肥料
肥料とは植物の成長を促進するための栄養分として土に施すものです。
肥料には三要素と呼ばれる代表的な栄養素があり、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)を肥料の三要素と呼びます。
窒素(N)は葉を成長を促し、植物を大きくするのに必要な成分で「葉肥」とも呼ばれます。
リン酸(P)は花や実の着きや生育を促し、「花肥」、「実肥」ともいう。
カリウム(K)は根の成長を助けるので「根肥」ともよばれ、「カリ」、「加里」とも表記されます。
更に、これら三要素にカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を加えて肥料の五要素と呼びます。
カルシウムは植物の細胞壁を強くし、病気への耐性を強化します。
又、マグネシウムは葉緑素の形成に不可欠で、光合成の働きを活発にするだけでなく、リン酸の働きも助けます。
植物の成長には三要素が最も多く必要となりますが、それらに上記二要素プラス酸素(O)、水素(H)、炭素(C)、硫黄(S)に加えて、微量の鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、塩素(Cl)の計16種類の要素が必要となります。
肥料としては五要素以外は自然に存在するものや生成されるもので、五要素ほど大量に補給する必要はありません。
有機質肥料
有機質肥料とは動物性又は植物性の有機物を原料とした肥料の事です。
動物性とは鶏、牛、豚、馬などの動物の排泄物、糞を原料としたもので、鶏糞、牛糞、豚糞、馬糞などを肥料とします。
しかし、市販されている肥料はそのまま糞の状態で売られている場合は少なく、乾燥させたり発酵させたりして臭いを減らした状態で出荷されています。
又、植物性の肥料では油粕、米ぬか、バーク堆肥などがあり、いずれも自然素材を原料にしています。
有機質肥料は直接野菜に肥料として吸収されるわけではなく、土中の微生物を介在して肥料としての働きをします。
有機質肥料はミミズ、ダンゴムシ、トビムシなどの土中生物やダニ、カビなどの微生物の餌となってこれらの生物の体内で有機分解されます。
その消化、排出の過程で有機分解された無機物が土中に増える事で野菜の肥料となります。
又、それら微生物が有機分解する過程で土壌の団粒化が起こり、土がフカフカになって通気性や排水性が増すという土壌改善効果が見込まれます。
無機質肥料
無機質肥料とは鉱物や草木灰などの無機質の原料からできている肥料の事です。
無機質は動植物といった生命があるとされる有機質以外のものを指し、無機質肥料には硫安、硝酸アンモニウム、過リン酸石灰、塩化カリウムなどの化学肥料や草木灰といったものがあります。
草木灰といったものを除いて無機質肥料の多くは工業的に製造された肥料で、野菜の生育に必要な窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の三要素の内1種類を含んだものを単肥、2種類以上を含んだものを複合肥料と呼びます。
一般的に販売されている化学肥料はこれら三要素を配合したものが多く、成分含有率が15-15-15といった合計30%以上のものを高度化成肥料、8-8-8といった30%未満のものを低度又は普通化成肥料と呼んでいます。
ここでいう8-8-8や15-15-15は各要素の成分含有率で、8-8-8は窒素8%、リン8%、カリウム8%で、1袋10キロなら各要素800グラムで2.4キロ含有している事になります。
同様に15-15-15ならば窒素15%、リン15%、カリウム15%で、10キロに対し各1.5キロで4.5キロ含有しています。
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