野菜と病気の関係
病気は野菜作りにおいて切っても切れない関係です。
切れるにこした事はありませんが、家庭菜園で野菜を作る以上は完全に病気を防ぐ事はまず不可能です。
どんなに気をつけていても手を尽くしても病気が絶対に発生しないという事はまずあり得ません。
病気を予防又は抑制する農薬を大量に使用するのなら無きにしも非ずですが、無農薬や有機栽培を掲げる家庭菜園では非常に困難です。
ですが困難だから諦めようといっているわけではなく、できる限り病気が発生しない様にし、仮に発生しても適切に対処する事が重要です。
すなわち、家庭菜園では病気の予防と対策が必要不可欠です。
家庭菜園においては病気の予防に全力を尽くし、発生したとしても病気とうまく付き合うつもりで対処する事が肝要です。
病気の種類
野菜作りにおいて発生する病気にはたくさんの種類があります。
べと病、モザイク病、うどんこ病、根こぶ病、半身萎凋病、萎凋病、疫病、菌核病、灰色カビ病、葉カビ病、そうか病、さび病、軟腐病、つる枯病、つる割病、青枯病、黒星病、立枯病、炭疽病、根腐病、尻腐病、萎黄病、黒腐病、斑点細菌病、褐色腐敗病、黒穂病などです。
病名は一見して症状がわかるものがほとんどで、中でも「腐る」意味の「腐」や「枯れる」意味の「枯」が入った病気が多いです。
病気が発生すると初期の症状はそれぞれ違っても、最終的には腐ってしまったり、枯れてしまうものがほとんどです。
病気の発生条件
野菜の病気はそれぞれの病気で発生条件は異なりますが、概ね共通点があります。
大雑把にいえば野菜が生育しにくい環境もしくは病気が発生しやすい環境で発生するという事です。
それらは日当たり、風通し、水はけ、畝の高さ、温度、湿度、土壌酸度、害虫、連作といった諸条件が関係します。
病気が発生しやすい条件とは日照不足、風通しが悪い、密植、過繁茂、水はけが悪い、畝が低い、気温が高い、湿度が高い、害虫が多い、連作をしているといった条件です。
これらの諸条件が重なれば重なるほど病気にかかり易くなり、被害も深刻になります。
病気の感染経路と予防と対策
野菜の病気を予防したり対策を施すには病気の感染経路を知っておかなければいけません。
特に伝染性の病気はどこから発生してどの経路で伝染するのか把握しておく事が、予防や対策措置をとる上で必要です。
伝染性の病気には空気を伝って感染する場合、水を媒体として感染する場合、土壌から野菜の根などに感染する場合、種や苗から感染する場合、人間が剪定や収穫などの作業で道具を使い回す事により感染する場合、害虫が発病株から健康な株へと病気を伝染させる場合などがあります。
空気感染の場合は発病した株の一部又は全部を直ちに処置して病原菌が風で周囲の株に伝染したりしない様にします。
水伝染の場合は水はけを良くしたり畝を高くしたり、水のやり過ぎに注意したりします。
又、土壌感染の場合は土壌の改良や消毒をしたり、土が跳ねない様に敷きわらやマルチングを行います。
種苗感染の場合は病気検査済みの健全な種や苗を使用します。
人間による伝染の場合は道具の使いまわしを避けるか消毒をしたり、そして手作業の場合は病気の株を触ってしまったら他の株を触らない様にするか、触るなら必ず手を洗うか消毒してからにします。
害虫から伝染する場合はシルバーマルチやトンネルで侵入を遮断したり、発見次第駆除します。
このように病気が伝染する場合にはその経路を塞ぐ又は遮断する事が予防と対策に繋がります。
病気の予防と対策
野菜作りで病気の被害を受けない為には病気を予防する事が重要です。
病気が発生してから治療や対策を講じるのはもちろん大事ですが、病気が発生してしまえば程度に関わらず被害は発生します。
だから、病気が起きた時の事を考えるより、病気が起きない様に全力で予防する事が大切です。
病気を予防するには前述の諸条件に当てはまらない環境を作り出す事が必要です。
すなわち、適宜間引きや剪定をして過繁茂を避けたり、適度な株間を取って密植を避ける、間引き、剪定、適度な株間で日当たりの確保と風通しを良くする、土壌改良や高畝で水はけを良くする、敷き藁やマルチングで降雨や水遣りによる泥跳ねを防ぐ、シルバーマルチや防虫ネットの設置で害虫の侵入を防ぐ、同じ場所に同じ作物や同じ科の野菜を作らず輪作を心掛ける、病気に抵抗性のある品種や接木苗を利用するなど様々な予防方法があります。
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