畝は野菜の栽培床
畝とは土を盛り上げて作る野菜の栽培床です。
野菜のベッドとも呼ばれ、その名の通り耕したばかりのフカフカの土で野菜が生育する為の場所、床又はベッドです。
苗はトレイやポットで作る場合にしてもその後は菜園の畝に植え付けて成長させていきます。
種まきから畝で育成する場合も多く、野菜は始めから終わりまですべての時間を栽培床、畝で過ごします。
野菜は一度種まきしたら又は苗を植え付けたら自分から動く事はありません。
人間の手で苗を移動すれば話は別ですが、野菜は原則的には一度決められた位置を変わる事はないのです。
そう考えると野菜にとっていかに畝が大事なものかがわかります。
一つ一つの野菜の一生の生存場所となる畝がどれだけ快適で住みやすいものになるかでその野菜の出来具合が決まります。
畝の種類
畝には平畝、高畝、鞍つきの三種類があります。平畝と高畝は幅ではなく高さで区別します。
平畝は通常高さ5~10㎝ほどで低めなので畝を作るのは比較的楽ですが、水はけの良い土壌に向いてます。
更に、平畝はほうれん草、小松菜、枝豆、ナス、ピーマンなどの根が浅い野菜の栽培に適しています。
一方、高畝は通常高さ20~30㎝と高めなので畝作りは大変ですが、水はけが悪い土壌に向いています。
更に、高畝は大根やニンジンなどの根菜類が向いています。
鞍つきはスイカやカボチャなど栽培に広い場所が必要な野菜に適した畝です。
周囲の土より20~30㎝ほど高い円錐形の畝を1株毎に作ります。円錐形の頂上部は平らにして苗を植え付けます。
畝の作り方・畝の立て方
畝の作り方には色んな方法がありますが、基本的には同じです。
畝を作る前にまず道具を準備しましょう。紐、支柱、メジャー、鍬、角材又はレーキを用意します。
まず、畝の位置と大きさを決めます。畝は作る野菜の種類によって種類が違いますが、平畝と高畝は高さが違うだけで作り方は同じです。
畝の高さは土壌の排水性や育てる野菜の種類によって変えます。
畝を作る位置の四方に支柱を刺したら紐で端と端を結びます。
既に苦土石灰や肥料は施してあれば後はそのまま作るだけですが、まだの場合は苦土石灰を施した後に堆肥や肥料の施肥を済ませておきます。
支柱と紐で位置を決めた後は紐の外側の土を鍬で掘りあげて畝の内側に盛ります。
これを四方全てで行えば盛り上げた土で畝の原型が出来上がります。
後は畝の表面を角材やレーキで平らにして形を整えます。
この時畝の表面が傾斜になっていたりデコボコになっていたりすると水が溜まって根腐れの原因になりますので注意します。
鞍つき鞍は1株ごとに作る畝で平畝や高畝と比べてサイズは小さいので作るのは簡単です。
鞍つきとは円錐形の畝ですが頂部が苗を植え付ける為に平らになっています。
堆肥や肥料は畝の下に穴を掘って埋めておき、土は円錐形に盛り上げて畝とします。
スイカやカボチャといったツル性の野菜は場所をとるだけでなく過湿に弱いのでこうした高さがある鞍つきの畝が向いているのです。
畝だけでなく畝間も重要
野菜作りにおける畝の重要性はこれまで述べた通りですが、畝と同じくらい重要なのが畝と畝の間、畝間又は畦です。
実際に野菜を栽培するスペースは畝ですが、その畝の外側で栽培に関する一連の作業を行います。
種まき、苗の植え付け、水遣り、間引き、剪定、収穫とありとあらゆる作業は人間が畝と畝の間のスペースで行います。
この畝と畝の間のスペースが狭くて窮屈だと作業が遣り辛くて効率が悪くなり、野菜の質や収穫量に悪影響を与える事にも繋がります。
ですからこうした栽培の作業を効率よく行える様に適切な畝間を確保する必要があります。
一般的には畝間は最低30㎝は確保し、できればそれ以上あればそれに越した事はありません。
とはいっても菜園のスペースを最大限活用して沢山の野菜を作りたいという事情もあるでしょうから、その時々の作付計画を勘案して畝間を確保しましょう。
作業の効率性の他にも畝間の重要性はあります。それは畝間の高さと排水性が与える作物への影響です。
畝作りにおいては畝ばかりに気を取られ、畝の高さには気をつけるものですが、畝の外側の畝間、畦の高さには無頓着な場合があります。
しかし、畝間の高さが周囲の土壌と比べて極端に低い様な場合は水の溜まり場となって水はけが悪くなります。
水はけが悪くても畝間だからと関係ないわけではありません。
降雨が続いて水溜まりになればいくら畝を高くしていても畝にまで水が侵入します。
根が浅い野菜なら大丈夫かもしれませんが、人参や大根などの根が深い根菜類は水浸しになってしまいます。
畝間を少なくとも畝以外の周囲の土壌と同じ高さにしておき排水性を確保しておく事が必要です。
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