基本情報
- 原産地:中央アジア・中近東
- 分類:マメ科エンドウ属
- 学名: Pisum sativum L.
- 英名:Pea
- 和名:エンドウ
- 主産地:和歌山県、鹿児島県など
- 発芽適温:20℃前後
- 生育適温:15~20℃
- 種まきの時期: 10月中旬~11月上旬
- 苗の植え付け時期:
- 収穫時期:4月中旬~6月上旬
- 適正土壌ph: 6.5~7.0
- 連作障害:あり(4~5年あける)
栽培のポイント
- 種まきは適期を守る
- 本葉2~3枚頃の幼苗で越冬させる
- 連作は避け少なくとも4~5年は空ける
- 防寒対策にマルチや藁などを敷く
- 霜害防止に寒冷紗を活用する
- 霜柱が立ったら押さえて根の露出を防ぐ
- サヤが柔らかいうちに早めに収穫する
スナップエンドウの栽培時期・期間
スナップエンドウはサヤと中の実を丸ごと食べる品種です。莢も実も甘くて柔らかく、茹でて食べるととても美味しいです。
冬を越して半年の栽培期間
一般的には秋に種をまいて越冬させてから春に収穫するのが普通で、栽培期間は約半年と長期間になります。
スナップエンドウは家庭菜園では人気の野菜ですが、厳しい冬を越して栽培に半年もかかるので、「ふじやま」さんのこれまで作った事がありませんでした。
玉ねぎや油菜を栽培した事はありましたが、いずれも冬を越して収穫するので難易度は高めです。
重要ポイントは冬を最適な状態で越す事
玉ねぎ、油菜、そしてエンドウも栽培する上で大切なのはいかに冬を最適な状態で越すことができるかです。スナップエンドウは本葉2~3枚の幼苗なら4~7℃ほどの低温に耐える事ができるので十分冬を越せるのですが、冬を越す時に苗が大きすぎたり小さすぎたりすると寒さに耐えられずに枯れてしまいます。冬を越す事ができるサイズの目安は草丈10~20㎝です。
つるあり種とつるなし種の違いとは?
スナップえんどうには様々な品種がありますが、大別してつるあり種とつるなし種があります。
つるなし種は丈は低く場所も少なくて栽培期間も短くなりますが、収量は少なくなります。プランター栽培などに向いています。
一方、つるあり種は丈は1.5m~2mと背丈より高くなるため、支柱やツルを這わせる紐やネットが必須となりますが、次から次へと花が咲いてサヤができる為に栽培期間が長く収量が多くなります。
スナップエンドウの種まき方法を解説
秋まき春どりのつるありえんどうの種まき
スナップエンドウの種まきは秋まきの場合は10月~11月頃ですが、栽培する地方によって多少違います。
暖地の場合は11月下旬位まで大丈夫ですが、冷涼地では11月初旬位が期限になります。
正確な時期は品種やその年の天候により違いがありますので注意しましょう。
家庭菜園の時期としては、夏野菜の収穫が終わり、秋冬野菜が生育中の最中、家庭菜園の作業が一段落した状態なので、この時期に作付けできるスナップエンドウは助かります。
菜園を耕して畝を立て、防寒対策にマルチを敷いて、スナップエンドウの種をまく事にしました。畝幅90㎝、株間30㎝で2列の穴を開けましたが、1列は予備で実際には1列で栽培する可能性が高いです。さすがに2列では密植し過ぎになってかえって生育を阻害するかもしれず、もう1列は1列が生育不良とか収穫終了した場合の時の為に用意しています。
種まきは1穴に3~5粒ほど、深さ3㎝ほどにまき、2㎝ほど土をかけます。種の発芽率は品種によってまちまちですが、一般的には80%以上程度はありますので必ずしも3~5粒まく必要はなく、穴の数が多ければ1粒でも2粒でも構いません。
種は発芽率が低下するので購入した時期に使い切る
しかしながら、種を勿体ないとして残しても来シーズンには発芽率が著しく下がって全く発芽しない事もあるので、その場で使い切ってしまった方が良いです。
マメ科の種は過剰な水分に弱いので雨天時の種まきには注意する
又、枝豆、いんげんや落花生などマメ科の種は総じて過剰な水分には弱く、種まきの時に大雨が続いたりすると種が水浸しになって発芽しない事もあるので天候に注意して種まきします。
何日も雨が続くような天気予報なら時期をずらすか、ずらせない場合はあらかじめマルチを張っておいて当日に穴を開けて種まきした直後にシートをかぶせて発芽までそのままにしておくなど工夫が必要になる場合があります。
種の発芽に必要な条件とは
- 種まきは土中に湿り気があれば十分
- 水をやり過ぎると種が腐ってしまう
- 雨天が続くなら種まき時期をずらすか、種穴を覆う透明シートを敷くのもあり
スナップエンドウの種は通常5~10日ほどで発芽しますが、今回は種まきから5日後に発芽し始めました。
発芽までの期間中は雨天が続きましたが、前述の通りシートを被せて過剰な水分を防ぎました。
水分は種をまいた土中に湿り気があれば十分で、水をやり過ぎると種が腐ってしまいます。
種穴を全て覆うシートなど都合よくあるはずもないので、マルチングをした黒ビニールマルチを新たに切って被せましたがこれでは日光を遮ってしまいます。
できれば透明のビニールマルチがあれば良いのですが、あいにく持ち合わせていなかったので黒マルチを使用しました。
1週間も黒マルチを被せておけば雨は凌げても日光は遮ってしまうのですが、さすがにそんなに雨が続く事は稀なので雨が止めばすぐ外せば問題ありません。
- 11月8日 スナップえんどうの発芽状況
- 11月10日 スナップえんどうの発芽状況
- 11月11日 スナップえんどうの発芽状況
種まき5日後から発芽し始め、11日の8日後ににはほぼすべての種の発芽が出揃いました。11月上旬の冬前の気候ですが、黒マルチの保温効果もあってかスナップエンドウは発芽適温を確保する事ができました。
スナップエンドウの発芽
種まきから10日以上経過して全ての種の発芽が出揃うと、スナップエンドウの葉ができ始めました。1穴に4粒まいた所もあって4つの種が発芽している箇所もありますが、はじめての栽培でこれから冬を迎える事もあってそのままにしておくつもりです。
- 11月13日 スナップえんどうの発芽状況
- 11月14日 スナップえんどうの発芽状況
発芽1か月後の生育状況
苗の防寒対策の失敗事例
2畝で20株以上あったスナップエンドウの苗は冬の寒さで半分以上が枯れてしまいました。
黒マルチは剥がれてしまい、株元の防寒対策はできず、トンネル栽培の方法も取らなかったため、苗が寒さに耐えられなかったと思われます。
苗の大きさ自体は10㎝程度と冬を越すには適度な大きさの幼苗だったはずですが、やはり何も手を加えずにいたのは完全な失敗としかいいようがありません。
冬を越した苗の管理
半分以上が枯れてしまったスナップエンドウですが、枯れてなくなってしまったものを嘆いても仕方がありません。
防寒対策の徹底は次回の課題にするとして、10株程度は生き残ったのでそれらをうまく育てる事に注力します。
ツルが伸び始めて絡む場所が必要になってきたので、支柱を立てて間をビニール紐で結びます。
ツルが伸び続けるにつれて紐は段々と上部に結んでいきます。
種まきから半年後の初収穫
昨年の11月に種まきしてから足掛け半年、ようやく収穫にこぎつけました。
インゲンや枝豆は同じマメ科でも夏に栽培して約3カ月で収穫できますが、冬を越して栽培するスナップエンドウは6カ月もかかります。
スナップエンドウの栽培は初めてという事もあって、今回の初収穫はとりわけ感動しました。
支柱と紐で株を支える
スナップエンドウの収穫方法
- 収穫はハサミでも手で取っても良い
- サヤが大きくなり過ぎると固くなるので小さいうちに収穫する
- サヤの筋を取りながら収穫すれば手間が省ける
スナップエンドウの収穫はハサミでも手で直接取っても可能です。手でむしる場合は力任せに行うと株のツルや茎にダメージを与える事もありますから、慎重に莢の先をむしり取ります。
サヤが大きくなってももちろん食べれますが、あまり大きくなり過ぎると固くなってしまうので莢を主に食べるサヤエンドウのつもりで収穫した方が柔らかくて甘味があります。
又、スナップエンドウには筋がありますが、サヤが小さいうちなら気になりませんが、ある程度大きくなると筋を取らないと食感が悪くなってしまうので筋を取る必要があります。筋は莢の両側にありますが、収穫する際に莢の先からスーッとつなげて取ってしまえば手間が省けます。
収穫終了と栽培終了の見分け方
- ツルが支柱以上に伸びてきた
- ツルや葉が茶色く変色し始めて株が疲れてきた
初収穫から次々と収穫が続きましたが、ツルが背丈近くまで伸びてくるとさすがに収穫は下火になってきます。
追肥をしていないせいもあるのでしょうが、サヤができても極端に小さくなり、ツルは支柱以上に伸びようとしてるのですが、これ以上上に伸ばすのは難しいです。
ツルは既に背丈以上に伸びていますし、株はだいぶ疲れて茶色くなり始めて枯れる一歩手前といったところです。
明らかに栽培期間の終了のサインと見られ、初めてのスナップエンドウの栽培はこれで終わりでしょう。
初めてにしては結構な量の収穫がありましたので、今回は成功とみて良いと思います。
今後の課題
- マルチングの徹底 – 黒マルチを張ったがいつの間にか外れてしまい放置してしまった。風雨が強いと外れてしまうので、マルチの端を深めに埋めると共に、外れてもすぐに修復する。
- 防寒対策にトンネル栽培の検討 – 冬期に霜が降りると表土が盛り上がって根がむき出しになったり、苗が寒さで傷むことがあります。それを避けるには周りを寒冷紗や不織布などで覆ってトンネル栽培で防寒対策を施すことで回避できます。
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