基本情報
分類:マメ科ダイズ属 / 学名:Glycine max (L.) Merrill / 英名:green soybeans, Edamame, Edamame bean / 種類:青豆、茶豆、黒豆 / 品種:奥原早生、だだちゃ豆、丹波の黒豆、新潟の黒崎茶豆など / 主産地:千葉、北海道、埼玉、山形、新潟など / 発芽適温(地温):25~30℃ / 生育適温:20~25℃ / 種まき時期:4~7月 / 収穫時期:7~9月
栽培のポイント
- 初期や着花時の乾燥は生育に影響するので適宜水遣りする
- 根の根粒菌が窒素分を生成するので肥料は少なめで良い
- 直播きの場合は鳥に注意
- 1穴に2株育てて収量アップ
由来・歴史
枝豆は大豆の未成熟な豆なので原産地は大豆と同じですが、大豆の原産地ははっきりわかっていません。しかし、大豆は弥生時代には稲作と共に中国から伝来してきました。奈良・平安時代には大豆を未成熟なまま収穫して塩ゆでする食べ方が普及しており、江戸時代には枝豆を枝付きのまま町を売り歩く枝豆売りが見られました。現在ではビールのつまみといえば枝豆といえるほど定番の組み合わせとなり、海外でも健康食として”EDAMAME”の人気が高まっています。
枝豆の栽培事例①
えだまめの種まき
枝豆の生育適温は25℃~30℃で、まだ涼しい日が続く4月に種まきをするには地温を高めるためにマルチシートが必要です。株間は30cmほどあけて植え穴を開け、各穴に種を撒きました。種袋や家庭菜園の本では1穴に2~3粒播くと紹介されていますが、種の節約の為に1粒ずつ播きました。発芽しない穴には撒き直す事にして種を節約しました。畑のスペースも限られてる家庭菜園ですので、1畝数十株だけの栽培です。
株の順調な成長
種まきから2ヶ月が経過し、株は順調に成長しています。マメ科の野菜は発芽に土壌の水分や気温などに注意が必要ですが、今回の枝豆は意外と簡単に発芽しています。種まきしたのは4月初旬ですから、やはりビニールマルチは必要です。生育適温を考慮すると、地温を上昇させるにはやはりビニールマルチが効果的です。発芽も順調で株の生育も揃っていますので、これからの成長も期待できます。
枝豆栽培に肥料は必要?
枝豆に限らず、マメ科の野菜は肥料はあまり施さなくても大丈夫です。全く必要ないというわけではありませんが、これはマメ科の野菜の根には「根粒菌」という微生物が豆の成長を助けてくれるからです。根には「根粒」という小さな粒が付いており、野菜の成長に必要な栄養素の一つである窒素を供給してくれます。ですから他の科の野菜と違って肥料をあまり施さなくても成長してくれるわけです。逆にあまり肥料を施すと窒素過多となり株の葉茎部分ばかりが育って、肝心の豆が大きくなりません。
摘芯(てきしん)は必要?
ある野菜栽培の本によると「わき芽」の成長を促すために先端の芽を摘む「摘芯」を勧めています。「摘芯」をする事で「わき芽」の成長を促進し、収穫量を多くする事ができるというものですが、要はかぼちゃやきゅうりと同じ手法です。
しかし、どの段階で「摘芯」するとか全く記述がないし、他の本やネットで調べてもみな「摘芯」していないようです。初心者の「ふじやま」さんには判断がつかないので、今年は「摘芯」せずそのまま栽培する事にしました。
えだまめの初収穫
4月初めに種まきした枝豆ですが、3ヶ月が経過し待望の初収穫です。
今日は梅雨の雨が降る朝に5株ほど丸ごと引き抜いて収穫しました。まめの大きさも十分で、あまり熟しすぎると堅くなってしまいますから、これ位が収穫適期だと思いました。
雨の降る中、一さやずつ手でむしっての収穫です。ご覧の通りの大満足の収穫です。
1畝丸ごと枝豆ですからまだ20株以上の未収穫の枝豆があります。これからの収穫が楽しみです。
ビールのつまみに枝豆
夏の暑い日のビールは最高ですが、その夏のビールのおつまみといえばやっぱり枝豆です。夏のビールと枝豆はまさに切っても切れない縁で、最高の組み合わせです。酒を飲まない方には恐縮ですが、このコンビは最高です。
もちろん、ビールはなくとも塩茹でした枝豆は絶品です。えだまめは大豆の未熟な実ですが、未熟ですからとても柔らかく食感も良い上に本来の甘味があります。「ふじやま」さんは初収穫朝取りのえだまめをさっそく塩茹でにしてみましたが、味は最高です。
えだまめの収穫時期は?
夏はビールに枝豆と良くいいますが、枝豆は実際には真夏前に収穫する必要があります。4~5月に種まきした枝豆は、早ければ6月下旬~7月上旬頃には収穫できます。大豆の未熟な実を食べるのが枝豆ですから、収穫があまり遅くなると実が固くなって味も落ちてしまいます。
「ふじやま」さんは1畝に数十株植えましたが、7月になってから収穫し始めました。はじめの頃の収穫は柔らかくて美味しい実を食べる事ができましたが、7月中旬から下旬の収穫末期になると、さやも乾き気味で実も固くなってしまい、随分味が落ちてしまいました。
今年は7月中旬を過ぎると梅雨明けの猛暑で日照りが続き、枝豆の生育にも影響が出たようです。家庭菜園ですからたくさん食べれないで1回の収量も少ないのですが、やはり収穫適期を逃してはいけない事を痛感しました。
枝豆の栽培事例②
2年目の枝豆栽培
「ふじやま」さんの家庭菜園もいよいよ2年目の枝豆栽培になりました。枝豆は肥料もそれほど要らず比較的育てやすい野菜です。発芽さえうまくいけば後はそれほど気を配らなくても成長します。
前回は1畝だけ数十株の栽培でしたが、同時期に種まきしたので収穫期も重なってしまい大変でした。今年は栽培場所を変えて1畝が去年の半分ほどの長さですが、マルチシートも張って準備は万全です。
種は昨年と同様に某百円ショップで販売している種を蒔きました。さすがに百円ショップの種袋は容量が少なく、1穴に2粒蒔いたら足りなくなってしまいました。予定ではまだもう1畝蒔くので結局ホームセンターで大容量の早生枝豆の種を購入してきました。
えだまめの種まきに水遣りは必要ない?
「枝豆」、「いんげん」、「落花生」などのマメ科の野菜は種蒔きする時は水遣りしなくても大丈夫です。
種蒔きというと水遣りを欠かせない様に思われますが、「マメ科」の野菜は逆に水を遣りすぎると発芽しなくなる場合があります。
種が水に弱く、乾燥した種が急に水を含むと膨張して壊れてしまうからです。土がカラカラに乾燥しているなら話は別ですが、多少の湿り気があれば十分に発芽します。
発芽しなけば追いまきする
また、種蒔きの時期の3月、4月位ではまだ地温も低く、発芽温度まで達しない場合もあります。
通常なら遅くても1週間位で発芽するはずですが、全く芽が出てこない場合は追いまきすれば大丈夫です。
しかし、1穴に2、3粒蒔いておけば発芽率が80%程度の枝豆なら少なくとも1粒は発芽するはずです。
1穴に1本立て、2本立てにするかは別にして、発芽しなかった穴にはまたすぐに種蒔きすればそれほど成長の遅れもないと思います。
「追いまき」で苗が勢揃い
ほぼ全ての箇所で芽が出てきたのですが、わずか3、4箇所芽が出なかったのですぐに種を蒔きなおす「追いまき」をしました。
最初の種蒔きは3月の下旬でまだ肌寒かったのですが、もう4月に入り大分暖かくなってきたので、追い蒔きした種は芽が出るのも早かったです。
一度芽が出てしまえば、後はそれほど手をかけなくても大丈夫ですが、あまり乾燥しすぎたりすると良くないので、時折気を配らなければなりません。
追い蒔きでようやく全ての穴から芽が出る事になり、これで畝が綺麗に野菜で埋まる事になりました。
現在は1穴から2株出ていますが、間引きをせずこのまま2株ずつ栽培するつもりです。
種蒔き後約1ヶ月で生育順調 (05/08)
4月初めに種まきをしてから約1ヶ月が経過しましたが、葉の数も増え続けて順調に生育しています。
1穴に2株育てる2本仕立てにしましたが、これは単に収量を増やすだけでなく、2本にする事でお互いに支えあって成長できるからです。
これだけ葉が出てきて成長が軌道に乗れば、マメ科の枝豆は後はほぼ放任状態でも育ちます。
マメ科の野菜は発芽まで手間がかかりますが、発芽してある程度成長すればあとはそれほど手が掛かりません。
畑のスペースの制約でわずか1畝しか作れませんでしたが、それでも家庭菜園なら十分です。
マメ科の野菜は肥料が多すぎると逆に実付きが悪くなりますので、これから追肥をする事もありません。
このまま7月の収穫まで何もせずひたすら待ち続けます。
種まき後2ヶ月の生育状況
4月初めに種まきしてから約2ヶ月が経過しました。1ヵ月後にはまだ株も5cm程度で弱弱しかったですが、2ヵ月後には高さ20cm程度になり大分たくましくなってきました。まだ実はついていませんが、来月の初めくらいには収穫できそうです。株の生育も順調で、これならおいしい枝豆が食べれそうです。
隣の畝ではいんげんを栽培していますが、まだ5cm程度の大きさしかありません。畝間に雑草が伸びてきましたが、なかなか忙しくて除草もできません。収穫まであと1月余りですからもう少し我慢していれば除草しなくても収穫できるかもしれません。
種まきから3ヵ月、収穫間近
種まきからもうすぐ3ヶ月が経過しますが、収穫まであともう少しです。枝豆の形が大分はっきりしてきましたが、まだ粒が小さく収穫できるサイズではありません。種まき後は特に手をかける事もなく、ここまで無事に成長しています。たった一粒の種がこうしていくつもの実を付けるのは本当に自然の恵みのおかげです。
枝豆は基本的に手がかかりませんが、乾燥しすぎると味が落ちるとの事なので時折水をかけてあげました。今は梅雨の時期ですが今年は意外と天気が良い日が続き、何日も雨が降らない事もあります。気温も上昇しており、枝豆が乾燥してしまうと困るので水を与えた次第です。
えだまめの初収穫
苦節3ヶ月、やっと「枝豆」の初収穫です。苦節とはいっても種まき時以外はほぼほったらかし状態です。マメ科の野菜は手が掛からないといいますが、これほど手が掛からない野菜はありがたいです。6月中旬にはまだ粒が小さかったですが、あれから2週間も経つとすっかり食べ頃のサイズに成長しました。初収穫は6株ほど引き抜き、株から一つ一つ丁寧にマメを獲りました。枝豆はあまり熟し過ぎると固くなってしまうので、多少小さめでも早めの収穫が欠かせません。枝豆はもともと大豆の未熟な実を若どりするものですから、マメが柔らかいうちに収穫するのが大事です。
初収穫の「枝豆」の味 (06/28)
初収穫の枝豆を早速塩茹でしてみました。あまり茹で過ぎると固くなるので、沸騰したお湯で約3分ほど茹でます。塩は適量ですが、舐めてみてしょっぱい位が目安です。3分ほど茹でて少々味見をしてちゃんと煮えているか確認します。枝豆が茹で上がっているのを確認したら、鍋からさっと水揚げしてザルで冷まします。
茹で加減や塩加減も重要ですが、食味を左右するのは収穫の時期を逃さない事です。枝豆の収穫適期は短く、本当に美味しいのはわずか数日ともいわれています。早過ぎても実が膨らんでいないし、遅過ぎると固くなって味が落ちてしまいます。多少時期がずれてももちろん食べれますが、どうせなら一番美味しい時期に食べたいものです。
収穫2回目の枝豆 (07/01)
初収穫から4日が経ちましたが、既に収穫適期は過ぎつつあるようです。豆が大分膨らんできて今にも飛び出しそうな感じで、さやが少し茶色く変色してきました。昨年は1度にたくさん作り過ぎて失敗しましたので多少少なめにしてありますが、それでも1度や2度では食べきれない量です。あまり置き過ぎると固くなってしまうので、今日急いで2回目の収穫を行いました。7~8株を引き抜き、1莢ずつ株から取り除きました。
今回は前回の2倍近くを収穫したので、ゆでるにも時間がかかりました。前回さっとゆでるのに3分位で丁度良かったのですが、今回は量が多いので大きめの鍋で10分ほどゆでました。沸騰しても豆を入れると再沸騰するのに時間がかかるため、豆に火が通るまでゆっくり加熱しました。
莢が多少茶色気味だったので固いかもしれないと思ってましたが、まだまだ柔らかい食感で食べだしたらとまらない美味しさでした。あと2、3回は収穫できると思いますが、あまり遅くなると豆が固くなるので早めに収穫しようと思っています。
収穫終了間際の枝豆
枝豆の収穫はあと2回ほどで終了ですが、もはや収穫適期は過ぎたようです。もちろん、まだ食べれますがこの後5~6株引き抜いて茹でて見た所、やはり最初の収穫の時より味は落ちていました。初収穫はわずか1週間前ですから、枝豆の収穫適期は本当に短いです。家庭菜園ですから消費量が少なく1度に収穫できないので仕方ありません。1畝を何回にも分けて収穫してできるだけ長い期間楽しみたいと思っています。それでももう十数株しかありませんので、早々と終わってしまうものです。
枝豆は土を耕してマルチを敷いて、鳥に食べられない様に慎重に豆まきして、発芽したら水遣りをして、と育てるのは大変ですが食べるのはあっという間です。今ではスーパーで中国産の冷凍枝豆を安く販売していますが、やはり無農薬の家庭菜園の枝豆の方が安心、安全です。
最後の枝豆収穫
延べ5~6回に渡った枝豆の収穫も、今年はこれで最後です。ここ数日雨が降らず、30℃を越す炎天下の下に置かれた為、枝豆の株も大分くたびれている様子です。しかも透明マルチを敷いているので、かなり地温は上がっています。これ以上収穫せずに放置しておくと実が傷んでしまうと判断し、残りの株を全て収穫しました。全てといってもほとんど収穫してあるので、残りわずか10株程度でした。
既に収穫適期は過ぎた事は茶色の莢を見ても一目瞭然です。豆が莢から飛び出しそうになっているのも結構あります。このまま放っておけば「大豆」になるようですが、「大豆」の若い実を食べる「枝豆」を作っているのですから放置しておくわけにはいきません。
わずか10株といっても実にすれば結構な量で、5リットル程のバケツに一杯になる位収穫できました。早速、全て塩茹でにしましたが味はそれほど悪くはありませんでした。さすがに茶色い莢の豆は味が悪いので処分してしまいましたが、全体の8割程度は問題なく食べれる状態でした。
今年はこれで全て収穫しましたが、考えてみると農家さんにとっては「枝豆」はコストパフォーマンスの悪い野菜かもしれません。場所を取る割に収量が多いわけでなく、販売価格は低めです。特に収穫適期が短い事は収穫、出荷のタイミングが非常に難しいと思います。もちろんどんな野菜でも難しいと思いますが、家庭菜園をしている「ふじやま」さんは気楽なものだとつくづく感じました。収穫適期が過ぎて多少味が落ちようが、色が変わろうが、家庭で食べる事ができれば問題ないからです。
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