基本情報
原産地:中南米 / 分類:イネ科トウモロシ属 / 学名:Zea mays / 米国名:corn、英国名:maize / 主産地:北海道、千葉、茨城など/ 品種:黄色粒種-味来、ゴールドラッシュ、サニーショコラ、バイカラー粒種-ハニーバンタム、ピーターコーン、ゆめのコーン、甘々娘、白粒種-ピュアホワイト / 生育適温:20~30℃ / 種まき時期:4~5月 / 収穫時期:6~9月 / 最適土壌ph:6.0~6.5
栽培のポイント
- 日当たりの良い場所でつくる
- 受粉率アップの為、2列植えがおすすめ
- 同じ場所・時期に同じ品種を育てる
- 1株に1本の実だけ育てる
- 根が深くなるので肥料も深めに入れる
- 肥料食いなので元肥、追肥はたっぷりと入れる
- 絹糸が茶色く枯れてきた頃が収穫の目安
- 朝収穫してすぐ調理するのが一番甘い
由来・歴史
「とうもろこし」の起源は南米に自生していた「テオシント」と呼ばれるイネ科の一年草が原種と考えられています。
その歴史は古く、紀元前5千年頃には既に栽培されていました。
古代マヤ、アステカ文明では主要穀物として栽培されており、南北アメリカにも栽培が拡大しました。
その後コロンブスの新大陸発見に伴ってとうもろこしがスペインに持ち帰られると、ヨーロッパ、中近東、アフリカ、そしてアジアへと伝えられる様になりました。
日本へは天正7年(1579年)にポルトガル人によって長崎に伝来しました。
現在では飼料用のとうもろこしはほとんど海外からの輸入に依存していますが、食用の甘味種のスイートコーンは様々な品種が国内で栽培されています。
とうもろこしの栽培事例①
人生初の「とうもろこし」作り
家庭菜園の醍醐味といえば、やっぱり「もろこし作り」です。昨年から野菜を作り始めましたが、数ある野菜の中で一番作りたかったのが「とうもろこし」です。
「大根」、「トマト」、「さつま芋」、「小松菜」など今まで色々つくりましたが、それらは日々のおかずになる野菜です。
一方、とうもろこしはそれだけでも食べれる一品野菜です。
最近では甘みの強い品種が増えてきて、野菜というよりフルーツの様なもろこしもあります。
真夏に食べる茹で立てのもろこしは本当にご馳走です。
もろこしは甘みが強いので、虫や鳥の被害が多いそうですが、今年は何とか美味しいもろこしを作ってみたいです。
芽が出始めた「とうもろこし」(撮影日:05/09)
種まきから1週間もするとようやく芽が出始めました。
写真は既に2週間くらいは経っていると思います。
種の節約のために最初は1穴に1つずつしか撒かなかったので、芽が出ない穴もありました。
芽が出ない穴にはまた種を撒き直しました。
2回目、3回目と撒きなおすとようやくほぼ全ての穴に芽が出揃いました。
とうもろこしはイネ科なので、まさにお米の稲の様な芽ですね。今更ながら初めて育て始めたもろこしの姿に感動しました。
もろこしの種は時期がずれたり、土壌の水分が多すぎたりすると発芽しない場合が多いみたいです。
植え穴がたくさんあっても、全ての穴に一回で芽を出させるのは難しいです。
それでも芽が出てしまえばこちらのものです。暖かくなるにつれてぐんぐん成長していくと思うので、これからが楽しみです。
わき芽とり(撮影日:06/01)
順調に伸びるもろこしの根元からわき芽が出てきたので、1畝の20株ほど全てわき芽をとりました。
余分な肥料が行かない様にわき芽をとったのですが、他の野菜はそれで良くても「とうもろこし」に関しては「わき芽」はとらない方が良いみたいです。
これはあとで知ったのですが、葉は光合成をして養分を生み出しているとの事で、わき芽があればその分養分を生んで実つきを良くするらしいのです。
何せはじめてのもろこし作りですから失敗も仕方ありません。
1畝は全部わき芽をとってしまいましたが、もう1畝は手付かずです。今度はわき芽はそのまま放っておこうと思います。
強風倒伏でも回復(撮影日:06/16)
梅雨の時期になり、もろこしも順調に育っていましたが、ある夜台風並みの風雨が襲ってきました。
夏の台風でもろこしが倒れてしまうのは良く聞きますが、6月中旬のこの時期にこれほど激しい風雨がくるとは思いませんでした。
一晩中吹き荒れた風雨は朝方には止みましたが、もろこしはかなりの被害を受けました。
一株も完全に横倒しにはならず、被害のほとんどが斜めに傾いているだけでした。
もろこしは日中太陽の光の方向に伸びますので、根茎さえしっかりしていればまっすぐに戻ります。
あまりにも斜めになっている株は手作業で直しましたが、それ以外の株はそのまま放置していれば自然とまっすぐになります。
ビニールマルチの撤去と土寄せ
株も大分成長してきたので、マルチの除去と土寄せを行いました。
初期の生育促進の為に敷いたビニールマルチも今では気温も上昇し株も大きくなってきたので、取り除いても大丈夫です。
マルチシートは地温の上昇、雑草防止、土跳ねによる病害防止など色々な効果がありますが(参照:マルチングの効果)、とうもろこしは初期生育さえ順調にいけば後はそれほど病害の心配もありませんので、マルチシートを外しても問題ありません。
又、マルチシートといっても透明なので雑草は中からどうしても生えてしまいます。むしろ、マルチシートを外す理由は土寄せをする為です。
とうもろこしの株は最長2メートル近くにもなり重量も増えてくるので、倒伏防止のための土寄せは必須です。
ある程度株が成長してきたら、風で倒れてしまわないようしっかりと「土寄せ」をしなければなりません。
実際、前述のように6月にも関らず台風並みの強風がきて、株が倒れるまでいかずとも傾いてしまう被害を受けました。
幸い深刻な被害ではなく、数日で元に戻りましたが、「土寄せ」をしていれば被害を受けなかったかもしれません。
「ヤングコーン」の収穫(撮影日:07/06)
とうもろこしは1株で雌花が複数つくので、一番上の雌花以外は「ヤングコーン」として摘み取ります。
1株に2つも3つも実をつけていると、養分が分散されてしまいうまいもろこしができません。
もったいない気もしますが、2つ目以降の実は受粉前に摘み取ってしまいます。
受粉前の実は小さいですが、立派にもろこしの形をしていて丸ごと食べる事ができます。
茹でたり炒めたりして簡単に調理できます。
「とうもろこし」の収穫適期(撮影日:07/07)
とうもろこしの株もだいぶ成長し、雌花も受粉して大きくなってきました。
いよいよ収穫も間近ですが、早獲りし過ぎてはおいしくありません。
一般的には雌花の絹糸が出てきて数十日後が収穫期などといわれますが、わざわざ数えなくても絹糸が焦げ茶色になり、触ってみて実がしっかりしていれば大丈夫です。
確実に見極めたい方は、先端を少しむいてみて先まで粒が黄色くなっていれば間違いありません。
まだ白い場合はまた皮を戻しておけば大丈夫です。
実際、一番右の写真のもろこしはそろそろ収穫期かなと思ったのですが、先端をむいてみたらまだ先の粒が白いので、もう少し待つ事にしました。
待望の初収穫(撮影日:07/15)
種まきから2ヶ月以上が経過し、ようやく待望の初収穫です。たった1粒の種がここまで成長するなんて、改めて野菜栽培の凄さを実感しました。
意外にもカラスや虫の被害もなく、実がぎっしりとつまった美味しそうなとうもろこしが収穫できました。
初めての栽培でここまで立派に育てることができれば上出来です。さて、もぎたてのもろこしを早速茹でてみました。
大きくて鍋に入りきらないので、仕方なく半分に切って茹でました。
塩を少々入れて沸騰してから茹でたのですが、塩が少なく少々茹で過ぎで、少し物足りない味でした。
とうもろこし自体は上手くできたのですが、肝心の調理がうまくいかず、なんとも歯がゆい結果になってしまいました。
畑での収穫後すぐ茹でたので、鮮度は申し分ありません。次は電子レンジを使うか、それとも早めに茹でてみようと思っています。
品種は「スイートコーン」
ようやく栽培の苦労が実った初収穫でしたが、イマイチ感動が足りません。それはとうもろこしが思っていたほど甘くなかったからです。
もろこしの収穫は糖分が一番溜まっている朝が良いと聞いた事がありますが、初収穫は夕方だったためにそれほど甘くなかったのかなとも思いました。
ところが、次に朝収穫してみても味はそれほど変わりません。確かに甘いのですが、結構歯ごたえがあって、今流行の品種とは違います。
やはり、これは品種自体の甘味と食感のせいです。種は某100円ショップで購入したもので、品種は「あまーいスイートコーン」と書いてあるだけではっきりとわかりません。
今流行の「ゴールドラッシュ」や「味来(みらい)」などの味には到底かなわないのです。今は品種改良が進んで、甘味が非常に強くて粒皮が極めて薄い品種が多いです。
私が栽培した品種はいわゆる一昔前の粒皮がしっかりして甘味もそこそこの焼きもろこしに向く様な品種でした。
もちろんはじめて栽培したのですから、その感動も手伝って最高の味だった事は間違いありませんが、やはり今流行の極甘の品種を作ってみたかったです。
今回、はじめての栽培で要領を得たので、来年はもっと美味しい品種を作りたいと思います。
とうもろこしの栽培事例②
とうもろこしの生育も順調で背丈も大きくなってきたので、ビニールマルチ除去、土寄せと追肥を行いました。
マルチシートは地温を高めてくれますが、6月に入り気温も20℃を超える日が続いてきたので、もう必要ないと判断しました。
それよりもマルチシートをいつまでも張っていると、「土寄せ」もできないし「肥料」も与える事ができません。
昨年は6月に台風並みの大雨で株が倒伏してしまいましたが、「土寄せ」をしていれば防げたはずです。今年は種まきも早く、株も早めに成長しているので、もうマルチを除去しても問題ありません。
「土寄せ」をする事で根が良く張るようになり、背丈が1m以上にもなるとうもろこしの株が倒れないようにするわけです。
また、これだけ成長してくると最初に施した元肥もかなり吸収していますから、肥料切れを起こさない様に「追肥」をしなければなりません。
株の間に化成肥料を適量撒いて、「土寄せ」をする事で株元に寄せておきます。
間引きをしてヤングコーンを収穫(06/26)
とうもろこしの株も生育が進み、背丈も1mを越えるようになってきました。
株が大きくなると雌花が受粉して実が形成されてきますが、余分な実は「間引き」する必要があります。とうもろこし栽培の場合、一般的に1株に1本の実だけ作るのが普通で、2番目の実は「ヤングコーン」として収穫します。
1株に1本のみ生育させる事で養分の分散を避ける事ができるかれです。成長につれて雌花の絹糸が出てきますが、2番目の雌花が受粉する前の白い糸の小さい実の状態で間引き、収穫してしまいます。
熟していないのでもちろん粒は食べれませんが、実全体がまだ柔らかいので、八宝菜のように炒め物として食べる事ができます。
とうもろこしの栽培事例③
「ゴールドラッシュ」の収穫(07/05)
4月初めに種まきしてから3ヶ月、ようやく収穫の時期がやってきました。
今年から試してみた「ゴールドラッシュ」ですが、生育も順調で収穫適期を迎えました。
実の先にある雌花の穂先はすっかり茶色になり、実が熟している証拠です。念のため、2株ほど皮をむいて中を見てみましたが先端まですっかり黄色です。
ここまで実が熟していればもう収穫時期を迎えています。早速、初収穫で7株もぎとりました。
1株で1本のみの実をつけていますので、とうもろこしは本当に貴重です。
手で触ってみて食べ頃の大きさの実をもぎ取りました。
今年は昨年のように台風のような大雨もなく、天候に恵まれて無事に収穫できました。
早速皮を剥いてみると、虫の被害も全くないとても綺麗なもろこしが姿をみせてくれました。
苦節3ヶ月、土作り、肥料散布、マルチ張り、間引き、土寄せ、草取り、追肥と数知れない手間をかけた「とうもろこし」がやっと収穫できたのです。
家庭菜園の最大の喜びはやはり収穫です。
「ゴールドラッシュ」を初賞味(07/05)
今年初収穫の「ゴールドラッシュ」を早速塩茹でしてみました。鍋にお湯を沸かして塩を適量入れて、強火で約5分程度茹でました。
「ゴールドラッシュ」は生でも食べれる品種なのでそれほど茹でる必要もありませんが、やはり7本茹でるとなると5分位は必要です。
さっと茹でてざるに移して少々冷ました後、早速初賞味です。
「あまーい!メチャメチャおいしいです!」昨年作った品種「スイートコーン」とは断然の違いです。
さすが「ゴールドラッシュ」です!これほど甘いとは思いませんでした。
朝どりで収穫後すぐに調理したのもあってか、とうもろこしの糖分が最大限保持されて調理されていました。
粒皮も柔らかいので歯に全く残らず、食味は最高です。
台風で「とうもろこし」倒伏(07/20)
とうもろこしが大型台風6号の風雨でほぼ全て倒伏してしまいました。
台風6号は九州から関東地方へ日本列島を横断する大型台風です。
とうもろこしは3畝栽培していますが、2畝目は半分、3畝目は全部倒伏してしまいました。
1畝目は既に全て収穫済みですし、2畝目は既に収穫期ですので問題ありません。
しかし、3畝目にある20本弱のもろこしはまだこれから収穫を迎えるので倒伏すると困ります。
2畝目の倒伏したもろこしはその場で収穫しましたが、3畝目はまだ栽培する必要があります。
倒伏したもろこしを今すぐ直してもまた台風で倒れてしまうかもしれません。
少しぐらい間を空けても大丈夫でしょうから、台風の心配がなくなるまでもろこしを立たせるのを待ちたいと思います。
収穫時期を逃した熟しすぎの「とうもろこし」(07/20)
台風6号で見事に倒伏した「とうもろこし」ですが、2畝目は既に収穫期を過ぎているので6本ほどもぎ取りました。
もろこしは熟しすぎると実が固くなりしわがよって甘みも落ちてきますが、収穫したもろこしもその通りでした。
家庭菜園で消費量も少ないので仕方ないのですが、やはりもろこしはあまり置き過ぎると味が落ちてしまいます。
収穫したもろこしは大分黄色味が増し、完熟を通り越しているのがわかります。
あと1週間くらい収穫が早ければ絶品だったと思いますが、食卓の都合もありなかなかうまくいきません。
2畝目はまだ数本残っていますが、既に収穫適期は過ぎているので早めの収穫が必要です。
その後、7月23日早朝、2畝目の最後の8本を収穫しました。これで1畝目、2畝目の収穫が全て終了しました。
畝間の成長差をつける期間(07/23)
家庭菜園で「とうもろこし」を栽培する場合、畝間の種まき時期をずらす必要があります。
1畝で何本栽培するかにもよりますが、10本、20本単位で1畝栽培する場合、2畝目は種まきの時期をずらさなければなりません。
一度に大量に出荷する農家ならともかく、細々と消費する家庭菜園では一度に大量に収穫するわけにはいきません。
「ふじやま」さんの場合は、1畝目と2畝目の種まきを約2週間ずらしましたが、最終的にはほとんど成長差が見られなくなってしまいました。
1畝目は4月1日、2畝目は4月15日に種まきしましたが、気温の上昇と共に2畝目の成長が著しく、あっという間に1畝目に追いついてしまいました。
6月1日の時点ではかなり成長差がありましたが、6月15日には大分追いつき、7月3日にはほぼ変わらなくなってしまいました。
今年の6月は過去最高気温を記録するなど暑い梅雨の時期でしたが、その影響もあってか、ぐんぐんと2畝目が成長しました。
順調に生育してくれたのはありがたいですが、これでは収穫時期が重なってしまいます。
今年は2週間ずらした種まきですが、来年は最低でも3週間位はずらしてみようと思っています。
台風で倒伏した3畝目を立て直す(07/23)
強烈な風雨をもたらした台風6号により倒伏した「とうもろこし」ですが、3畝目を再び立て直しました。
2畝目は既に収穫期を過ぎていたので収穫して調理しましたが、3畝目はまだこれから収穫期を迎えるところでした。
倒れたままでは収穫できませんので、元の様に垂直に立てて土寄せを行いました。
株も倒れた影響で斜めになっていたりしますが、大量に土寄せする事で何とか立たせることができました。
株は土まみれになっていますが、しばらくおいておけば乾いてとれると思います。
一度倒れた株を手で直して果たして収穫できるか不安です。
まだ実は小さく、収穫はうまくいけば8月になってからだと思います。
3畝目だけで15本以上はありますので、何とか無事に収穫したいものです。
今期最後の「とうもろこし」収穫(07/31)
4月から始めたとうもろこし栽培ですが、7月末でいよいよ最後の収穫です。
もう3畝目しか残っていませんが、台風で一度倒伏して立て直した後、昨日の豪雨で再び倒伏してしまいました。
数日前に5本収穫して、あと10本程度しか残っていないので、この際全て収穫する事にしました。
そろそろ他の野菜の作付けも準備しなければならないし、いつまでも栽培しているわけにはいきません。
倒れた株から10本程度収穫して、今期の収穫を終えました。
2本ほどは実が鳥に食べられており、実がしっかりついてないものもありましたが、これだけの量が獲れれば満足です。
今年は「ゴールドラッシュ」という品種を作りましたが、実付きも良く凄い甘くて大成功でした。
昨年作った品種不明の「スイートコーン」とはえらい違いです。
来年も「ゴールドラッシュ」を作るつもりですが、今度は種まきの時期をうまくずらす様にしたいです。
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