水遣りの重要性
農業や家庭菜園において水遣りは極めて重要です。
農業の世界では「水やり三年」といわれるほど難しい作業で、簡単そうにみえて実は非常に奥が深い作業です。
水遣りの仕方を間違えれば野菜の成長を促進するどころか逆に妨げとなってしまいます。
水やりが必要といっても水をやり過ぎれば土壌が酸素不足になり、野菜の根が酸欠になるだけでなく、土壌中の微生物の活動や繁殖にも悪影響を及ぼします。
一方、水やりをしなかったり、水やりをしても量や頻度が足りなければ野菜の根が生育に十分な水分を吸収できずに成長できなかったり、枯れてしまう事もあります。
特に種まき直後やまだ苗が幼い状態の時はこまめに水遣りをしなければその後の成長は望めません。
水遣りの多様性
季節、天候、気温、湿度といった気象条件、日当たりや風通しなどの立地条件、露地、トンネル、マルチ、コンテナなどの栽培方法の違いにより水遣りの仕方は異なります。
炎天下の真夏日の畑の野菜に行う水遣りと真冬の曇天の日の畑の野菜に行う水遣りでは時間も量も違います。
水遣りの基本
水やりの基本は土が乾いている時にたっぷりと水を与える事です。
土の表面が乾いていても土に指を指してみて濡れているようなら土壌に水分があるので水遣りはしなくても大丈夫です。
一方、指が全く濡れていないようなら、土壌に水分がなく乾燥しているので、必要に応じて水遣りをします。
季節毎の水遣り方法
水やりで注意しなければならないのは真夏の炎天下の水遣りです。
夏場の炎天下の菜園では土がカラカラに乾燥していていかにも水が必要にみえます。
しかしながら、真夏の炎天下で水遣りをすると土壌に吸収された水が日光で温められて高温になり、土壌中の野菜の根が蒸れて傷んだり根腐れを起こしてしまいます。
ですから、真夏に水を遣る場合はまだ気温の上がっていない早朝もしくはこれから気温が下がる夕方にした方が良いです。
一方、真冬の夕方には水遣りを控えた方が賢明です。
夜間氷点下にもなる真冬では土壌中の水分が凍ってしまい野菜の根にダメージを与えてしまう事もあります。
真夏であれば夕方に水やりしても凍る事はありませんが、真冬の場合は夕方は避け、早朝もまだ気温、地温が低いので避け、暖かくなった午前中にした方が良いでしょう。
野菜の成長に応じた水遣り
水やりの仕方は季節や天候によって異なりますが、野菜の成長に応じて適切な方法をする事も必要です。
すなわち、種まき直後、芽が出た直後、幼い苗の状態、完全に成長した株の状態では水やりの方法はそれぞれ違います。
野菜の生育時期で水やりがとりわけ重要なのは種まきから幼苗までの時期です。
この時期にいかに水やりを含めた適切な管理ができるかでその後の野菜の成長に大きく影響を与えます。
種まき直後はたっぷりと水を与えるのはもちろんですが、水やりはジョウロのハス口を上向きにして水流を弱くして優しくする事が大切です。
種まき直後は種と土がなじむようにたっぷりと水を与えるのですが、あまりに水流が強いと種や土が流れてしまったり、種が地表に剥き出しになったりしてしまいます。
それから芽が出た直後や苗が小さい内はいずれにしても苗は繊細なので強い水流で被害を与えない様に注意します。
苗が大きくなるまでは水を切らさない様にすることが必要ですが、過剰な水やりは根腐れの原因となるのでこれまた注意が必要です。
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