PR

土寄せについて‐定義、効果、種類、方法

スポンサーリンク
じゃがいもの土寄せ②(5月4日) 栽培の基本
じゃがいもの土寄せ②(5月4日)
記事内に広告が含まれています。

「土寄せ」の定義と効果

「土寄せ」とは畝の間や株元の周辺の土を株元に寄せる作業です。

野菜の栽培行程の一つとして行われる作業で、「中耕」や「追肥」と一緒に行われる事が多いです。

「土寄せ」は野菜の株が大きくなるに従って根も大きく張る様になり、地表に出てくる事もあるので非常に大切な作業です。

栽培期間中には強い風や雨で株元の土が流出して根がむき出しになってしまう事もあります。根が地表に出たままですと枯れる原因になったり、それ以上大きくならなかったりと生育不良につながります。

成長につれて株元に土を寄せる事で根を乾燥から防いだりして保護すれば、一層の成長を促す事ができます。

更に、株元に土を寄せる事で成長して大きくて重量もある株を安定させて支える事になります。

他にも株元に土を寄せる事で排水性の向上にもつながります。

又、畝の間や株の周辺の土の表面を鍬などで削って寄せる事は雑草の防止にもつながります。

「土寄せ」が必要な野菜

「土寄せ」は大変重要な作業ですが、すべての野菜の栽培に必要というわけではありません。

「土寄せ」が必要な野菜には「じゃがいも」、「里芋」、「落花生(らっかせい)」、「白ネギ」などがあります。

特に「じゃがいも」は土寄せが必須の野菜ともいえ、土寄せをしないと十分な収穫が望めなくなります。

スポンサーリンク

「じゃがいも」の「土寄せ」

じゃがいもの土寄せ①(5月4日)
じゃがいもの土寄せ①(5月4日)
じゃがいもの土寄せ②(5月4日)
じゃがいもの土寄せ②(5月4日)
じゃがいもの土寄せ③(5月5日)
じゃがいもの土寄せ③(5月5日)

じゃがいもの場合は種芋から芽が地表に伸びて、種芋の上部の茎の周りに芋が出来ていきますが、芋は次第に上に上にとできていくので地表に剥き出しになる事もあります。

種芋を深植えすれば地表に出てくることはあまりないのですが、あまり深植えし過ぎると成長が遅れるので、大抵は地表10~15㎝位の深さに植えます。

そうすると上に上にと芋が出来て地表にも芋が露出してくるのは当然です。

芋が地表に露出してしまうと太陽光に当たって緑色に変色し、天然毒素であるソラニンやチャコニンを含む様になるので食べられなくなります。

ですから「じゃがいも」の栽培においては成長につれて芋が地表に出てくるようになったら土寄せをする必要があります。

そうした理由でじゃがいも栽培においては一連の栽培作業の中で土寄せが紹介されています。

里芋の土寄せ

里芋の土寄せ①
里芋の土寄せ①
里芋の土寄せ②
里芋の土寄せ②
里芋の土寄せ③
里芋の土寄せ③

じゃがいもと同じ様に土寄せが大切なのが里芋です。

里芋はじゃがいもと同様に種芋を土中に埋めて栽培します。種芋の上に親芋ができて、親芋の周りに子芋ができて、子芋の周りに孫芋ができます。

ですから種芋を埋める深さにもよりますが、一般的な深さの10㎝程度では子芋や孫芋が地表に出てきます。

地表に出てきた芋をそのままにしておくと緑色に変色して味もえぐみが出て美味しくなくなってしまいます。

だからといって最初から深く植えすぎると発芽も成長も大幅に遅れてしまうので、浅めに植え付けて成長に応じて土寄せをすることが必要になります。

土寄せの量が多すぎると芋が細長くなって収量は減少し、少なすぎると芋の数は増えても小さくなって肥大しません。土寄せする量や高さは適切に数回に分けて行うのが大事で、里芋の場合は通常2~3回ほど行います。

例えば、3回に分ける場合は1回目は発芽して丈が30㎝ほどに育ってから5㎝ほど土寄せ、2回目は6月中旬、3回目は7月中旬頃に行います。

回数は2回でも4回でも良いのですが、時期についても生育に応じて、とにかく孫芋や子芋が地表に出ない様に行います。

落花生(らっかせい)の土寄せ

落花生の栽培においても土寄せは重要な作業で、土寄せを適切にする事が収量の増加に欠かせません。

落花生は読んで字のごとく、花が落ちて実がなる野菜で、株の上部の花が咲いた後に部分に子房柄(しぼうへい)と呼ばれる細長い茎が下に伸びて地中に潜り込んで地中で実ができるという珍しい野菜です。

子房柄は地上部の株にありますが、それが伸びて地中で実を作る為、子房柄が地中で十分に実の生育スペースを確保するための土寄せは大切な作業になります。

落花生の土寄せは株が成長して花が咲き始めた頃には行う必要があり、遅くても子房柄が地中に伸びる前までには済ませておく必要があります。

もしマルチング栽培をしている場合は花が咲く前までにはマルチングを外して土寄せの準備をしておきます。子房柄はマルチングを突き通して地中に潜るだけの力はありますが、マルチングをしたままだと収量は減少するので、できるだけ外しておいた方が良いです。

土寄せをする時は周囲の土を軽く耕して株元に寄せます。

その後は子房柄が土中に潜り込んで2~3週間後に再度土寄せしますが、その時は子房柄を傷つけたりしない様に優しく土寄せします。

こうして土寄せをする事で子房柄とその先にできる落花生の実の生育スペースを確保することができ、収穫が期待できるというわけです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました