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無機質肥料の種類

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硫安・・・窒素分のみを含む単肥の化成肥料。成分例は窒素(N)21%、リン酸0%、カリ0%。主成分はアンモニア態窒素で、水に良く溶けて土壌に収集されやすいです。土壌の酸度調整にも使用されます。窒素分のみしか含んでいないので、他の肥料と組み合わせて使用されますが、石灰と同時にまくとアンモニアが反応してガスとなって空気中に逃げてしまうので時期をずらす必要があります。単体では窒素分が多い事から葉や茎に効く即効性の葉肥として使用されます。

尿素・・・窒素の含有量が46%の単肥の化成肥料。高度化成肥料の原料にも使用されます。単肥では窒素(N)46%、リン酸(P)0%、カリ(K)0%となっています。肥料の中でも窒素分が最も多く、硫安を上回ります。窒素分が非常に多い為、葉や茎の生長や回復に即効性があります。水に溶けやすいので200~300倍に薄めて葉面に散布したり、100~200倍に薄めて水遣りに使用したりします。土壌に直接施すこともできますが、目安は1㎡当たり20gほどで与え過ぎには注意します。

過リン酸石灰・・・リン酸肥料の一種で、水溶性のリン酸を14~17%ほど含む単肥の化学肥料。成分例は窒素(N)0%、リン酸(P)17~20%(内水溶性リン酸14~17%)、カリ(K)0%。ようりんのリン酸がク溶性で中々吸収されにくいのに対して、過リン酸石灰のリン酸は水溶性の為、すぐに土壌に溶けて吸収されるので即効性があります。

塩化カリウム・・・カリウム鉱石から採取したカリウム塩化物でカリ成分60%の単肥の化学肥料。カリウムは茎、根を丈夫にし、耐病性を高め、気温に対する抵抗性を高めます。カリウムが不足すると植物の生育に悪影響が発生します。じゃがいも、トマト、玉ねぎ、にんにく、トウモロコシ、白菜、キャベツなどはカリウム不足になると生育不良が起こりますが、特にキャベツは結球時に外葉が黄色に変色してしまいます。

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硫酸カリウム・・・水に溶けやすい即効性の単肥のカリ肥料でカリ成分50%を含みます。塩化カリウムはじゃがいもやさつまいもなど芋類に施すと筋っぽくなりますが、硫酸カリウムの場合はそうならないので芋類のカリ肥料として最適です。又、塩化カリウムの場合は過剰施肥すると塩害が発生するのに対して、硫酸カリウムの場合は硫酸イオンが肥料として吸収される為、塩害の心配もありません。そうした利点からカリウム肥料としては硫酸カリウムが優れていますが、値段は塩化カリウムより高めです。

石灰窒素・・・炭酸カルシウムと窒素を含む化学肥料。窒素を多く含みますが、石灰も多く含んでいるので窒素肥料としての効果だけでなく土壌の酸度調整にも効果があります。又、石灰窒素は肥料効果だけでなく、成分中のシアナミドによる除草、殺菌、殺虫効果もある農薬としての効果も期待できます。主成分のカルシウムシアナミドが土壌中の水分と反応してシアナミドに変化し、シアナミドが農薬効果を発揮し、一定期間後はシアナミドは分解されて無害のアンモニア性窒素に変化するので土壌汚染や障害の心配はありません。但し、シアナミドがアンモニア性窒素になるまでの一定期間は毒性があるので播種・定植はしてはいけません。又、石灰窒素は皮膚に触れたり、目に入ったりすると危険ですので取り扱いには十分注意が必要です。

硝酸アンモニウム・・・硝酸性窒素とアンモニア性窒素を含む化学肥料。公定規格では硝酸性窒素とアンモニア性窒素を各16%以上を含んでいます。吸湿性が高く水に溶けやすいので、元肥で施すなど一度に大量に使用すると土壌で硝酸が流出してしまうので、追肥で複数回に分けて使用するなどします。しかし、硝酸アンモニウムは爆発の危険性がある高酸化性物質で、吸湿性が高く衝撃にも敏感な為、運搬や保存など取り扱いには注意が必要です。ですから、硝酸アンモニウム単体よりは他の肥料成分と配合されて販売される事が多いです。しかし、日本では窒素肥料としては硫安や尿素の方が圧倒的に利用割合が大きく、硝酸アンモニウムはあまり使用されていません。

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