「間引き」の定義
野菜を作る上での「間引き」とは、種を多めに播いて発芽、成長するにつれて生育の悪い苗を取り除いて生育の良い苗を残していく作業です。
野菜にはそれぞれ適切な生育スペース、すなわち株間があり、適切な株間を確保できずに密植又は密集している場合は全ての株の生育に悪影響が出てしまいます。
密植、密集しているという事は地中の根は互いに十分に張る事ができず、地上部の茎葉は日当たりが悪くなり、風通しも悪くなります。
日当たりや風通しが悪くなれば病気や害虫が発生するリスクも高まります。
こうしたリスクを避ける為には「間引き」が欠かせないのですが、そもそも密植・密集しない様に種まきを控えれば良いともいえます。
しかし、播く種を少なくしてすべてが発芽して順調に生育すれば良いのですが、どうしても発芽しなかったり、生育の悪い苗がでてしまいます。
そうした場合に備えてあらかじめ種を多めにまいて生育の良い苗だけを選別して残していくのが「間引き」の目的なのです。
「間引き」のタイミング
「間引き」で大切なのは適切なタイミングで複数回に分けて行う事です。
手間のかかる作業なので1回で済ませれば良いとも考えがちですが、「間引き」では良い苗と悪い苗の選別が重要で、それらを見分けるのは1回では難しいです。
野菜には葉物や根菜などいろんな種類があるので一概にはいえませんが、大抵3回ほどに分けて「間引き」をします。
例えば、大根では1回目は発芽直後、2回目は本葉が3~4枚の頃、3回目は本葉が5~6枚の頃までに最終的に1本にします。
1回や2回だけでは選別が難しいだけでなく、選別して残した苗もまだ幼いのですべて順調に生育するとは限りません。
間引いた時点では良い苗だったとしてもその後ダメになってしまう可能性があり、その点でもできる限り多くの苗をギリギリまで残してリスクを最小限に抑えておく必要があります。
「間引き」の基準・ポイント
「間引き」では生育の悪い苗を取り除いて生育の良い苗を残しますが、その基準とは何でしょうか。
生育の悪い苗とは双葉の片方が小さかったり不揃いだったりで葉の形が悪い、葉が欠けている、他の種より発芽が遅くなって苗が小さい、葉の色が薄いか変色している、茎が細くて弱弱しい、病気や害虫に侵されているなどの特徴があります。
一方、生育の良い苗とは上記の生育の悪い苗の特徴に当てはまらいもので、色艶も良く、葉や茎がしっかりしている苗です。
種を多めに播けば生育の悪い苗と良い苗ができるのは当然で、全てが同じように生育するわけではありません。
全ての苗が生育が悪くなるわけでもなく、全ての苗が生育が良くなるわけでもないので、生育の悪い苗を段階的に間引いていけば必然的に生育の良い苗が残るというわけです。
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