基本情報
分類:ナス科トマト属 / 原産地:南米アンデス地方 / 学名:Solanum lycopersicum / 英名:tomato / 和名:トマト、赤茄子 、唐柿(とうし)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり) / 種類:大玉、中玉、ミニトマト / 品種:桃太郎、強力米寿、アイコなど / 生育適温:昼間25~30℃、夜間10~15℃ / 苗の植え付け時期:4月下旬~5月 / 収穫時期:7~10月 / 連作障害アリ
栽培のポイント
- 種から作るのは難しいので市販の苗を利用する
- 中玉、大玉よりミニトマトの方が栽培が簡単
- 連作は避け、最低4~5年は間隔を空ける
- 連作障害や病気に強い接木苗がオススメ
- 根が深く伸びるので深く耕す
- 元肥は溝施肥で控えめにし、追肥で調整する
- 日当たりの良い場所で栽培する
- 雨に弱いのでハウスや雨除けのビニール屋根などを利用する
- 病害予防の為にマルチ栽培をする
- わき芽は小さな内に摘み取る
- 支柱立てと誘引は欠かさず行う
- 株の先端の茎葉で生育状態を判断する
由来・歴史
南米アンデス山脈高原地帯原産の「トマト」は8世紀にはインカ、アステカの民によって栽培されていました。コロンブスの新大陸発見時代にスペインに種が持ち込まれましたが、当初は観賞用としてのみ広まっていました。16世紀にイタリアで飢饉で食糧難が発生した時に人々が止むを得ずトマトを食べてみたところ案外美味しかった事から食用として広まる様になりました。トマトソースや数々のトマト料理など用途が広がり、イタリア料理に取り入れられる様になりました。イタリアだけでなく、ポルトガルやスペインでも広がり、日本へは17世紀に伝わったと考えられます。世界には8千種類以上のトマトがあり、日本では約200種類の品種が登録されています。
植え付け前の土づくり
- 植え付け場所は前作がナス科の場所を避けるか接木苗を利用する
- 土づくりは苗の植え付け前の1~2週間前までに済ます
- 植え付け2週間前に酸度調整が必要なら苦土石灰を施す
- 植え付け1週間前に堆肥、化成肥料を溝施肥で施す
- 根が深く張るので深くまで耕し、高畝にする
連作障害の回避方法
- ナス科の野菜を3年年以上植えてない場所で栽培する
- 菜園全体で他の科の野菜を組合せた「輪作」をする
- 接木苗を利用する
- 長期間に渡る継続的な「土づくり」を行う
土づくりをする前にまずトマトの栽培場所を決めますが、大事なのは「連作障害」を避ける事です。連作障害を避けるには土づくりは大切ですが、輪作と接木苗の利用も効果的です。トマトはナス科なので連作障害を避けるには3~4年はナス科の野菜を植えていない区画を選ぶ必要があります。ナス科の野菜にはジャガイモ、ナス、ピーマン、シシトウ、トマトなどがありますが、これらの野菜を3~4年は植えていない場所を選びます。とはいえこれらナス科の野菜は家庭菜園でも人気の定番野菜ですから、栽培区画が限られた家庭菜園では何年も植えていないというのは難しい場合もあります。しかし、ナス科以外にキュウリ、カボチャ、スイカなどのウリ科、枝豆、インゲン、落花生などのマメ科、小松菜、キャベツ、大根などのアブラナ科、イネ科のトウモロコシ、ヒルガオ科のさつまいもといった他の科の野菜の栽培を組み合わせてローテーションが可能ならできる限り輪作を行います。
しかし、輪作が難しい場合や輪作をしていても追加で行えば効果的なのは「接木苗」の利用です。接木苗は自生苗と比べて値段が高いですが、自生苗と比べて病害中に強く連作障害も発生しにくいので積極的に活用したいものです。
土壌酸度の測定と調整
苗の植え付け前には土づくりをして畝立てをしますが、まずは酸度調整をしておく必要あります。トマトが育つ最適な土壌酸度(pH)は弱酸性の6.0~6.5ですが、土壌酸度計やpH測定キット等を活用して調べます。苦土石灰を150g/㎡が標準的な施用量ですが、酸性度に応じて加減します。pHが6.0~6.5より低い6.0未満ならば150~200g/㎡施し、6.0以上ならば100~150g/㎡施します。酸度測定した時点で適正値の6.0~6.5でも、時間が経つにつれて土壌が酸性に傾いてくる上に、土壌にカリウムやマグネシウムを与える意味でも苦土石灰を適量施しておくと尻腐れ病などの予防になります。
溝施肥と元肥
トマトは根が深く張り栽培期間は長いので土を深く耕して元肥も十分に施しておく必要があります。栽培予定の区画は深さ30㎝位までしっかりとスコップや鍬を入れて耕し、水捌けの良いフカフカの状態にして根が張りやすい環境を整えておきます。又、トマトは過湿を嫌うので少しでも水はけが悪いと思ったら、落ち葉や腐葉土を深く埋めておけば水はけが良くなります。
根が深く伸びて栽培期間が長い野菜にはナス、ピーマン、トマトなどがありますが、こうした野菜には「溝施肥」が向いています。「溝施肥」は畝を作る前に深い溝を掘ってその中に肥料を施しておき、長期間効果を持続させるものです。栽培区画を耕して畝を作る前に深い溝を作り元肥を施します。トマトの場合は堆肥6リットル/㎡、化成肥料100~150g/㎡を溝の中に施します。
トマトの生育状態の見分け方
- 肥料過多の場合は節間が短くて茎が太く、葉が内側に強く曲がる
- 肥料不足の場合は節間が長くて茎が細く、葉が上向きに張っている
- 葉が黄変した場合はカリウム、マグネシウム不足
長期間に及ぶトマトの栽培では株の生育状態に合わせた追肥が欠かせません。土づくりの際に溝施肥で元肥を入れますが、茎葉の成長だけでなく実の肥大化に大量の養分を必要としますので、元肥の効果は途中で切れてきます。一般的な追肥の目安は一段目に付いた実がピンポン玉位の大きさになったら施すのですが、実際に栽培している個々の株を見る事で肥料の過不足が判断できます。
肥料過多の場合は茎が太くて節間が短く、葉色が濃くて内側に強く曲がっています。元肥を入れすぎるとさつまいもと同じ様につるボケの状態になり、茎葉ばかりが茂ります。肥料分の中でも窒素分ばかりが多いとつるボケになるので、窒素分以外のリン酸とカリウムが多い肥料、特に実付きを良くするリン酸分を多く含む肥料を施す事が必要です。
肥料過多の対処法
- 肥料過多の対処法は追肥を控える
- 普段より水やりを多くする
- 脇芽を伸ばすして過剰な養分を分散させる
- 葉を一部切り落として肥料分の吸収を減らす
- 小松菜など他の葉物野菜を株元に植えて肥料分を吸収させる
肥料過多の場合の対処法は水を多めに与えたり、わき芽を伸ばしたり、葉を切り落とす方法がありますが、まずは追肥を控える事が第一です。元肥の効果が切れるまではじっと追肥を我慢します。肥料効果が切れるサインは株の先端の成長点の枝が急激に細くなるか、成長点付近の葉が上に立ってくるかで分かります。
追肥を控えた上で肥料過多の状態が続くなら、水を多めに与えて肥料分を流す方法もあります。通常の水遣りは土が乾いたらする程度ですが、水やりをいつもより多めの頻度と量で行う事で肥料分の流出を促します。普段なら肥料分の流出は歓迎できませんが、肥料過多の場合は余分な肥料の流出は株を正常な生育状態に戻すために欠かせません。
次に肥料過多の対処法としてはわき芽を伸ばす方法があります。通常、脇芽は肥料分の分散を防ぐためにこまめに摘み取りますが、逆に脇芽を放任して伸ばす事で過剰な肥料を消費させる事ができます。過剰な肥料分は本来育てるべき主枝と実に送られると同時に、放任して育てている脇芽にも流れるというわけです。しばらくして樹勢が落ち着いてきて肥料過多の状態が改善されれば、脇芽を摘み取れば大丈夫です。
他の肥料過多の対処法としては株元で小松菜などの葉物野菜を育てる事です。コンパニオンプランツというわけではありませんが、肥料過多の場合は土壌に余分な肥料があるわけですから、ちょっとした葉物野菜の種を播けば余剰肥料を吸収して育ってくれます。肥料は既にあるので中耕を兼ねて株元の周りを軽く耕して柔らかくし、二十日大根や小松菜といったすぐ収穫できる野菜を育てれば、野菜も収穫できて余剰肥料も吸収できるので一石二鳥です。
肥料不足の対処法
- 肥料不足の対処法は追肥をする
- 即効性が必要なら液体肥料を施す
- 通常は化成肥料を畝の両肩の根の先付近に追肥する
肥料過多の場合と比べて肥料不足の場合は対処法はシンプルです。肥料を与えれば良いです。元肥以外の施肥は全て追肥になりますが、どれだけ肥料を与えるかと同時にどのタイミングで与えるかも重要です。追肥は一般的に一段目の花が咲いた頃といわれますが、土壌、元肥、天候、日当たり、品種等によって株の生育状態に違いがありますから、必ずそのタイミングで与えなければならないわけではありません。一段目の花が咲いた頃に肥料過多の症状が現れれば、追肥を控えるか遅らせて様子を見る必要があります。
一方、肥料不足の症状が確認されれば間を置かずに適量を追肥する必要があります。その為には肥料不足の症状がどのようなものかを把握しておく必要があります。肥料不足の症状には節間が長い、徒長している、株の先端付近の葉茎が上を向いている、葉にギザギザがなく丸い、着果不良などがあります。こうした肥料不足のサインが現れたらすぐさま適量を追肥します。
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トマトの苗の選び方
土作りと畝立てが終わればいよいよトマトの苗の植え付けです。「苗半作」といわれる様に、良い苗を選ぶ事が栽培の成否を分けるといっても過言ではありません。良い苗の条件とは以下の通りです。
- 輪作できない場合は接木苗を選ぶ
- 病害虫がついていない
- 葉が黄色く変色したり枯れていない
- 葉の色が濃く厚みがある
- 節間が短く茎が太い(節間が長く徒長して茎が細くない)
- 茎がまっすぐ伸びている(曲がっていない)
- 1番花が咲いているか蕾が付いている
- 子葉がついている
- 根張りが良く根の先端が白い
上記の条件を満たす苗が良い苗ですが、必ずしも全ての条件が揃っているわけではありません。病気にかかっていない、害虫被害がない、黄色く変色しておらず、枯れていないという事が最低限の条件として必要ですが、それ以外は1つや2つ欠けても仕方ありません。苗の購入時期、場所、在庫等によっても苗の品質は異なるので常に最高の状態で手に入らない場合もあるので承知しておきましょう。その上でできる限り高品質の良い苗を手に入れる事が栽培の成功への近道です。
苗の植え付け方法
- 苗の植え付け時期は4月下旬~5月上旬
- 地温確保や病気予防の為にマルチを張る
- 外気温18度以上、地温15度以上が植え付けの目安
- 風通しの良い日当たりの良い場所を選ぶ
- 第1花房が咲く頃が植え付けの適期
- 花が付いている部分を通路側に向けて植え付ける
- 接木苗は台木部分が埋まらない様に浅植えにする
- 花が付いている部分を通路側に向けて植える
- 植え穴とポットにたっぷりと水をやる
- 支柱は花芽の反対側に立てる
良い苗を選んだらいよいよ苗の植え付けです。苗の植え付け方法にはいくつかポイントがありますが、まずは植え付けの時期を守る事です。トマトの苗の植え付けの適期は温暖地で4月下旬~5月上旬です。早過ぎると遅霜にやられたり成長が旺盛になり過ぎたり、遅すぎても実の付きが悪くなったり収穫が遅れたりします。
又、雨による泥跳ね防止や病気予防の為、そして地温を確保する為にマルチングは不可欠です。泥が跳ねて株元の茎葉に付着すると病気の原因になりますが、マルチを張っておけば予防になります。更に、植え付け後の根の活着を促進する役割でもマルチングは有効です。十分に地温を確保しておくにはできれば植え付けの1週間前までにマルチを張っておきたいですが、直前になってしまってもマルチングはその後の成長には効果的です。
次に大事なのはトマトは日当たりと風通しの良い場所に植え付ける事です。植え付け場所の選定は土づくりと畝立ての作業の段階で既に決まっていると思いますが、ここで改めて植え付け場所の確認をします。トマトは日当たりが悪いと光合成がうまくできずに生育不良となり、花は落下して実もつかなくなります。更に風通しが悪いと病気が発生しやすくなります。実がつかなければ収穫量が落ち、病気になってしまえば栽培が困難になる事もあります。一度植え付けてしまうと容易には場所を変える事はできませんので植え付け場所の確認は必須です。
苗は一段目の花が付いている部分を通路側に向けて植え付けます。花が咲く部分に実がつくのですが、第一果房の上に90度向きを変えて葉っぱ、その上に90度向きを変えて葉っぱ、その上に90度向きを変えて葉っぱ、そしてその上に又90度向きを変えて第二段目の花が咲きます。花は3枚葉がついて一周回って又咲くのですべて同じ向きになります。ですから第一花房を通路側にしておけばその後の管理がしやすくなります。
苗を植え付ける前に植え付け穴とポットに十分水やりをします。植付け穴にはハス口を外したジョウロでたっぷりと水を注ぎ、水が引くまで待ちます。こうしておけば植え付け後の活着が良くなります。又、植え付け前のポット苗にも水を注いでおきます。その後苗をポットから外して植え付けます。植え付けの高さは畝の高さと同じ位ですが、接木苗の場合は台木が土に埋もれない様に少し浅めにします。台木が埋もれていると台木から根が出る場合があり、本来育てるべき野菜とは別の野菜が生育してしまいます。仮に根が出てきてしまったらすぐに切り取りましょう。
植え付けが終われば支柱を立てますが、支柱は花が咲く向きの反対側に立てます。まだ植え付け前の苗の状態で花が一つ位咲いている程度なら問題ありませんが、幾つもの花が咲いて実が付くまでになって支柱が同じ側にあると障害になります。実が大きくなれば支柱が邪魔になるのはもちろんですが、花芽が付く段階で風で支柱に何度も擦れる様な状態だと落花して実が付かなくなることもあるので注意が必要です。
脇芽かき
- 脇芽とは主枝と葉の付け根から出る芽(枝)
- わき芽を放置すると養分が分散されて実が大きくならなくなったり、茎葉が茂り過ぎて日当たりや風通しが悪くなったりします
- 脇芽はできるだけ早く小さなうちに摘み取る
- わき芽を取る時はハサミを使わず手で摘み取る
- わき芽かきはなすべく晴天の午前中に行う
脇芽とは主枝と葉の付け根から出てくる芽(枝)の事で、トマト栽培では脇芽をかく、すなわち摘み取る事は必須の作業です。脇芽を放置しておくと主枝と同じ様に茎葉が成長し、花が咲いて実が付く事になります。花が咲いて実もつくので一見良さそうですが、土から吸収する栄養分が主枝と脇芽に分散されてしまい、主枝と脇芽の両方の実が十分に成長しなくなってしまいます。又、主枝のみならず脇芽の茎葉も成長する事で株が過密状態となり、日当たりや風通しが悪くなり、落花や病気の原因になります。
脇芽を取るときは手で折る様に摘み取ります。脇芽はなるべく小さな内に摘み取るのが鉄則で、目安としては5㎝以内までです。あまり大きくなり過ぎると養分が分散するだけでなく、手で取る事が難しくなります。仮に手で摘み取る事ができたとしても脇芽が大きい分切り口が大きくなり、病原菌が侵入する可能性が高まります。脇芽をかく事を忘れていてあまりにも大きくなって手で摘み取るのが困難な場合は消毒したハサミを使用します。
尚、脇芽を摘み取る時はなるべく晴天の午前中に行うのが望ましいです。雨天時に脇芽かきをすると病原菌が雨水で傷口から侵入する可能性があります。晴れていれば傷口の乾燥も早く、朝から遅くても午前中に行えば夜には乾燥して傷を塞いでくれます。
摘芯
- 摘芯とは一定の大きさに成長した枝、芽、つる等の先端を剪定する事
- 摘芯する事で花や実の充実をはかり収穫量の増加を目指す
- トマトの場合は通常5段目の先か支柱の先まで先端が伸びたら摘芯する
- 摘芯する時は最上段の花房の上の葉2枚を残す
摘芯は一定の大きさに成長した枝、芽、つるの先端を剪定して成長を止める事です。摘芯する事で養分が他の部分に流れていく事で花や実の充実をはかったり、他の枝の成長を促進させる事ができます。トマトの場合は家庭菜園では一般的に5段目の花房がついた先辺りで2~3枚の葉を残して摘芯します。トマトは茎葉を先へ先へと伸ばしながら1段目、2段目、3段目と次々と花芽をつけ、実をつければ実にも次々と養分を送り続けています。株自身が成長するだけでなく花も実にも栄養分を送る事は株には大変な負担がかかります。
摘花(摘果)
- 摘果とは未熟の実を成長前に選別して摘み取る作業
- 摘果する事で残った実に養分を集中させて良い実ができる
- 摘果しないと実が十分大きくならなかったり着花不良になったりする
- 摘果は大玉トマトと中玉トマトで必要だがミニトマトは原則必要なし
- 摘果する場合は大玉・中玉で1花房につき4~5個残す
- 異常がある実を優先して摘果して良質の実を残す
摘花(摘果)とは生育初期の未熟な実を選別して摘み取る作業の事です。簡単にいえば、実の数を減らして残った実に養分を集中させる事で、残った実はより大きくより味の良いものに成長する事ができます。逆に摘果をしないと養分が行き渡らずに、実が十分大きくならず小ぶりになったり、上段の花房に花が付かなかったり落ちてしまったりする事もあります。
摘果は大玉・中玉トマトでは必要になりますが、ミニトマトでは原則必要ありません。大玉・中玉トマトは全ての実を育てると大量の養分を消費するので、実だけでなく株全体の生育にも影響します。例えば、第1花房に全ての実をつけておくと実の成長にばかり養分がとられ、上段の花房の生育にも影響します。「なす」の栽培でも第1花は摘花して株の成長を優先したりしますが、トマトの場合でも第1花房の実の数を減らして以降の成長を促すのは得策です。
写真は大玉トマトですが、第1花房、第2花房は着花して実が付いてますが、第3花房は全く実が付いていません。着花不良で実が付いていない原因ははっきりわかりませんが、考えられる原因は日当たり不足や肥料不足があり、一因として摘果していない事も関係している可能性があります。栽培時期は例年にない梅雨の天候不良で日照時間が短い事も影響していると思われますが、それにしても第3花房に実が1つもつかないというのは極端です。これが摘果していない事が原因なら第1、第2花房の実を摘果しておけば第3花房も実が付いたかもしれません。
大玉・中玉トマトの摘果の方法は1房につき4~5個を残して残りは摘み取ります。トマトの実は房の根元に付いている実から熟していくので先端に付いている実を摘果するのが通常です。しかし、実に虫食いがあったり、形が悪かったり、腐っていたり、病気だったりと異常がある場合は場所に関わらず優先的に摘果、除去します。摘果する場合は手で実だけを摘み取っても良いのですが、複数摘果する場合は消毒したハサミで枝ごと切り落としても構いません。
上記3枚の写真は1つの株ですが、第1、第2花房には5個ずつ実が付いていますが、第3花房には2個のみ、第4花房には全く実がついていません。第3花房、第4花房の着果不良の原因は不明ですが、第1、第2段を4個までに止めておけば上段の着花不良が少しは改善されたかもしれません。実際第2果房の実はヘタの部分が茶色く変色しており摘果の対象です。尚、ヘタの部分が茶色く変色している場合は褐色腐敗病又は灰色カビ病の疑いがあり、密植や風通しが悪い事が原因です。病気にかかった実は食べれませんので早めに摘果します。
収穫
- 全体的に実が色づいてきたら収穫できる
- ヘタのまわりまで赤くなってきたら収穫できる
- 完熟すると実が簡単に取れる
- 完熟後に収穫を遅らせると硬くなったり割れたり落ちたりする
- 収穫は栄養分が一番多い早朝に行う
トマト(ミニトマト)の収穫はトマト栽培の集大成で最も嬉しい瞬間です。収穫の目安はトマトが完熟した時です。完熟したかどうかは色で判断するのが確実です。実が全体的に色づいてきてヘタのまわりまで赤くなってきたら収穫できます。大玉・中玉は赤玉トマトが主流ですが、ミニトマトでは赤玉だけでなく黄玉のトマトもあります。黄色のミニトマトは赤色に比べて色の変化がわかりづらいですが、それでも未熟のトマトと比較すれば黄色に濃く色づいていくのがわかります。完熟したトマトは大玉、中玉、ミニを問わず総じて実が簡単に枝から取る事ができます。逆に未熟なトマトはしっかりと枝に付いていて簡単には取れなくなっています。
完熟したトマトはすぐに収穫した方が良いです。完熟したままのトマトを放置していても実はそれ以上大きくならず甘くなることもありません。そのままにしておくと実が雨で割れたり、実が落ちてしまう事もあります。実の中には種があり、実が熟せば地面に落ちて種が発芽して子孫を残すという種の生存本能が働きます。完熟した実が落ちるというのは自然現象ですから、すぐに食べなくても完熟したらすぐに収穫しましょう。
又、果菜類のトマトの収穫は栄養分が一番多い早朝に行うのが良いです。トマトは昼間に光合成をして養分を溜めて、夜間は溜めた養分を茎葉の生長に使ったり、栄養分を実に送ったりします。ですから実に栄養分が送られた早朝が収穫のタイミングです。
トマトの栽培事例①
トマトの苗の植え付け①(4月10日)
今年最初のトマトの苗の植え付けです。4月といえどまだ肌寒いので、ちょっと早いかなと思いましたが、ホームセンターで安く売っていたので、12本植えつけました。苗は1本68円~98円位が相場ですが、見切り品のためか24本で(その内、12本が「なす」)800円と1本当たり33円でした。なすはだいぶ干からびていましたが、トマトはしっかりしてましたので購入した次第です。まあ、これ位の値段なら駄目になってもまた買えばいいやと思いました。さて植える場所ですが、トマトは陽当たりの良い場所を好みますが、最初は物置の裏に植えてしまって後で植え替える羽目になりました。ホームセンターで安いのをみてつい衝動買いしてしまい、畑の準備も不十分なまま購入してしまったのは失敗でした。昼間急いで植えたので、午後なって日陰になってしまう事に気づき、翌日に今の場所に植え替えたのです。やはり、畑の準備を万全にして計画的に植えなければいけませんね。
トマトの苗の植え付け②(5月6日)
今年もトマトの苗を植えつけました。先月、既に12本の苗を別の場所に植えてありますが、今回は追加で10本植えつけました。計22本の苗なので一家にしては多すぎると思われますが、生育の不出来を考えるとこれぐらいで十分ともいえます。実際、先月植えた苗の4本が既に折れてしまい、収穫不能となってしまいました。4月は天候不順が続き、気温も上がらず、今年は苗を植えるには早かったようです。今回の追加の分はじっくりと気温が上昇した5月を見計らって10本植え付けました。まだ植えつけたばかりなので、風除けのために周りをビニールシートで囲いました。トマトは雨に弱いので、本当は上部に支柱を組んでビニールシートで覆って雨除けを作りたいのですが、新しく支柱を買わねばならずコストもかかるので、このような風除けで我慢しています。これでも日光は通すし、風除けで苗を守ってくれるので、何もしないよりはましだと思います。時間があれば手作りの雨よけの支柱を組みたいですが、なかなか難しいのが現状です。
ぐんぐん成長するトマトの苗②(5月27日)
苗の植え付けから3週間が経過。ビニールシートの風除けの効果もあってか、苗が順調に育って随分大きくなりました。5月中の陽気も良くて、もう花も咲き始めています。昨年は天候不順が続き、梅雨も長雨が重なり、トマトには本当に大打撃でした。今年はまだ梅雨入りしていないのでどうなるかわかりませんが、去年より早く植えた事もあり、生育は順調です。今年はたくさんトマトを食べれたらいいなと思っています。
1株10円のトマトの苗③(6/3)
今年は1区画、2区画と合計20株以上のトマトの苗を植えつけましたが、さらに3区画目に10株の苗を植えつけました。これでトマトは合計30株以上になりました。本当は2区画で20株もあれば十分ですが、たまたま立ち寄ったショッピングセンターでトマトの苗の処分セールをやっていました。6月に入り、もうトマト苗の植え付け時期には遅いですが、成長しないわけではありません。処分セールだけあって、なんと1株10円です。10円ですからさすがに苗もあまり元気がない。でもダメもとで10株購入しました。さっそく植えつけましたが、さすがにヒョロヒョロですね。うまくトマトができるかどうかわかりませんが、やるだけやってみたいと思います。
欠かせないトマトの「わき芽かき」(5/27)
トマト栽培に欠かせないのが「わき芽かき」です。トマトは生育旺盛で気温が上がると共にどんどん成長しますが、放っておくと好き勝手に伸びてしまいます。支柱に沿って着実に上に伸びていくにはわき芽の除去は欠かせません。トマトは成長にしたがって枝の間に芽が生えて来ますが、主枝を丈夫に上に伸ばすにはわき芽を確実に除去しなければなりません。この「わき芽かき」を怠ると主枝が伸びる節目節目でわき芽に養分を吸われてしまうので、思う様にトマトが育たないのです。
さっそく実がなりました②(6/13)
今年は梅雨入りが遅く、6月に入っても晴天が続いています。天候のお陰でトマトの生育も順調で、1段目の花にさっそく実がなり始めました。もう既にピンポン玉くらいの大きさにはなっていて、このまま好天が続けば早めに収穫できそうです。
自作の雨除けビニール屋根②(6/16)
「ふじやま」さんの故郷でもいよいよ梅雨入りです。昨年より10日、平年より5日遅い梅雨入りですが、トマトには厳しい時期がやってきました。トマトはもともと雨量が少ないアンデス高地原産の野菜ですから、雨には弱いんです。昨年もトマトを作りましたが、あまりに長い梅雨で収穫が極端に減りました。花がついても長雨のせいで落花して実がつかず、葉茎ばかりが伸びてしまいました。今年はそんな目にあいたくないので、自分で雨除けを作りました。「雨除け屋根」の費用は約100円。ビニールのポリ袋の代金のみです。手持ちの竹の棒とプラ支柱を組んで、骨組みを作りその上にポリ袋をかぶせました。ホームセンターでは緑のプラスチックのドーム型の支柱が売られていますが、結構高いんです。この畝は2列植えで苗が10本ほどあるので、幅が1m近くあります。買うとしたらかなり大きな雨除けにしなければなりません。ホームセンターでは2,3千円ほどするので、それでは高いトマトになってしまいます。ドーム型の支柱なら設置も簡単で翌年もすぐ使えて楽なのですが、せっかく資材があるので自分で作ることにしました。雨がたまらない様に傾斜をつけて、支柱や竹を何本も上にかけて一本一本紐で縛るのは大変でしたが、まあまあの出来栄えです。
2箇所目の雨除け屋根①(撮影日:06/29)
6月末になり梅雨の時期もそろそろ終わりですが、長雨も続く中でやはり「雨除け」の必要性を感じて又作りました。トマトは今年30株以上栽培していますが、10株には「雨除け」をしましたが、残り約20株はそのままです。「雨除け」をつくるのも結構手間がかかるのでそのままにしていましたが、やはり雨が多いこの時期はトマトの生育にはあまり芳しくありません。雨が降る度に気になって仕方なかったので、また10株に「雨除け」を設置しました。初めの「雨除け」は結構手間取りましたが、2回目は馴れたもので前より短時間で完成しました。
まだ赤くならないトマト(撮影日:07/03)
トマトの「実がなり始めて約1ヶ月が経ちましたが、いまだ熟す気配がありません。30株以上あるトマトには、青い実が既に数十個ありますが、なかなか収穫できません。まだ7月に入ったばかりで早いといえばそれまでですが、やはりトマトは高温性の野菜なんですね。最近は蒸し暑い日が続き、気温もかなり上昇していますが、もっと暑くならないと熟さないのかもしれません。昨年は植え付けも遅かったし、梅雨の長雨で8月になってようやく収穫したのを覚えています。今年はいつ収穫できるのかなと待ち遠しい限りです。
「株間」と「畝の高さ」
トマト栽培で今回失敗したのが「株間」と「畝の高さ」です。「雨除け」を設置して、「ビニールマルチ」も敷いて万全の準備で栽培に臨みましたが、生育途中で失敗を感じたのが「株間」の狭さと「畝」の低さです。「株間」は苗の植え付け当初は気にもしませんでしたが、30cm、50cmと株が成長するにしたがってお互いの株の距離が近すぎて葉や茎が密集してしまいました。密集すればそれだけ「日当たり」や「風通し」が悪くなって、生育を妨げ病気にかかり易くなります。また、「畝」が低いせいで、せっかく「雨除け」があるのに、雨で水が跳ねて株の下の方が泥だらけになるのです。水に弱いトマトに水がかかるだけでなく、病気の原因ともなる泥土が付着してしまい、生育に悪影響が出てしまいます。今回、「畝」の高さは約10cmにしましたが、15cm、できれば20cm位あったほうが良いのかもしれません。幸い株にそれほどの影響もなく、順調に育っていますが、次回また作るときは「株間」と「畝の高さ」には十分気をつけたいと思います。
2ヶ月後の初収穫(撮影日:07/07)
苗を植えてから約2ヶ月。長かったトマトの栽培もようやく初収穫にこぎつけました。実がなり始めてから熟すまで結構時間がかかり、現在数十個なっている実の内の4個がやっと赤くなって収穫できた次第です。苗を植えて支柱を立て、周りをビニールで囲い、更には「雨除け」を手作りで作り、そして脇芽とりや追肥を欠かさずと相当の手間隙をかけたので、収穫の喜びも大きいです。赤く熟した実は本当においしそうで、さっそく1個を切って食べてみました。トマトは収穫してから少しおいた方がより美味しいですが、それでもとれたての味は最高です。これから梅雨があけ、気温が上昇するにつれ、本格的な収穫を迎えるのが楽しみです。
梅雨には必須の「雨除け」(07/09)
梅雨の時期のトマト栽培には「雨除け」が欠かせません。もちろん、「雨除け」がなくても栽培できますが、やはり収量が減ってしまいます。トマトの原産地は中南米のアンデス高地で雨量の少ない地域で、雨には弱いです。雨が降ると花が落ちやすくなり、実も変色や傷みが発生しやすくなります。7月も半ばに近づいていますが、ここ数日長雨が続き、一向に梅雨明けする気配がありません。各地では集中豪雨やゲリラ豪雨で水害が発生し、連日テレビで放送されています。「ふじやま」さんの故郷の富士山麓でも大雨が多く、病気の発生など野菜栽培には気が抜けません。トマト栽培には関しては「雨除け」が役立っていますが、それでも早い梅雨明けを望んでいます。
梅雨明け後の収穫最盛期(撮影日:07/22)
豪雨が続いた梅雨もようやく明け、いよいよトマトの収穫最盛期がやってきました。梅雨さえ乗り切ってしまえば、トマト栽培の難関は越えました。これから気温が上昇し、快晴が続けばトマトには最適の生育環境です。「雨除け」してない10株は収量が少ないですが、その分別の20株からは優良なトマトがたくさん収穫できます。
水分不足(?)のトマト
梅雨明け後、真夏の猛暑の中、あまりの暑さと日照りにトマトの実に影響が出てきました。梅雨の最中は過湿気味の水分でトマトが非常にみずみずしかったのですが、梅雨明け後はカラカラの日照りが続き、トマトの実が水分不足で少々固くなってしまいました。トマトは水を嫌うので雨除けを作ったりしますが、雨が全然降らず連日30度を超し、35度近くに達するような猛暑では、極端に水分が不足して実に水分が十分行き渡らなかったようです。実際、その実を食べてみると梅雨の最中に収穫した実と比べて、色も薄くて実も固かったです。せっかくなった実がこれでは美味しくないので、様子をみては適宜水遣りをする事にしました。雨が多少なりとも降れば問題ありませんが、カラカラの日照り続きでは根も水分を吸収できません。
トマトの栽培事例②
4月下旬の苗の植え付け(04/25)
今年で2回目となるトマト栽培ですが、4月下旬になり苗を10本植え付けました。昨年はあまりに早く植えすぎた失敗から、今年は4月下旬まで待って苗の植え付けをしました。本当は5月になって十分暖かくなってから植えつけても良かったのですが、トマトの苗は3月から販売しているのでさすがに待てません。実際、ホームセンターでも5月下旬にもなると苗も売りつくして、あまり残っていない場合があります。トマトは梅雨の時期を挟んで生育するので、苗の植え付けは結構大変です。梅雨の時期を乗り越えて無事に育ってくれれば良いのですが、天候不順の雨が続いたりすると花が落花したりして、満足に成長しない場合があります。それでも1年を通して他に良い時期はありませんから、困難を承知の上での4月下旬の植え付けとなります。
トマトの苗の選び方
良いトマトをつくるには良い苗を植え付けなければなりません。苗を購入するときはしっかりとした眼をもって良い苗を選ぶ必要があります。まず、苗は青々と生き生きしているものを選び、黄色がかっているものは避けます。次にポット裏側の穴などをみて、根がしっかりと張っているか確認しましょう。また、あまり背丈が長くヒョロヒョロしたものは、その後の生育も貧弱になるので、できるだけ茎が太くて節間が短いものを選びます。蕾が付いているか花が咲いているかも重要です。すでに蕾がつくまでに成長していれば、その後の成長も早くなります。
初心者の方や連作障害が心配な場合は「接木苗」を購入する事もおすすめです。「接木苗」は茎葉の部分はトマトですが、土台となる根の部分がかぼちゃや苦瓜などの別の野菜となっている苗です。病害に強い別の野菜の根の部分と実際に育てる野菜の茎の部分を人工的にくっつけたもので、普通の接木していない苗より育てやすいのが特徴です。根の部分が別の野菜ですので「連作障害」も気にすることもありません。いいことづくめの「接木苗」ですが、普通の苗より高価なのが難点です。例えば、普通のトマトの苗は1株70~100円程度で売られているのに対して、「接木苗」は200~300円程度で販売しています。「接木苗」はプロの育苗業者が高度な技術で2つの植物を人工的に接合してあり、それだけの価格になってしまいます。家庭菜園が小さくて輪作できないとか、病害がどうしても心配でなければ無理に「接木苗」を購入しなくても大丈夫だと思います。もちろん、「すいか」のように5~6年は連作できない野菜は「接木苗」は有効です。御自身の作る野菜の種類、数、予算に応じて利用しましょう。
品種「強力米寿」と「桃太郎」
今年栽培するトマトの品種は「強力米寿(きょうりょくべいじゅ)」です。家庭菜園用の酸味がある夏秋用のトマトで、果重は240g程度で秀品率が高いとの事です。昨年トマトは30株栽培しましたが、20株は「ホーム桃太郎」で10株は「強力米寿」でした。味は確かに「桃太郎」の方が良い気がしますが、収量も多く栽培しやすかったのが「強力米寿」でした。「桃太郎」は菜園用苗では定番中の定番ですが、枝も細く病気に弱くて貧弱な感じが否めません。トマト栽培は土作り、肥料、マルチ、支柱、誘引、芽かき、雨除けなどあらゆる手間を滞りなくしてやっと収穫できます。当然といえば当然ですが、「桃太郎」は非常に繊細で手間がかかります。トマト栽培は梅雨の時期を挟むのでどの品種でも大変ですが、家庭菜園初心者の「ふじやま」さんとしてはなるべく丈夫な苗、品種で手間を少なくしたいものです。昨年栽培した「強力米寿」はずっしりと丈夫な枝葉が育ち、実も十分育ちましたので、今回もこれを10株育てる事にしました。
トマトのわき芽とり(5月下旬)
トマトの苗が順調に成長してきましたので、「わき芽とり」を行いました。株丈は70cmほどになり生育順調ですが、植え付け当初から手入れもしてませんでしたのでかなり伸び放題です。土中に穴を掘る「溝施肥」をしたので肥料は十分だと思いますが、これから実をつけていくのに余分な所に養分は使えません。御覧の通り、鉛筆ほどの長さのわき芽がぞくぞくと伸びていて、もう少し早くわき芽を摘み取るべきでした。株元からも芽が出ておりたくましい限りですが、あまり混みあい過ぎると日当たりも悪く病気にかかりやすくなります。主枝と側枝の間に出来るわき芽はこれからも成長するにつれて出てきますので、定期的に摘み取る必要があります。
2本仕立てで収穫量を増やす(06/08)
トマトの苗は主枝を1本伸ばす1本立てが普通ですが、今年は2本立てに挑戦してみました。トマトは雨に弱く、雨除けをしたり、支柱を立てたり、わき芽をかいたりと栽培に手間がかかるわりに収穫量が少ないのが難点です。楽して美味しいトマトができるわけがありませんが、梅雨の長雨が続いたりすると花が落下して実が付かなかったりして結構栽培が大変です。昨年は30株近く栽培しましたが、あまりにも手入れが大変なので、今年は10株だけ栽培することにしました。しかし、10株だけでは収量が減ることは確実なので、少しでも収量アップをはかろうと1株に2本枝を育てる2本仕立てで栽培することにしました。植え付け当初は1本仕立てで作るつもりでしたので、2本仕立てにしたらかなり枝葉が混みいってしまいました。地表30cm程度の部分でわき芽を伸ばし、主枝とあわせて1株で2本立てにしました。主枝はもちろんの事、わき芽から成長した側枝にも花が咲き実がなります。こうして2本仕立てにすると収量は2倍までいかずとも約1.5倍にはなるそうです。2本仕立てにするなら最初からもう少し株間を十分とればよかったのですが、今となってはどうしようもありません。このまま無事に梅雨を乗り切れば7月には美味しいトマトが収穫できそうです。
着果を確認~トマトの実ができました(06/20)
苗の植え付けから約2ヶ月が経過し、ようやく実がつきはじめました。トマトの栽培で一番気になるのは、やはり実がなるかどうかです。開花後に実がつくのですが、低温、日照不足や暑さが続くと落下してしまいます。今は丁度梅雨の時期とあって多少なりとも低温や日照不足が避けられません。梅雨の時期にあまり茎丈が大きくなって成長してしまうと花が咲かず実がならないトマトの株になってしまいます。高温性の野菜なので本当なら梅雨明け後の夏に育てられれば一番良いのですが、トマトの生育温度は25~28℃程度と真夏の30℃を越す猛暑では生育が止まってしまいます。元々は南米のアンデス高地が原産の野菜ですので、高温性野菜といえどあまり暑過ぎるのは苦手のようです。
トマトの初収穫(07/02)
梅雨明けはまだまだですが、7月に入ってようやくトマトを初収穫しました。今年は雨除けを設置していないので、正直トマトの出来は良くないです。早速食べてみて味は申し分ありませんが、やはり収量が少ないです。1株で2本仕立てに挑戦しましたが、梅雨で花が咲かなかったり実が傷んでしまったりして実際に収穫できるのは少なくなってしまいます。ハウスや雨除けを設置して栽培すればよいのですが、手間やコストを考えるとなかなか大変です。それでも7月に入り梅雨明けすれば、これからまだ花が咲いて美味しいトマトができると思います。毎年の事ですが、トマト栽培で梅雨の時期は本当に辛抱です。
梅雨の被害で落果続出(07/08)
梅雨の時期の長雨と日照不足はトマト栽培にとって最大の障害です。梅雨が長引けば長引くほどトマトは被害を被ります。株もとに着花した1番果ですが、雨と日照不足で腐って落果していまいました。せっかく花が咲いて受粉して実ができたのにこうして腐ってしまうのは残念です。ここまでくると最早収穫できないので、傷んだ実を一刻も早く取り除く事が必要です。このまま放置して株自体が被害を受けるのは避けなければなりません。また、株の上部でも梅雨の影響で本来なら3つ4つ付くはずの実が1つだけしか実が付いていません。他の花は雨などの影響で落花してしまったと思われます。収量増を狙って1株2本仕立てにしてありますが、今のところ思ったほど実が付いていません。今年は7月8日にようやく梅雨明けしましたが、トマトはかなりのダメージを被りました。それでも株自体は生き残っていますので、これから本格的な夏が近づくにつれ株も元気を取り戻し、美味しいトマトが収穫できると思います。
風通しと日当たりが大事(07/10)
トマトに限らず「なす」、「ピーマン」など茎葉が密集する野菜は「風通し」と「日当たり」が成長を左右します。梅雨の時期は特に日当たりが悪いので、少ない日光をいかに満遍なく茎葉に当てる事が重要です。日当たりが悪いと株の成長も実付きも悪くなり、何より病気が発生しやすくなります。また、茎葉が密集し過ぎると「風通し」が悪くなり、これまた病気が出やすくなります。「なす」や「ピーマン」もわき芽を取りますが、これは栄養を分散させない様にするだけでなく、「日当たり」や「風通し」を良くするためでもあります。トマトは元々中南米原産の高地栽培の野菜ですから、雨や湿気が苦手です。梅雨の長雨で実が腐ったり、葉が枯れてしまったりしますが、傷んだ実や枯れた葉は極力取り除いて健全な生育環境を確保しなければなりません。トマトの葉は成長に従い、徐々に下から枯れていくのでそれほど問題ありませんが、「風通し」と「日当たり」を良くするにはすぐに取り除く必要があります。手でむしったりハサミで切り落としたりと、30分ほど作業しましたが、随分とすっきりしました。これから上部の2番果、3番果と成長していくのが楽しみです。
傷みが多く少ない収穫量(7月下旬)
梅雨も明け台風も去り、ようやく夏らしくなってきましたが、これまでの「トマト」収穫は芳しくありません。「トマト」は雨に弱いので、梅雨や台風が来ると実が傷んでしまいなす術がないからです。今年は「雨除け」を設置していないので、雨の被害は甚大です。初収穫から3週間余り経ちますが、ほとんどの花が落花して実もいたんでしまい、これまでまともに収穫できたのは10個にも満たない程度です。株の根元付近の一番果はほぼ全滅で、これから2番果、3番果とどれだけ収穫できるか期待するしかありません。ビニールハウスでもあればこんな被害はないのにと思いますが、「トマト」の栽培は本当に手間がかかります。
株が疲れて実も小さい(08/01)
8月に入り連日の猛暑が続き、「トマト」の株も大分疲れてきました。所々枯れている箇所が目立ち、株に勢いがないのが一目でわかります。雨が降らない日が続きますが、「トマト」は元々雨が苦手で乾燥には強いので問題ありません。但し、乾燥しすぎると実に水分が行き届かなくなり、食感が悪くなります。あまりにも日照りが続く場合は株元に水遣りをしても構いません。多少の乾燥は大丈夫としても、やはり8月の猛暑では収穫もあまり見込めません。「トマト」の生育適温は25~30℃程度なので、35℃にも達する連日の猛暑では生育に障害が出てきます。30℃を超してくると実もつきにくく、大きくなりづらくなります。実もわずかについていますが、肥料不足のせいか小さいものがほとんどです。
トマト栽培終了
4ヶ月に渡るトマト栽培も8月末でいよいよ終了です。今年は生育が悪く、収量も少なかったです。まともに収穫できたのは30個に満たないほどです。これも「雨除けシート」を設置していなかったせいでしょう。今年は雨が多くて株が雨ざらしにされる事が多く、実も裂け株も目に見えて弱ってしまいました。さらに、8月の酷暑ともいえる暑さで、トマトの生育温度の上限とされる25℃を超える日が続きました。大玉品種を育てていても中玉ほどの実しかつかず、天候と肥料不足の影響を受けて、収穫は満足できるものではありませんでした。順調な生育には追肥が必要ですが、あまりに生育が悪いので8月中旬からは観念して放任した次第です。酷暑と大雨の影響で株も次第に衰弱し、8月末には枝も枯れて収穫不能となり、今年のトマト栽培は終了となりました。
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