春どりキャベツ」の種まき②(10月)

秋まき春どり品種のキャベツでは秋に種をまいて、翌年の春に収穫する事ができます。種袋には10月に種まきして翌年5月に収穫とありますので、気象庁の区分では3月~5月が春ですから確かに春の収穫といって良いでしょう。10月に種をまくというのは非常に理にかなっていて、「ふじやま」さんのこれまでの菜園経験からも確かに10月から種まきして栽培するのは成功しやすいと思います。その理由は何といっても虫食いの被害に会いにくい上に涼しくて苗を育てやすいからです。「ふじやま」さんは以前は10月~12月の秋から冬が来る前に収穫しようと栽培を試みたのですが、これまで何度も失敗しています。失敗の原因は何といっても虫食いの被害と真夏の苗作りの難しさです。キャベツは総じてある程度の耐寒性はあるので冬が来る前にある程度成長させておけば、秋だけでなく冬にも収穫できる可能性はあります。温暖地では7月中旬~8月中旬に種まきして10月下旬~12月上旬までの収穫期となっていますが、暖地ならば7月下旬~8月下旬に種まきして10月下旬から翌年2月までの収穫期となっています。「ふじやま」さんの菜園は温暖地に地域にあたりますが、近年の暖冬の影響とキャベツの耐寒性を考慮に入れれば、当菜園でも冬の2月までも収穫できる可能性は十分あると思います。それはそれでよいのですが、実際秋から冬にかけて収穫しようと思えば、秋になる前の真夏の猛暑の時点から種まき、そして苗作りをしなければなりません。これまでに真夏に種まきから苗作りをした事がありますが、本当に難しいです。そもそも7月、8月の真夏の気温は日中35℃に及ぶ事もあり、連日続く事も珍しくありません。しかも何日も全く雨が降らない事もあるので、そもそも畑や菜園に直接種まきする「直播き」はほぼ無理です。更には真夏は害虫が最も活動する季節で、直播きで種をまいたり苗を植えようものならあっという間に虫に食われて葉がなくなってしまいます。直播きが全くできないわけではありませんが、真夏の強烈な日差しを避ける遮光シートや虫食い被害を防ぐ不織布や風除けなどの保護は欠かせず、また強烈な日差しと高温で枯れてしまうのを防ぐためにもこまめな水やりが必要です。日中に畑又は菜園に頻繁に訪れて管理できるのなら別ですが、そうでなければ真夏の直播きはまず不可能です。そうした理由から「ふじやま」さんはこれまでセルトレイや育苗ポットなどを使用して苗作りをしてきましたが、なかなか良い苗ができずに植え付けるのに十分な数を確保できない事も多々ありました。そこで真夏の種まきではなく9月に入ってから種をまいたりしたのですが、さすがに9月から種をまくのでは秋には収穫できません。キャベツが結球もせずに大きくなる前に冬が訪れて中途半端な成長具合のまま成長が止まってしまうという結末でした。冬の間は生育適温は確保できませんからそれ以降は成長が見込めず収穫もできなくなります。冬の間成長が一時停止するだけで低温の被害もなければ、うまくいけば冬が過ぎれば春に再び成長が始まって収穫できる場合もあります。「ふじやま」さんの場合もそうしたケースが何度が続いたために、いっその事最初から秋まきの春どりの品種を栽培するに至ったわけです。

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秋まき直播きで生育順調

10月初旬にまいたキャベツの種は11月下旬にもなると立派な苗に成長しました。種をまいて発芽したばかりの幼苗は高さわずか数センチでいかにも弱弱しかったのですが、2カ月近くも経つと高さも10㎝以上、葉は立派な大きさのものが数枚ある苗に成長しています。苗がこれだけの大きさにまで成長すればこれから訪れる厳しい冬の寒さを乗り越えられるはずで、逆にいえば少なくとも本格的な冬が訪れる前にある程度成長させておかないと冬の低温で苗がやられてしまう可能性があります。

キャベツの生育状況①(11月27日)
キャベツの生育状況①(11月27日)
キャベツの生育状況②(11月27日)
キャベツの生育状況②(11月27日)

冬の生育状況

秋にまいた種は順調に生育し、年を越して冬の寒さにも耐えて春の収穫を待っています。2月下旬時点での生育状況は葉は既に結球していて玉の直径は約10㎝程度です。10㎝ではまだ収穫できる大きさではありませんが、春になって再び成長し始めれば収穫可能になるでしょう。株ごとに成長の差はあり、外葉が霜焼けしたり虫食いの被害がありますが、総じて生育は順調といえます。

秋まき春どりキャベツの生育状況①(2月25日)
秋まき春どりキャベツの生育状況①(2月25日)
秋まき春どりキャベツの生育状況②(2月25日)
秋まき春どりキャベツの生育状況②(2月25日)

春の収穫前の生育状況

長かった冬がようやく終わり、昨年の秋からの長い栽培期間も終わりに近づいてきました。半年近くの栽培期間を経て、キャベツは形を整え、後は今しばらくの成長を待って収穫を迎えるだけです。種袋の裏面の説明によれば収穫期は4月下旬から5月となっているので、収穫には少し早いのですが、既に結球してそれなりの大きさのものもあります。菜園には20株近くは栽培しているので、収穫期が来ても一度には収穫できないし食べられません。多少玉が小さくても早めに少しずつ収穫し始めれば、収穫期と消費時期をずらす事ができます。3月下旬ではまだ早いかもしれませんが、これから5月の収穫期に向けて少しずつ収穫していく予定です。

春の収穫前のキャベツ①(3月19日)
春の収穫前のキャベツ①(3月19日)
春の収穫前のキャベツ②(3月24日)
春の収穫前のキャベツ②(3月24日)

待望の春の収穫

昨年の10月に種をまいてから翌年の5月まで半年にも及ぶ栽培期間を経て待望の収穫です。実際は3月下旬から4月にかけて玉は小さいながらも少しずつ収穫してきましたが、十分な大きさになるのは収穫期の5月でした。春の気温の上昇と共に徐々に生育が進み、5月に入ると収穫に相応しいサイズのキャベツが続々と登場してきました。多少の霜腐れや虫食いはありましたが、気温が低くて虫がつかない秋冬に栽培するのはキャベツの栽培に適していると思いました。早速1個収穫しましたが、形は綺麗で虫食いもなく大きさも十分な立派なキャベツが獲れて満足しています。

収穫直前のキャベツ(5月10日)
収穫直前のキャベツ(5月10日)
収穫後のキャベツ(5月10日)
収穫後のキャベツ(5月10日)

収穫適期を過ぎたキャベツ

キャベツは5月の収穫期を過ぎ始めると気温の上昇と虫食いの被害でもはや収穫ができない状態になってきました。今年は5月でも日中の気温が29℃とか30℃などもは真夏のような天候になる事があり、6月にもなるとキャベツの玉が高温で傷んで茶色く変色してしまいました。気温の上昇とともに害虫が発生してキャベツの葉を散々食い散らかして、葉は穴だらけになり、周りの外葉は筋だけになってしまいました。これ以上の栽培は無理ですし、収穫せずに菜園に未収穫のまま置いておくことは不可能です。「秋まき春どりキャベツ」の栽培はこれで終了です。

収穫適期を過ぎたキャベツ(5月28日)
収穫適期を過ぎたキャベツ(5月28日)
キャベツの軟腐病(6月9日)
キャベツの軟腐病(6月9日)

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