雑草の定義
- 雑草とは作物以外の植物で、総じて作物に悪影響を与える
雑草とは野菜作りにおいて作物以外の植物を指します。
雑草は雑草魂という言葉がある通り、踏まれても刈られても復活するほど生命力、再生力、そして繁殖力が強いです。
例え根まで抜かれても幾つもの種をこぼしてその種を残します。
ある種は抜く時にこぼれ、ある種は風にふかれて範囲を広げ、ある種は動物や人にくっついて遠くまで運ばれてと、あらゆる手段で生き残りを図ります。
そんな逞しい雑草は数えきれないほどの種類があって一括りに語る事はできないのですが、総じて作物に悪影響を与えるものがほとんどです。
雑草が作物に与える影響
- 日光を遮って作物の成長を阻害する
- 本来作物に吸収されるべき肥料や水分を奪う
- 病虫害を誘引する
雑草が野菜作りにおいて与える悪影響は本来作っている作物に及びます。
雑草が繁茂する事により作物に日光が当たらず成長が阻害されてしまいます。
更に、繁殖力が強い雑草は本来は作物に吸収されるべき肥料や水分を奪って作物より生長するので、作物の生育の障害となります。
又、雑草は病害虫の巣となるので病害虫を誘引し、その近くにある作物にも病害虫が棲みついてしまいます。
雑草対策
- 野菜づくりは雑草との戦い
- 雑草を少なくすることが作物の良好な生育につながる
作物に悪影響を与える雑草をいかに少なくするかは野菜作りにおける重要課題です。
野菜づくりは雑草との戦いといわれるほどで、雑草を少なくすることが作物が良好な環境で生育する事につながります。
雑草を完全になくす事は非常に難しいのですが、不可能というわけではありません。
ではどんな雑草対策があるのか、以下で述べてみましょう。
①雑草を抜く
- 手間はかかるが確実な除去方法
- 小さな内に抜いてしまう方が影響が少ない
- 大きくなった雑草は種がこぼれない様に注意する
雑草を抜く作業は最も手間がかかりますが、雑草を除去するには確実です。
手や道具を使って一つ一つの雑草を根元から抜いてしまえば、その雑草が復活する事はまずありません。
気をつけたいのはできるだけ雑草が小さいうちに抜いてしまう事です。
小さければ小さいほど少ない労力で抜く事ができますし、雑草に奪われた水分や養分も少なく作物に与える影響も少ないからです。
一方、大きく成長してからだと抜くのも大変ですし、抜く時に種がこぼしたりまき散らしたりしてかえって雑草が増える事にもなりかねません。
とはいっても放っておくわけにもいきませんので、種が飛散しない様に慎重に抜く必要がありません。
いずれにせよ雑草は大きくなってしまう前に取り除くのが一番です。
②雑草を刈る
- たくさんの雑草を一度に処理するには便利
雑草を刈る作業とは概ね大きく伸びた雑草を鎌や刈払機などで地表際を刈るという事です。
地表際から雑草を刈るので地中にある根は残ってしまいますが、一つ一つの雑草を抜いていく作業よりは手間がかかりません。
雑草の数が多すぎて一つ一つの雑草を抜いていられない時やあまり手間をかけずに一気に雑草処理をしたい時に向いている方法です。
根を残してしまうので雑草が再生してしまう事もあるのですが、ある程度の雑草はそのまま根も枯れてしまいますし、再生したとしても一定期間は雑草の脅威からは逃れる事ができます。
③透明マルチを敷く
- 太陽熱で雑草だけでなく種も病害虫も除去できる
雑草を抜くのでもなく刈るのでもなく、透明マルチを使えば太陽熱の力で除去する事ができます。
雑草を除去したい区画に穴の開いていない透明マルチを敷き、端にしっかりと土をかぶせて密閉する事でマルチ内は高温になります。
雑草といえども生育できる温度には限界があるので、高温の過酷な条件下ではほとんどが枯れてしまいます。
土壌内に残った目に見えないような雑草の種も高温条件下で発芽不良となったり発芽できなくなる場合が多くなり、後の雑草対策にもつながります。
又、透明マルチは土壌の消毒にも使われる方法で、土壌内を高温にすることで病虫害を死滅させる殺菌効果があります。
こうしたいい事づくめの透明マルチですが、難点は作付けしていない区画にしかできない事です。
種まき直後や幼苗の時など上からマルチを敷く事が出来ても雑草と一緒に肝心の作物まで被害を受けてしまいます。
冬季に何もつくっていない時期や冬以外でも一定期間作付けしないような時期に合わせて活用すればよいと思います。
④防草シートを敷く
- 日光を遮れば雑草は生えない
雑草対策の一つとして効果的なのが防草シートを敷く事です。
防草シートとは文字通り草(雑草)の発生を防ぐシートです。
緑色や茶色のシートもありますが、一般的には黒色のポリプロピレン製の網目状のシートが多いです。
遮光性が高いのが特徴で、光を通さない事で雑草に光合成をさせない事で成長を抑制します。
効果は抜群でシートの下には雑草が生える事はほぼなく、元々生えていた雑草も枯れてしまいます。
菜園では日常耕す事のない通路や作付ごとにできる畝の間に敷けば雑草に悩まされる事もなくなります。
家庭菜園だけでなく庭や敷地の中で雑草に悩まされている区画に敷けばそのまま放っておいても雑草が生える事もなくなります。
⑤除草剤を散布する
- 雑草除去に最大の威力があるのが除草剤
- 家庭菜園で使用する場合は必ず「農耕地用」の除草剤を使用する
- 除草剤を使用したくない場合は他の方法を検討する
雑草除去に最も威力があるのが除草剤です。
除草剤は文字通り薬剤の力で雑草を枯らします。
除草剤には様々な種類がありますが、畑や菜園で使用する場合には必ず「農耕地用」の除草剤を使用します。
除草剤には「農耕地用」と「非農耕地用」があり、「農耕地用」ならば適切な使用方法を守れば問題ありません。
一方、「非農耕地用」は庭、駐車場、空き地、家の周りなど野菜を栽培する事のない場所に使用します。
「非農耕地用」の場合は野菜や果物など食物を作る土地で使う事を想定していないので、薬剤の効果は強力で土に残ることが通常です。
しかし、「農耕地用」の除草剤の場合は散布した雑草だけを枯らし、土壌では一定期間の後に無害になるなど作物への影響を配慮して作られています。
「農耕地用」の除草剤でも数えきれないほどの種類があるので一概にはいえませんが、各剤ごとに決められた使用方法、注意事項を守れば問題ないとされています。
とはいってもいくら問題ないとされても、やはり除草剤を家庭菜園で使用する事は躊躇するものです。
そもそも家庭菜園を行う方の動機には安心、安全な野菜や果物を食べたいというのがあります。
他所で売られている野菜や果物ではどんな方法で作られたかわからない、農薬を使っているのかいないのかわからない、農薬が残っているのかわからないといった心配が常に付きまといます。
もちろん、厳格で適切な栽培管理をされた商品がほとんどでしょうが、それでも自分の目で確認したわけではありません。
その点、家庭菜園なら自分の責任で農薬も除草剤も使わず自由に栽培する事ができます。
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