いんげんの育て方・栽培方法 (マメ科)

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基本情報

分類:マメ科インゲンマメ属 / 原産地:中央アメリカ / 学名:Phaseolus vulgaris L. / 英名:kidney bean, common bean / 種類:つるあり、つるなし / 品種:どじょういんげん、モロッコインゲンなど / 主産地:千葉、北海道、鹿児島 / 発芽適温:23~25℃ / 生育適温: 15~25℃ / 種まき時期:4~6月 / 収穫時期:7~9月

栽培のポイント

  • 種まき時期をずらせば長期間収穫できる
  • 遅霜に注意して早まきしない
  • 発芽前は鳥に食べられ易いので注意する
  • 株が疲れるので早めに収穫する

由来・歴史

中央アメリカ原産の「インゲン」は現在のメキシコ南部、グアテマラ、コスタリカ一帯で栽培されていましたが、中南米各地に広がり、コロンブスの新大陸発見以降ヨーロッパに伝わりました。

その後中国を経由して1654年に隠元禅師によって日本に伝わりました。

当初は「インゲン」の豆のみを食用としていましたが、明治時代になって欧米から新品種が導入、栽培奨励される様になると、未成熟な実をさやごと食べる「サヤインゲン」が普及しました。

いんげんの種まきの注意点

 いんげんは豆類ですが、豆類は種まきの際の「水やり」には注意が必要です。

他の野菜、たとえば「きゅうり」「だいこん」などは種まきしてから適度な「水やり」は欠かせませんが、いんげんははじめに少々水を与えればあとは極端に乾燥していなければ発芽まで「水やり」は必要ありません。

あまり水を与えすぎると、かえって種が腐ってしまうからです。

実際、私もはじめの種まきの際はあまり発芽せず、原因を調べているうちにこの事がわかりました。

 さらに、梅雨の時期に種まきする場合は雨の日や雨天後の水分過多の土壌を避けた方が良いです。天候、土壌の水分、そして水やりに気をつければ、発芽率が大幅に改善します。

野菜づくりにおけるコスト感覚

いんげんの種は昨年の残りものですが、1年前のものでも十分芽が出ると思います。せっかく買った種が残っていますので、また買うのは勿体無いです。野菜作りでは常にコスト意識も必要で、どれだけのコスト又は投資で最終製品である野菜ができるか頭に入れておく事も大切です。ある野菜が100円でスーパーで買えるのに、種代、肥料代、ビニールマルチ代など各種コストを合わせて200円も300円もかかるのなら考え物です。家庭菜園はもちろん野菜を作る過程が楽しく、それ自体が目的となっても良いのですが、大半の家庭菜園者は買うより家で作った方が安上がりだからという気持ちで作っていると思います。道楽で家庭菜園をするなら別ですが、少しでも家計の足しにと考えている場合は、わずかなコストで大きな成果を得られる野菜を作る事が重要です。

いんげんの栽培事例①

初栽培は「つるなし」種

つるなしいんげん豆の種
つるなしいんげん豆の種

今年ははじめて「いんげん」を栽培してみました。いんげんは「つるあり」と「つるなし」の品種がありますが、初めてで支柱の立て方や場所もわからないので、栽培しやすい「つるなし」種を作ることにしました。「つるなし」は収穫期間が短いですが、種まきの時期をずらせば何度も収穫する事ができます。まずは1畝に種まきして、畑の他の区画が空けば又種まきしてみたいと思います。

「鳥よけ」設置の種まき(撮影日:05/13)

いんげんの種まき①
いんげんの種まき①
いんげんの種まき②
いんげんの種まき②

いんげんは豆ですから種まきの際は鳥に食べられない様に注意しなければなりません。種は消毒して赤くなっていますが、鳥はそんな事はお構いなしに食べてしまいます。苗のカゴや網を土の上にかぶせ、鳥の被害を防ぎます。カゴもこういう場面で役立つのでとっておくと便利ですが、家庭菜園程度ではそんなにたくさんありません。カゴがなければ「寒冷紗」を使っても良いと思います。

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収穫間近のいんげん(撮影日:06/30)

収穫間近のいんげん①
収穫間近のいんげん①
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種まきから1ヶ月以上が経ち、ようやく収穫間近になってきました。いんげんは1畝に種まきして30株近くありますので、これからの食卓がにぎやかになりそうです。葉に覆われて目立ちませんでしたが、よくみるともうすぐに収穫できそうな実がなっています。はじめてのいんげん栽培でここまでできれば上出来です。いんげんはやっぱり茹でてマヨネーズをつけて食べるのが美味しいですね。収穫が楽しみです。

初収穫の「いんげん」(7月上旬)

初収穫のいんげん
初収穫のいんげん

種まきから約2ヶ月が経過し、ようやくはじめての収穫です。1株に数十本のさやができていて、こんなにたくさんできるとは思っていませんでした。いんげんはあまり成長しすぎると堅くなっていまいますから、これから早めに収穫しなければなりません。とりあえずこれだけ収穫しましたが、さっそく茹でてマヨネーズをつけて食べてみました。「おいしい!」です。

種まき時期をずらす必要性(撮影日:07/15)

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初収穫を終え、続々といんげんの収穫をしていますが、つるなし種の場合は種まきの時期をずらす必要があります。今回はじめてのいんげんの栽培をして痛感したのですが、家庭菜園レベルの消費量では一度に食べ切れません。一畝で30株ほど育てるように種まきしましたので、同時期に収穫を迎えると量が多すぎます。いんげんは比較的長期間種まきできるので、数週間ずつずらして種まきすれば継続的に食べる事ができます。もちろん、つるあり種なら順次収穫していけば良いので、来年はつるあり種の栽培もしてみたいと思います。

「土寄せ」で倒伏防止

「つるなし」種を栽培する場合には、株が倒れてしまわない様に「土寄せ」が必要です。今回がはじめての栽培で種まき期にビニールマルチを敷いたのですが、マルチを敷いたまま成長すると株が倒伏してしまいます。株が倒れてさやが土に着くようになると、汚れたり傷んだりしてダメになってしまいます。当たり前のことですが、今回何もわからずにマルチをそのままにして栽培していたため、収穫期が近づくにつれ収穫不能なさやが続出してしまいました。成長期がちょうど梅雨の時期にあたり、畑の土は頻繁に水浸しになっています。さやの重さで株が倒れてしまい、ぬかるんだ土でさやが傷んでしまいました。次回からはある程度のところでマルチをはずすか、はじめからマルチを敷かずに、「土寄せ」を確実にしようと思います。

関連記事:「ふじやま」さんの家庭菜園日記「いんげん」‐ 畝を再利用 / 成長し始めた / 開花が始まった / 初収穫

いんげんの栽培事例②

収穫したいんげん
収穫したいんげん

同じ「マメ科」の枝豆の隣で栽培(4/29)

「いんげん」の栽培も今年で2回目ですが、今年は「枝豆」を栽培している畝の隣で栽培する事にしました。「いんげん」も「枝豆」も同じ「マメ科」なので、畑の土壌管理、連作障害の予防の観点からも良い作付け計画です。野菜作りで気をつけなければならない「連作障害」ですが、畑の同区画には同じ科の野菜を作る事がオススメです。「マメ科」の野菜には「枝豆」、「いんげん」、「そらまめ」、「らっかせい」などがありますので、隣同士でこれらの作物を作る事が良いと思います。畑の一区画で「マメ科」を栽培し、翌年は別の一区画で「マメ科」を作り、昨年の「マメ科」の区画には別の「アブラナ科」などを栽培するのが良いでしょう。畑を何区画に分けておいて、ローテーションでこうした別々の科を栽培すれば、「連作障害」も起きることなく、健全な野菜を作る事ができます。

まずは1列だけで種蒔き(04/29)

今年はじめの種蒔きですが、まずは1畝2列ある中で1列のみ種をまく事にしました。1列のみといっても十数箇所の穴があり、1穴に2粒ずつまきましたので、結構な数の種を使いました。この1列が無事に生育してくれば、時期をずらして隣のもう1列に種を蒔こうと思っています。

「いんげん」1列目の発芽(05/08)

いんげんの種の発芽(4月下旬)
いんげんの種の発芽(4月下旬)

先月種蒔きした「いんげん」が10日ほど経ってようやく発芽してきました。マメ科の野菜は発芽さえしてしまえば後はそれほど手が掛からないので、一安心です。種蒔き当初から全く水遣りをしませんでしたが、土中の水分だけで十分に発芽しました。枝豆の場合もそうでしたが、マメ科の野菜は水遣りをしなくても十分発芽するのが特徴です。マメ科の種は極端に水を嫌うので、逆に水遣りをすると発芽しない場合もあります。ところが、種蒔きの際に水遣りをしないにしても雨が降ってしまえば同じことです。マメ科の野菜の種蒔きをする際には、土が過度に湿らないように気を配る事が大事です。雨上がりや雨中の時の種蒔きは避け、週間の天気予報を見るなどして少なくとも数日中は雨が降らない時期に種蒔きをする事が重要です。

「いんげん」2列目の種蒔き(05/14)

 1列目の種蒔きから2週間が経ち、いよいよ2列目の種蒔きをしました。1穴に2粒ずつ蒔きましたが数日中は天気が良いと予報なので多分発芽には問題ないと思います。1列目の種も大分成長し、早めの収穫が期待できそうです。たくさん作っても1度に全部食べ切れませんので、こうして何回かに分けて種蒔きをしています。家庭料理でいんげんは何でも使えるのでいくらあっても困りませんが、貯蔵はできないので分けて作るしかありません。1畝2列のみでは足りない気がするのでもう少し作りたいですが、他の区画は別の野菜でほとんど埋まっています。

種蒔き後1ヶ月の生育状況(06/08)

種まき後1か月後のいんげんの生育状況
種まき後1か月後のいんげんの生育状況

4月下旬に1列目の種まきをしてから1ヶ月余りが経過しましたが、ようやく5cm程度の大きさに成長しました。いくぶん成長が遅い気がしますが、4月、5月とまだ肌寒い日が続き、6月の梅雨の時期に入り気温も思うように上昇しないのが原因と思われます。隣の畝の「枝豆」は背丈も20cm程度になり大分成長しましたが、同じマメ科でもかなり違いがあります。2列目は種まきからまだ2週間程度ですが、まだ3cm程度の高さでまだこれからといった感じです。

「つるありインゲン」の種まき(06/22)

「つるなしインゲン」の種まきから1ヶ月半以上が経ち、6月下旬の今日、「つるありインゲン」の種まきを行いました。昨年、今年と引き続き「つるなしインゲン」を栽培していますが、収穫が短期間で終わってしまう為、どうしても「つるありインゲン」を作ろうと思っていました。作ろう、作ろうと思ってはいたものの、なかなか栽培場所の確保ができず、延ばし延ばしになっていました。たくさんの野菜を作っているのでなかなか栽培場所がとれず、当初は諦めていました。既に種は購入していましたが、このままでは来年に持ち越しかと思っていました。「つるありいんげん」はスペースをとる上に日当たりを考慮しなければならず簡単にはスタートできなかったのです。結局、マメ科の野菜を栽培している端に支柱を立て、ネット栽培することにしました。ネットはきゅうり用の縦1.8mx横6mのネットを使用しました。種は某100円ショップで2袋100円で購入したもので、1袋まるまる適当な間隔で種まきしました。

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種蒔き後わずか4日で発芽(06/26)

「つるありインゲン」の種をまいてから、わずか4日で発芽しました。少なくとも1週間程度はかかると思っていましたが、これほど早い発芽には驚きました。6月というのに30℃を軽く超える連日の猛暑で、種の発芽が急速に早まったと思われます。畑の隅のスペースで申し訳程度に栽培を始めたので、少しでも収穫できるようになれば嬉しい限りです。本当なら「つるあり」種をメインで作りたかったのですが、栽培スペースの都合上、今の遅い時期に隅っこで作る事になりました。今年はうまくできなかったとしても、これを来年の教訓にしたいと思っています。

いんげんの種の発芽①
いんげんの種の発芽①
いんげんの種の発芽②
いんげんの種の発芽②

「つるなし」いんげんの初収穫(06/27)

つるなしいんげんの初収穫①(6月下旬)
つるなしいんげんの初収穫①(6月下旬)
つるなしいんげんの初収穫②(6月下旬)
つるなしいんげんの初収穫②(6月下旬)

「いんげん」を毎日収穫(07/03)

つるなしいんげんの生育状況①(7月)
つるなしいんげんの生育状況①(7月)
つるなしいんげんの生育状況②(7月)
つるなしいんげんの生育状況②(7月)
つるなしいんげんの生育状況③(7月)
つるなしいんげんの生育状況③(7月)

6月下旬の初収穫以来、ほぼ毎日「いんげん」を収穫しています。家庭菜園ですから消費量が限られていますので、1日両手で持てる程度の量があれば十分です。炒めたり、煮物にしたり、お浸しにしたりと毎日の食卓がとてもにぎやかになりました。今は1畝の左1列を収穫しているので、まだ右1列のいんげんがこれから収穫を迎えます。「つるなし」いんげんだけでは少ないだろうと、今年は「つるあり」種も後から栽培し始めましたが、「つるなし」種だけでも結構収穫があるものです。いんげんは収穫が遅れると、さやに張りがなくなり豆が大きくなって味が落ちてきますので、早めの収穫を心がけています。

「つるあり」インゲンの生育順調(07/10)

つるありいんげんの生育状況①
つるありいんげんの生育状況①

「つるあり」インゲンの種は無事に発芽し、生育も順調です。「つるあり」用に設置したネットにもそろそろ絡み始めるという所で、これからの成長が楽しみです。「つるなし」種は収量が限られていますが、「つるあり」種は果たしてどのくらい収穫できるか今回が初めての試みです。物置の裏側なので午後になると日陰となり、日照時間が限られますが、それでもどれだけ成長してくれるか期待しています。隣には同じマメ科の枝豆がありますが、同じ科の野菜なので「連作障害」などの管理がしやすいです。

真夏の暑さで収穫できるか(07/23)

つるありいんげんの生育状況①
つるありいんげんの生育状況①
つるありいんげんの生育状況②
つるありいんげんの生育状況②

「つるあり」インゲンも種まきから順調に成長し、2メートル近くあるネットの一番上までつるが伸びてくるほどになりました。順調な生育ぶりで嬉しい限りですが、8月に入り真夏の暑さになると果たして収穫できるか心配です。いんげんの生育温度は10℃~30℃位で、25℃位までの気温で最も良く育つそうです。ですから昨年の様に、連日35℃前後を記録した猛暑の夏では暑すぎて「いんげん」の収穫も望めそうにありません。物置の裏側で栽培しているので、日中3時以降になると日陰になるので多少の気温の低下にはなりそうです。「つるあり」インゲンは種まきから50~60日後に収穫できるそうなので、6月22日の種まきから計算すれば、うまくいけば8月10日以降の収穫になりそうです。

つるは伸びても実は付かず(08/12)

つるなしいんげんの生育状況(8月)
つるなしいんげんの生育状況(8月)
つるありいんげんの発芽
つるありいんげんの発芽

順調な生育を続ける「つるありインゲン」ですが、8月中旬になってもまだ莢は付きません。花が咲けば莢が付いても良さそうですが、やはり夏の猛暑で莢が付かないようです。いんげんの生育温度は15℃~30℃ですが、8月の30℃を超す連日の猛暑では育たないようです。特にここ数日は35℃を超える日が続き、北海道でも35℃を記録するなど日本列島全体が高温状態です。何事も経験ですが、このまま莢が付かなければ「つるありインゲン」の栽培は完全に失敗です。来年は「つるなし」種ではなく、はじめから「つるあり」種を作ってできるだけ長く収穫できればと思っています。

「つるあり」種の9月収穫(09/10)

つるありいんげんの生育状況(9月)
つるありいんげんの生育状況(9月)

完全に失敗と思って諦めていた「つるありいんげん」ですが、いつの間にか実がなっていました。夏の暑さで最早収穫できないと諦めて放置していましたが、9月に入って幾分暑さが和らいだせいか、実ができていたのです。つるはすでに2メートル近くに伸びネットに這わすスペースもありませんでしたが、ネット上部にわずかながら実が付いていました。「いんげん」の事を良く「にどなり(二度生り)」や「三度豆」と呼ぶ事がありますが、まさにその事を実感した瞬間でした。6月末に種まきしてから2ヶ月半でやっと実を結びました。わざわざネットを張って種まきしたにも関わらず全く収穫できないのは残念だと思っていましたが、これで少しは報われた思いです。

関連記事:家庭菜園日記「いんげん」‐ 畝を再利用 / 成長し始めた / 開花が始まった / 初収穫

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